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2016年下半期に劇場で観た映画の感想まとめ

タイトル通りです。7月~12月までのまとめ。

印象的には後半にスゴイのがバンバン出てきたなぁと思います。まぁ毎年同じことを思うんですけど、2016年は特にすごかった。そして何より、邦画が非常に盛り上がったことが嬉しいですね。


「TOO YOUNG TO DIE!若くして死ぬ」

期待通りのネタ映画で、終始楽しめた!気付かないような小ネタがあり過ぎて大変ww

みうらじゅんがほとんどみうらじゅんのまま登場して笑ったw

中村獅童の役が不憫すぎる。

あと、天国の描写が面白かった。星新一的な天国。

総じて、酒を飲みながら爆音で観たい映画でありました。


「インデペンデンス・デイ:リサージェンス」

うーん、これに関しては色々書きたいことが…

内容を簡潔に表すと「前に襲ってきた宇宙人がまた襲ってきて地球滅びそうヤバイ!でもまたコア攻撃したら倒せるやろ楽勝や!と思ってたら…」的な。

ストーリーは、ほぼお約束のオンパレードでしたw

ツッコミどころが物凄く多いし120分にまとめきれてなかった感満載なのですが(150分くらいは欲しい内容ではあった)、尻上がりでグングン面白くなっていったので良し。

あらゆるシーンに既視感があるのは、それこそ前作のインデペンデンス・デイが作り上げた「宇宙人きて地球滅びそうモノ」をなぞっているから。ここを面白いと捉えるかつまらないと捉えるかで、評価が分かれる作品だとは思った。

僕は王道系好きなので、全然満足!

前作の登場人物たちの活躍は素直にニヤニヤしてしまうし、新しいパイロットも「お約束通り」の活躍ぶり。いいんだよ、ご都合主義でいいんだよ。

予告編の地面がめくれあがるシーンが謎だったんだけど、敵の宇宙船が質量が大きすぎて引力を持っているから、という理由でした。そう言えば引力を及ぼす宇宙船って今まで映画やアニメでも見たことなかったな…

少し悪口を言います。

劇中で「あれから20年経ったのに人類はまた同じことを繰り返すのか…」みたいな台詞があったんだけど、「正にこの映画が20年前の巻き返しだよ!」と思ってしまったw

そして20年前と同じノリの映画で同じように楽しめる自分。

人類は進化しないものですな。

(続編を匂わすラストだったので、次にも期待)


「貞子vs伽椰子」

「ホラーギャグバトル映画」って初めて観たな…w

貞子パート・伽倻子パート共にしっかりしたホラーを見せつつ、所々に「いやいやソレはありえへんやろ!」と吹くシーンを入れてくる。白石監督最高でした。

あと、独特な霊媒師たちのキャラが立ち過ぎてて非常に良かった。指でピッってやるだけで色々片付くんですね、霊媒師つよい。

ジャパニーズ・ホラーが停滞したのって、日本映画界にホラーものが増えすぎて観客が「おっ次はどんな呪いだ?」というメタ的視点を持ってしまったことが原因だと思うんですよね。

で、この「貞子VS伽倻子」はそのメタ視点を存分に利用して笑いにかえつつ、丁度良くホラー要素も交えていて、本当に上手に作ってあるなぁと思いました。

そして貞子や呪怨を知らない若い世代は普通に楽しめる、という。

僕の左隣で女子中学生たちがキャーキャー言いつつ、僕と右の映画好きっぽい女性はケラケラ笑いながら鑑賞。

そういう映画です。

もちろん白石監督なので、エンドロールの後もお楽しみに。


「シン・ゴジラ」

庵野秀明監督というフィルターを通すことで、ゴジラ映画がこんなにも見栄えが変わるのか…

ただただ賞賛するしかない。

脚本、音響、CG、ゴジラの造形やそこから来る恐怖、どこを取っても文句が無い。このゴジラが観たかったわけではない。だが、確実に「観てよかった」と思える作品だった。

基本的なスポットがゴジラではなく人、特に「日本人」に当たっている点が新しい。シン・ゴジラはゴジラが東京に上陸する話ではなく、東京に上陸したゴジラに対して日本人が立ち向かう物語である。だからこそ、この映画から得られる希望は大きい。

劇中の非常に現実的な官僚的会議のシーンは、ゴジラが東京に現れたことを生々しく感じさせる。ポスターにも書かれている「現実VS虚構」というのは、ゴジラという虚構に対し圧倒的な現実感で立ち向かうという意味であると感じた。

だからこそ、シン・ゴジラは現実の日本が持つ「脱原発」「政治への不信感」等のテーマをきちんと押さえた構成になっている。そこを押さえた上で、ゴジラという天災に対して国民が団結する模様を描いているのだから、正にこの映画は「今」観るしかない。数十年後、時代の空気感を記したモニュメント的作品として評価されていてよいものだと思う。

それにしても、今回のゴジラ強すぎるわ…


「ゴーストバスターズ」

「ゴーストバスターズ」といえば、小学生の時にテレビで何度も見た懐かしの作品。映画がどんどん好きになっていった時期に見ていたシリーズなので、思い入れも強い。

結論から言うと、

「面白くないわけがなかった」(笑)

よりコメディ色が増して子ども向けになっているように見えつつ、前作の登場人物も随所に出てきて過去シリーズのファンを飽きさせない。シ〇ニー・ウィ〇ーの登場のシーンは笑えた!

