海辺のカフカ

月曜も始業時間をすぎたというのに、
なかなか働く気になれないので日記を更新する。
あ、正確にいえば、私の部署はフレックス制になったので、まだか。

この前、埼玉まで行って舞台『海辺のカフカ』を観た。
きれいで、切なくて、
ごろっとした湿り気のある寂しさを持たされたまま、
雨のそぼ降る世界にぽいっと投げ出されたような気分になった。

劇場までの道を、
ひとの波にそって行き、
劇場からの道を、
ひとの波にそって帰った。

舞台で使われていた、
シガーロスのvakaがとてもとてもとても良くて、
https://www.youtube.com/watch?v=P0AZIFmkogY

調べたらなんだか有名なバンドのようで、
知らないことはまだまだたくさんあるなあ、と思った。

映画も、CMも、舞台も、音楽も、小説も、土地も、ひとも、
まだまだ何にも知らない。

知りたい、と一歩世界を出ようとすると、
足の裏がベリベリッと地面から剥がれる音がする。
そこにずいぶん留まってきたので、
気持ちのよくない粘着跡を残してしまうガムテープのように、
自分の足の跡がくっきりとべたついて、残っている。
小指の関節が、ちょっとだけ変な方向に折れ曲がっているのが見える。



昨日は、グラフィック撮影のあと、
カメラマンさんがそこにいたスタッフのみんなを順繰りで撮ってくれた。

みんな持っているパーツは一緒なのに、
それでも全然違ういきもので、それが愛おしくって、面白かった。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?