【2018年】クレヨンしんちゃん映画 おすすめランキング個人的TOP10

何かと「泣けるらしい」と話題にのぼる、劇場版クレヨンしんちゃんの数々の作品。シリーズ大ファンの私としては、何か見てみようかなと気になっている方にこそ是非ともおすすめしたい作品がございます。

まずは全26作品のうち、「興行収入」によるランキングを見てみましょう。

1位 オラの引越し物語 サボテン大襲撃(2015年) 22.9億

2位 アクション仮面VSハイグレ魔王(1993年) 22.2億

3位 爆睡!ユメミーワールド大突撃(2016年) 21.1億

4位 ブリブリ王国の秘宝(1994年) 20.6億

5位 ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん(2014年) 18.3億

6位 爆盛!カンフーボーイズ~拉麺大乱~(2018年)17.9億

7位 襲来!!宇宙人シリリ(2017年)16.2億

8位 嵐を呼ぶ 歌うケツだけ爆弾!(2007年) 15.5億

9位 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲(2001年) 14.5億

10位 雲黒斎の野望(1995年)14.2億

正直パッとしないなぁと・・・

興行収入ランキングもまた一つの評価軸ではあるのですが、ファンの間で「名作」と呼ばれるものは意外と見られていなかったりするもの。そもそも一応は子ども向け映画ですので、大人の目線とはまた違いますね。

というわけで、大人が見ても面白いと思う劇場版クレしん作品、個人的TOP10をご紹介します。


10位 爆盛!カンフーボーイズ~拉麺大乱~(2018年)

カンフーボーイズの何が良いって、シリアス展開抜きの勧善懲悪ストーリーかと思いきや、敵(と思っていたもの)を倒してからの展開に一捻りあるところ。争いというのは「それぞれの正義」のぶつかり合いなのだ、ということを5歳児に語らせ5歳児に教える作品、素晴らしい。予告にも少し出ているマサオの「どうせ僕は選ばれた人じゃない!」というセリフがじわじわと効いてくる。

9位 雲黒斎の野望(1995年)

野原一家が戦国時代にタイムスリップし、謎の組織のボス雲黒斎(うんこくさい)と戦う。クレしん映画のもう一つの魅力である「殺陣」の素晴らしさが発揮された作品だ。敵幹部とのバトルシーンの情景描写がいちいち渋く、この辺りから既に「大人向け」を意識した作りをしていたことが感じられる。ラストの急展開→ボスとの最終決戦の流れは必見です。

8位 電撃!ブタのヒヅメ大作戦(1998年)

家族愛・夫婦愛・友情、あらゆるテーマが込められた上、ギャグとバトルの質も高い。正に名作。本作は野原一家以外のキャラクターもかなり印象的になっており、特にコンピュータウィルスとして登場する「ぶりぶりざえもん」の展開は涙無しには見られない。また、その声優である塩沢兼人が2000年に逝去されたため、塩沢ボイスをじっくり堪能できる作品としても名高い。

7位 爆睡!ユメミーワールド大突撃(2016年)

劇団ひとりが脚本に参加している本作。クレしん要素で何とかなっているが、父子家庭における父の(虐待にも近い)子への愛情に対してみさえが吠える、というディープな展開はかなり異色。正直、最も大人向けな内容だと思う。「優しくしてくれるパパばっかりに甘えんな!!」とみさえが恫喝する場面はクレしん映画名シーンの一つでもある。

6位 暗黒タマタマ大追跡(1997年)

しんのすけの妹である「ひまわり」が初登場した作品であるため、これまでワガママでトラブルの中心だったしんのすけが「兄」として活躍する。シリーズ中でもかなりダークな雰囲気を持つ暗黒タマタマだが、一方で「珠由良(たまゆら)ブラザーズ」という個性豊かなオカマキャラ達も印象的である。名オカマが出るクレしん映画にハズレはない。また激しいバトルシーンも注目だ。

5位 嵐を呼ぶジャングル(2000年)

クレしん映画で「アクション」といえばこの作品。アクション仮面とパラダイス・キング(vc.大塚明夫)の戦いで、生身の人間であるアクション仮面という1人の大人が奮い立つ。これは非常に人間臭いヒーローの物語であり、だからこそ子どもも大人も声をあげて応援してしまう。逆の意味で予告編詐欺である。「カポエラも使うと言ったはずだ!」

4位 ヘンダーランドの大冒険(1996年)

「四畳半神話大系」で有名な湯浅政明が作画に入っているため、あの唯一無二の追いかけっこシーンが生まれたと言っても良いだろう。全編を通して独特な雰囲気を持つ作品で、見る人によってはホラーだと感じることも。伝説的なキャラ、マカオとジョマにも注目。クレしん名オカマはここから始まった・・・

3位 ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん(2014年)

脚本は中島かずきでテーマはロボット、ということで冒頭から「天元突破グレンラガン」のパロディが始まる。この瞬間から神作が決定していた(笑)肉体はロボで記憶は本人のロボとーちゃんは、果たして本当の「父」と呼べるのか。また、それはみさえにとっての「夫」なのか。それぞれが揺れ動く中で、ヒロシは自身の存在に決着をつけようとする。悲しすぎるラストバトルにも注目。(筆者は劇場で号泣してしまいました)

2位  嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲(2001年)

もはや説明は要らない。暗黒タマタマから監督を務めてきた原恵一が、最後に自分のやりたかったことをやり切る!というテーマで臨んだのがこの2位と1位の作品である。平成が終わる今となってこそ、この作品から「昭和に留まろうとする空気」と「未来に踏み出そうとする希望」を再び感じ取るのも良いだろう。ここで語られるのは、未来は子どもたちのためにあるのだ、ということ。それはこれからの社会を作り上げる大人たちが常に意識しておかねばならないテーマである。

1位 嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦【2002年】

「戦のシーンがあまりにリアル」「しんのすけが脇役」「子ども向けにする気が感じられない」「とんでもないラスト」。この映画を語るには切り口が多すぎる。まさに原恵一監督の「やりたいこと」が存分に発揮された作品である。何故1位がこれになったかというと、本作は劇場版クレしんを最も世に広めた作品であり(文化庁メディア芸術祭アニメーション部門で大賞を受賞している)、実写映画化にまで発展するなどの強い影響を及ぼしていると考えたからである。原監督が当初つけていたタイトルが「青空侍」だった、というエピソードだけでも泣ける。

◆最後に

クレしん映画は監督や脚本が代わるたびに雰囲気が一新する、不思議なシリーズです。今回はその中でも大人にぜひ見て欲しい!と思う作品をランキングにしてみました。それぞれ思い入れのある作品も多いと思います。このランキングを見ながら、クレしん映画を思い出し再び見返すきっかけになれば幸いであります。

それでは。

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