ずっとずっと前の、ごく最近のはなし。

割れて割れて
割れたかけらは
いつか血管を傷つけるだろうか。

忘れてしまえば済むのだろうか。
それは「運」と呼べるものだろうか。

忘れて忘れて
忘れた記憶は
いつか人生を変えうるだろうか。

思い出すのは因果だろうか。
それは「罪」と呼べるものだろうか。

変わって変わって
取って代わって
私は本体を明け渡すだろうか。

名も知らぬだれかに。
それは「愛」と呼べるものだろうか。

そのとき電流は流れるだろうか。
皮膚はぴりりと叫ぶだろうか。
そのとき回路はショートするだろうか。
脳はジュッと燃え尽きるだろうか。





ずっとずっと前にあった、
ごく最近のはなし。


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