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二カ国二拠点生活のデメリット シドニーと日本

オーストラリアのシドニーと、日本の北陸の県庁所在地の町で、二拠点生活しています。そういうと、結構「いいなあ」というコメントを頂くんだけど、まあいい点は沢山あるので否定はしないんだけど、正直「デメリットもかなりある」と感じるのでこのNoteを書いてみました。2国間を跨いでの二拠点生活を検討している方の参考になれば。


前提(スペック)



5人家族(夫婦+小学生3人)、夫はオーストラリア人、私は日本人
夫の仕事:US本社・AUS支社のIT企業で99%リモートワーク
私の仕事:US本社・AUS支社のライフサイエンス企業で100%リモートワーク。日本を含むAPACを担当(日本の仕事も結構ある)
一年の3/4はシドニー。子供たちのメインの学校はこっち
一年の1/4は日本の北陸の県庁所在地の町。子供たちは帰国した際には近所の公立小学校に体験入学させてもらっている(そういうシステムがある)
シドニーの学校の長期休みに合わせて年に2回、1回1ヶ月半ずつ帰国している

デメリット1 移動にものすごく時間とエネルギーをとられる


シドニーから東京は直行便が飛んでいて夜便もあるから寝ている間に着く、というのはその通りなんだけど、1ヶ月半家を留守にするには準備が大変。掃除をして、冷蔵庫と貯蔵庫を片付けてパッキングして、電気やガスも気を配って、留守中家を見てもらう義理の弟と打ち合わせとお礼をして・・とそれだけで丸一日かかる。出発前日と当日、そして着いた翌日は夫婦共に有給にしてなんとか回る、という感じ。

デメリット2 生活が大きく崩れる


日本とシドニーは1-2時間(季節による)しか時差がないからそんなに負担はないんだけど、全くないというほどでもない。また久しぶりに日本にきた、久しぶりにシドニーに戻ったなどで子供たちは興奮するし、親戚友人知人達との社交もそれを機に増える。
「日本行く前に会いましょ」「日本にいる間に会いましょ」「日本から戻ってきたんだ会いましょ」「シドニーに戻ってきたタイミングで飲み会設定しましょ」が続きがちになる(もちろんありがたいことです、文句言っているわけではありません)。子供の誕生日会とかも「日本に行く前にやってしまおう」など予定がもりもりになる傾向がある。

デメリット3 お金


当たり前だけど、国際間の二拠点生活ではものすごく固定費がかかる。家族5人の飛行機+新幹線、シンプルにこれだけで大体100万くらいかかると思っておいた方がいい(もちろん時期や、どの航空会社を使うかや、マイルを使うか、そのクラスの座席を選ぶか、などで変わります)。そして1ヶ月半も日本にいたら、ざっくり100万は使う。滞在費として実家に渡すお金に始まり、旅行、買い物、余暇費用などなど・・これを年に2回するんだから、単純計算で400万かかっているといことになる。ひえええええ。

デメリット4 仕事が集中してできない


環境が変わって、移動をしないといけなくて、生活も安定しなくて、となると、落ち着いて仕事なんて出来たものじゃない。せっかく日本にいるんだから旅行も連れて行ってあげないと、となるとさらに仕事が出来なくなる。私も夫も「いつ首になるんじゃないか」とヒヤヒヤしてる。そしても有給は移動で使い果たし、もうない。

デメリット5 二拠点生活することにキャパを持って行かれすぎて他のことが何もできない

そんな訳で二拠点生活はもうそれだけで時間もお金も精神も削られる。最近子供に「ハワイ行ってみたい」とか「パリに行ってみたい」とか言われるんだよね。でもそんなの無理。我が家にそんなお金の余裕はないし、有給なんてこれっぽっちも残っていないし、せめてシドニーにいるときには真面目に仕事してるアピールしないとだから意識が仕事に向いてて何とかしようとか工夫するような精神力は残ってない。二拠点生活していると「二拠点生活を維持することに全てを持って行かれてそれ以外のことに気を回す余裕が一切なくなる」となってしまうんだと思う。

もちろんそれでも二拠点生活するメリットを感じるからやっているんだけど、周りから思われがちな「二拠点生活最高!」と言えるようなものではないなあ、と感じることが多々あるのでここに書いてみた。海外二拠点生活するにしても、お金の心配がない人や仕事の心配がない人であればこんな苦労をしなくてもいいんだろうけど、そんな人ってかなり少数よね・・?あと家族5人で毎回動いているからこうなるのかもしれない。日本に帰るときは私と子供達だけで、とするともう少し余裕は増えるかも(その分日本での滞在期間がワンオペになるから大変になるだろうけどね、あと我が家は家族の価値観として全員で一緒に過ごすことを大事にする、というのがあるから多分この選択肢は限られる)。どの人も家庭も事情は変わるだろうけど、まあ我が家はこんな感じです、っていうのが少しでも皆さんの参考になれば。

ちなみに私と夫はヒイヒイ言いながらこんな感じでなんとか生活を回している訳だけど、子供達は楽しそうです。私も子供になりたい。

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