8月27日と28日の日記

日記の世界では、
せっせと昨日を生きています。


弟とごはんに行きました。
弟は音楽のしごとを(まだ学生ですが)やっているので、
なんだか外見もその道っぽくなって、
黒い帽子なんかかぶっていて、
さぞかし異世界かと思いきや、
なかみはちっとも変わっていませんでした。

姉弟でカウンターに座ってお酒を飲んだのは生まれて初めてで、
子どものころいつかはくるのかな〜なんてそわそわしつつ、
わたしがお酒を飲み始めてからは、
「いつかな〜」なんて楽しみにしていたりもしましたが、
はじめては全くそんな顔をせずごく普通にやってきて
結局たいていのはじめては、
そういうことだよな。と思ったりしました。

はじめて、

はじめて、
と意識することで特別なものになるという考え方と、

毎日がはじめてだ。今年のなつは二度とこない。
というような考えは、

どちらも正しくて、
どちらもそんなに正しくないような気もします。


(ここからは日記も今日を生きることとします。)


たくさんのひとは、
地下鉄に乗ったとたんに、
「たくさんのひと」から「地下鉄」という1つのものになって、
青山一丁目のカーブに飲まれていく様子が、
なんだか面白いなと思いました。

もし地下鉄が透明だったら、
ひとがものすごい速さで移動していくんだよなあ。
さぞ奇妙だろう。
一人でにやついたりしました。


そういえば、
使っている路線は終電になると、
線路にネズミが出ます。

くろくて意外とおおきい物体がひゅっと動くので、
ぼんやりした頭で電車を待っている私はいつも驚くのですが、
「ア、終電だ、逃げなきゃ!」
っていう感じで急いで線路のはしに避けていくネズミは、
たしかに毎日生きていて、
それはそれで良いなあ。

と思っています。




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