原子力を手放す勇気を 

 77年目の広島原爆の日、今年は娘も一緒にテレビの前で黙祷を捧げた。ぱぱのじーじが子供だった頃の今日、「げんばく」という爆弾が広島の空で爆発し、たくさんの人が亡くなった、そしてこんな事はもう二度と起こしてはいけないことなんだよ、と話した。
 式典には国連事務総長のグテーレス氏も参列し、核兵器廃絶や世界的な軍拡への警告を訴えた。「私たちは、広島の恐怖を常に心に留め、核の脅威に対する唯一の解決策は核兵器を一切持たないことだと認識しなければなりません」。
 また、子ども代表の山崎鈴さんは「自分が優位に立ち、自分の考えを押し通すこと、それは、強さとは言えません。本当の強さとは、違いを認め、相手を受け入れること、思いやりの心をもち、相手を理解しようとすることです」と訴えた。
 原子力発電も、原子爆弾も、元々同じ原子力の技術で作られている。それは人類の手に負えない荒ぶる力だ。荒ぶる力に畏敬の念を持ち、その力を永久に手放す勇気を持つことが、私達人類が存続を許される唯一の方法だと私は思う。自分の力を知ること、自分の力以上の物にすがり、自分以外のものに侵されないこと。「本当の強さ」を獲得することを私達が恥ずかしがらず、真剣に希求する姿を、子ども達に見せなければと切に思った。
 ロシア〜ウクライナ戦争の今だからこそ、私達は原子力を手放す勇気を示すべき時ではないだろうか。そしてそれはあらゆる日常の務めに臆せず示されるべきではないだろうか。自らの考えを示す自由と勇気を持って。

#戦争反対

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