8月26日の日記

万年筆は、
かんたんに人生をちょっと良くする。

文字を書くのが好きなので、
万年筆は好きなことをなおさらに楽しくしてくれる。

しばらく使っていた万年筆が、
あんまり出が良くなくなってしまったので、
同じメーカーの、こども用の万年筆を買った。
手が大きいわりに、使うのはいつも子ども用。
書きやすいからいいのだ。

今日は、たくさん文字を書いた。
文字を書いている(正確には写している)とすぐ飽きてくるし、
たいていは気が散ってしまう。
今気がかりなこと、
返していないメール、
言いそびれた後悔、などなどが頭をめぐったり、
唸る文章に出会うと、どうしたらこんな文章が書けるのか、
手より頭が働き始めてしまう。

今日は、思想にたくさん出会った。
理想をおいかけているひとたちのことばをたくさん拾った。
どれも、今の時代にはあまりないもののように見えた。
あるいは、自分がそう判断してしまっているのかもしれない。

今の時代で、
思想をもった人間になるには、
どうしたらいいのだろう。
(まずは割れたiPhoneを、
きちんと修理しにいくべきなんだろう。)

最近は、
日記を書くことも、
思っていることを吐き出すことも、
なぜかすっかり忘れていて、
蛇口が腐りかけていた。

書いていないということすら忘れていたくらいで、
それを思い出させてくれる人に出会えたり、
書かなくてはと思える出来事に遭遇したりして、
運良くまた書きたいという気持ちが起こってきた。

書いていなければ死んでしまう種類の生き物でもない分、
刺激し続けていかないと自分のどこかが知らずに死ぬな、
と思った。


今日は、説明できないけれどものすごく寂しい気持ちになって、
世界がたてに伸びるような感覚におそわれる日だった。
小学生の頃、
おばあちゃんの家で寝静まったいとこたちの顔を眺めながら、
覚えた感覚だ。

いつも久しぶりで、唐突で、
とりとめもないから困る。
困るけれど、どうしようもない。



そんなこんなで、
ちっとも会えていない弟にLINEを送ってみたら、
明日ごはんに行くことになった。


店を好きに決めていいよ、と言ったら
随分と高い店のリンクをよこしてきた。
奢ってもらえる人間はつよい。

お店選びがすっかり大人になっているところが、
知らない間に弟が大人になっていることを、
よくよく気づかせてきて、
それがかえってもやついた気持ちにさせる。



「人生が想像通りになるほど、
人間の想像力は豊かではない。」

ポツネン氏の舞台は、本当に、豊かで、涼しくて、素晴らしかった。
アンケートを書きそびれたので、
今度手紙を書きたいと思っている。




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