バスターズ達の武器も種類が豊富で、これを子どもの時期に見たら絶対に欲しくなってたと思う。キャラの立ち具体も良い。続編作って欲しいなぁ。

そして欠かせないのが、バスターズ事務所のダメな秘書を演じるクリス・ヘムズワース。マイティソーを見慣れすぎていたこともあって、ただのバカなマッチョになった彼を見るのは辛いものがあった…w

劇場で笑いながら観れる映画って、良いですね。


「君の名は。」

おとこのことおんなのこの、からだがいれかわるおはなしです。

とてもいいえいがです。

(凄すぎて感想を書ける状態ではない)


「怒り」

凄い……本当に凄いものを見た………

(なんで今年はこんなに名作が多いのか)

予告編からは分からない、非常に重く際どいテーマがこの映画にはある。そして、その中心には「広瀬すず」がいる。あんなに難しい役どころを演じきった女優、広瀬すずにただただ関心するばかり。

そして出てくる名優の数々!こんな贅沢なキャスティング見たことないぞ…

上映終了後、「怒り」というタイトルの意味がじわじわと膨れ上がってくる作品。辛いとか悲しいとか、そんな簡単なことじゃない「本当の怒り」は、伝わらない。

強く挑戦的なテーマ性、音楽、名優と才能ある若手の共演、色んな要素が最高の形で表現されていて、だからこそ強く強く胸を打つ。

必見です。

※繰り返しますが広瀬すずは本当にすごい。今この女優の活躍をスクリーンで見られるのは幸せだと思う。


「SCOOP!」

今まで見たことのない福山雅治!だが、これもまた良い。リリーフランキーが本当に良い味を出していて、2人の間で二階堂ふみが霞んでしまっているようにすら感じた。

全体としては、大根監督らしくエンターテイメントとして非常に質の高いまとまり具合。下ネタが多いのでデートにはあまりお勧めできませんが。。


「GANTZ:O」

4DXで鑑賞。原作の知識は全くナシ。

映像美はすごいものがあった。髪の毛の一本一本、メカメカした動き等々、現代の映像技術の粋を見れたと思う。一番CGクサイのは人間だけでしたな。笑

舞台がほとんど大阪なので、ボロボロになっていく心斎橋・道頓堀を見られたのが面白かった。

劇中に登場する関西弁の強キャラ達を、吉本芸人(レイザーラモンとケンコバ)が演じていたことがエンドロールで分かって驚いた。上手すぎやで…


「この世界の片隅に」

何重にも重なった奇跡を見た気持ち。

あまりにも心への浸透力が高いため、感想を述べようにも言葉にして表現することが出来ない。

それは本作が「戦時中という日常」を完璧に描ききっているからであり、また主演「のん」の圧倒的な表現力によってヒロインであるすずに魂が吹き込まれているから。

この言われようのない感情を共有するためには、映画を観てもらうしかないのだ。

世界の片隅にいるすずを、見つけに行って欲しい。


「ブレア・ウィッチ」

期待通りの3点。(5点満点)

怖いと言えば怖いですが、特に前作から流れが変わってないぶん面白みが…

ただラストシーンの緊張感には、前作よりも恐怖を感じました。

POVホラーの原点とも言える「ブレアウィッチ」が何か凄いことをやってのけるか…?と期待しながら観ましたが、結論としては何だか懐かしい気持ちになりました(笑)


「ローグ・ワン」

EP3もEP4も見てない僕が悪いんです…ごめんなさい………

という感覚。全編通して凄いことをやってくれているのは伝わってくるけども、やはり前後関係が分からないと置いてけぼりですね…いや、これは自分が悪い。。

あとは、新しいドロイドが可愛くて良かった。クセがあるのに憎めないキャラばかりでしたな。

そしてダースベイダーの圧倒的存在感に注目。

他のシリーズを見てから、再挑戦したい。


という感じです。

あと、劇場では見ていないのですが、最後にこれ。


「ズートピア」

人間社会をごっそり動物に置き換え「差別」の問題を描く物語。ここで対比される草食動物と肉食動物を現実の何と何に置き換えるかは人それぞれだけど、アメリカ的にはやはりブラック&ホワイトなんだろうな…

語られていることはかなり在り来たりな教訓だが、これを今のディズニーがやるだけで至高の作品となってしまう。

とにかく全体的に多幸感に溢れており、登場する動物たちの愛らしさを見ているだけで「ズートピア」という世界観に浸る喜びを感じられる麻薬のような作品だった。本能的に可愛いと感じさせる絵を描くことに関してディズニーの右に出る者はいない。

日本のアニメーションが二次絵をぬるぬる動かす方向に発達した点と比較して、ディズニーがCGを用いた圧倒的な作り込みによるリアリティを作り上げた点は興味深い。特にズートピアで見られた「毛の質感」には、触れた時の感覚すら伝えてくるほどの表現力があった。

しかし本作が特に大人達からウケているのは、ディズニーが今「現実を題材にしたドラマ」を作ったらどうなるか…、という大喜利が見られたからであろう。このお題に100点満点の答えを返してくるのがすごい。

アニメーションの持つ力・表現力、ディズニーのキャラクタークリエーションの実力、これらが存分に発揮された作品であると思う。数え切れないキャラクターのその愛らしさに溺れること間違いなし!何度も見たくなる傑作であった。


2017年も、良い映画に出会えることを期待して。

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