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COVID-19,SARS-CoV-2の行く末

 日本での新型コロナウイルス(病名はCOVID-19, ウイルス名はSARS-CoV-2)の流行は下火になり落ち着いてきましたが、第二波、第三波の心配は残ります。最終的には予防接種薬が開発されるまでは真の落ち着きには至らないでしょう。

  アメリカのジョンズホプキンズ大学(JHU)のCSSEが世界中から毎日集計してGit hubで公開しているデータを基に色々なグラフを作ってみました。東京都のデータは東京都の保健局の集計データです。
The Center for Systems Science and Engineering(CSSE) at Johns Hopkins University https://github.com/CSSEGISandData/COVID-19/tree/master/csse_covid_19_data/csse_covid_19_time_series
東京都保健局 https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/hodo/index.html

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 日本を含むアジアとロシアの新型コロナウィルスによる死亡率の低さが話題になっています。感染者を分母とする死亡率は、日本の場合は明らかな感染者しかPCR検査をしなかった事から諸外国よりも大きな値になるのですが、それでも6%以下です。
 人口10万人当たりの死亡者数はニューヨーク州の約160人に対し、東京都でも2人程度、日本全体では0.7人に過ぎません。スウェーデンは集団免疫獲得(6~7割以上の国民が感染してしまう事)を目指し、大人数での集合を禁止する程度のゆるい規制で経済活動に関してはほぼ規制していないらしいです。なので、10万人当たり46人の死亡者が出ていますが経済への打撃は少ないので、トータルで得なのか損なのか後々分かるでしょう。ここで、損得と言ったのは死者とお金を天秤に掛けたのではなく、経済的にも死者が発生する事を言っているのです。

 日本の場合で言うと人口10万人当たりの死亡者は、インフルエンザで毎年2.4人(合計3千人)、肺炎で71人(合計9万人)、自殺者が16人(合計2万人)も居るのです。経済が落ち込んだこれからの日本で自殺者が少し増えたら、新型コロナウィルスでの死者を0.7人に抑え込んだ意味は吹き飛ぶかもしれないのです。因みに10年前の自殺者は26人(合計3.2万人)であり、16->26人くらいの変化は容易に起こると思われます。
 インフルエンザで毎年2.4人/10万人の死者(新型コロナウィルスによる死者の3.4倍)が出ていますが、精々学級閉鎖しかしてこなかったわけで、コンサートの中止も(所謂)ナイトクラブの営業停止もしてこなかったのです。

 スティホームも営業自粛も意味が無いとは言いませんが、どれだけの効果があり、営業自粛の範囲も適切だったのかは検証する必要があります。今後は効果的なフィジカル・ディスタンスの取り方を意識しながら経済活動も続ける必要があるでしょう。トータルの死者を少なくするために。

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 上の左図は北米、南米、アフリカ、ヨーロッパ、アジアにおける感染者の発生が多い国を示しています。北米とヨーロッパは落ち着いてきました。南米で感染が拡大しているのが解りますし、アフリカはこれからかもしれません。この図に書き忘れましたがインドも増えている国になっています。

 何れにしても地球上のどこかで感染が広がっていると変異したウイルスが回り回って全ての国にいつかは届いてしまうので、真の落ち着きは何年も先になると思われます。来年、オリンピックを開催できるのか?できるとしてもどの様な感染防止策の上での競技になるのか?柔道やレスリングのように密接なのでできそうもない競技も出てくるだろうし、どうするのかな???と疑問符が沢山出てきてしまいます。

 上右の図は東京都における日別感染者発生数と7日間の移動平均をとった線です。経路不明者さえ少なくなれば医療崩壊は防ぎやすいので、この値が低く推移するのが大事ですね。

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