歌仙「雁帰る」 衆議判 起首 R4.4.3
新宿のカルチャーセンター、春4月の連句興行。
新学期、新しいメンバーの方も加わって、全員の出句、合議制の互選で付け進める「衆議判」での<歌仙>の実作が始まりました。
連衆(参加メンバー)の一人であるわたしは、2019年の秋に入門して2年半が経過。人生後半戦の手習いごと、三日坊主になるんじゃないかと思いましたが、諸先輩方のサポート手厚く、また自分としてもそこはかとない興味関心が続き、隔週の通学を続けています。
連句の発句(第一句)を詠む時には、
・当季を詠む=一巻興行のその季節にかなった季語を持つ
・切字十八(「かな」「もがな」「し」「じ」「や」「らん」「か」「けり」「よ」「ぞ」「つ」「せ」「ず」「れ」「ぬ」「へ」「け」「いかに」)など修辞的に言い切る語があること
・挨拶と即興が要求される
という決まりがあります。
令和4年4月3日(日)午前中の自分が詠んだ句と、それを鑑賞してくださったT先生のコメントを自分の勉強に残します。
待ち合はせ木五倍子の花を見る御苑 <仲春・自他半>
2週間前、新宿御苑周辺での「吟行会」のお誘いを受け、同行の方々とともに見た<ハチジョウキブシ>。生まれて初めての吟行というイベント、初めて見知った木五倍子の花がどちらもものすごくインパクト大で心動きました!という自分のリアルな直近の思い出をそのままパッケージにした句。
そしてT先生がご指摘いただいた「目的分散で惜しい」というコメント。この「目的分散」は自分の行動に思い当たることがとても多い、自分の失敗しがちなことそのものです。つい先日も勤務先の仕事ぶりで直属上司に指摘・注意を受けて_| ̄|○がっくりしたこともまさにこのこと同一。
自分が出した句を批評いただくと、長句で17字、短句で14字の短文の中にも自分の人柄が埋め込まれてしまい、自分の気づかぬところで他人に自分が見抜かれてしまうのだということを思い知らされます。宗匠、本当に尊敬します。
待ち合はせ木五倍子の花を見る御苑
↓
待ち合す御苑の木五倍子盛りかな
うん、何度か読み返すと目的分散の先の句と、一直いただいた句の違いがよくわかります。盛り込みすぎないこと、フォーカスしぼること、大事・大事。
さてこの日、7名から出句された計12句の中から、これから巻く歌仙の発句として衆議判で治定されたのは、Mさんの時宜に叶ったとても素敵な句でした。
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