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ワレワレのモロモロdeエクスポージャー

【ワレワレのモロモロ】
自分に起きた出来事を自分で演じる演劇

演劇を作ることを通じて、自分に起きた忘れられない出来事に何度も直面するというを事実だけ抜きとると、これって、エクスポージャー(暴露療法)なのだろうとおもった。
そして、暴露療法として作品に向き合わなくてよくなった時、それを超えたときに、演劇としてのスタートがやってくる。と、思った。

ドキュメンタリーが公開されたので、もう一度再考してみた。勝手に書いて、心理の方から間違いを指摘されやしないかとひやひやしている。しかし、たたき台は必要なのだ。
写真は、系統的脱感作法のジョセフ・ウォルピである。かわいい…

【エクスポージャー(暴露療法)】
不安を感じる状況に想像上または、実際に直面させることでその状況に慣れていき、不安を感じないようになることを目指す行動療法の1つ。

☆まず、台本を書く段階。

一人で事実と向き合い続ける。
ほぼブラッティングである。

【ブラッティング】
エクスポージャーの一つで、当該の恐怖や不安事態にいきなりさらす。ようは刺激に慣れさせる。①患者の治療へのモチベーションが高いことや、②セラピストと患者との間に信頼関係が形成されていることが重要。

岩井さんと作品を作るという時点で、①のモチベーションはみんなあるし、②の信頼関係は上手く気付いてくださっていたとおもう。褒めてもらえるし、非常に書きやすい環境を整えてくださっていた。

ブラッデイングであり、同時に、その事実に行くまでの過程を書くのだから、不安階層表を作っている段階であるともいえる。

【不安階層表】
患者が不安や恐怖を感じる刺激や場面を具体的に挙げていき、それらを段階的に配列していく表。

☆次に、仲間と演出を考える段階

仲間の存在を信頼することによって、また笑い合ったり支え合うことによって、それがリラクゼーション効果に繋がり、不安階層表(台本)を基に不安と向き合いながらもリラックス状態を手に入れる段階。

【系統的脱感作法】
暴露法(エクスポージャー法)とリラクセーション法を組み合わせた方法で、不安階層表を設定し、段階的に不安場面と対面させると同時にリラクゼーション法を行い、不安反応を打ち消していく方法。

☆自分の作品かどうかわからなくなる段階

これは、出来事が自分から離れていく段階なんだろう。ここまでこれば、カウンセリングは終了なんじゃないかな。これを経ると、演劇として役者として作品に向き合えるようになる。私にはこの感覚があった。

☆リラックスと笑いの違い

ワレワレのモロモロはゴールが演劇として人に見せることにあるので、演劇として面白いものを作ろうとして結果として”笑い”のニュアンスが込められる。心理療法の系統的脱感作法の”リラックス”の代わりが”笑い”になっている。

系統的脱感作法のもとになっている逆抑止法の考えは、不安や恐怖と相反する反応を同時に起こすことができれば不安や恐怖は打ち消され、感じなくなるとしている。つまり、不安を感じているときに同じだけリラックスしていれば不安は無くなると考えた。

ワレワレノモロモロでは、不安を感じているときに同じだけ笑いを起こす。不安はなくなるかというと、やっている私はなくなっているが、はたから見ると増幅して見えるし、違和感を感じる。もしかしたら、辛いことを笑いに変えるということは防衛機制の反動形成にあたるからかもしれない。

☆感想

と、こんな風に自分事を作品にする事の心理療法としての意味を考えてみた。ここに、人に見られることがどんな風に作用してくるのかは私にはまだ分からない(まだ体験してないんだもん)。

サイコドラマやプレイバックもエクスポージャー(暴露)であろう。しかし、それが一回限りであるとフラッシュバックにちかくなってしまう。そこは、エクスポージャーで終わらせない心理療法としての力の見せ所なんだろうし、サイコドラマなら監督や集団の力なんだろうし、プレイバックなら抽象化すること実際から距離をとる事なんだろう。しかし、単純にフラッシュバックで苦しむことが往々にしてあるからのちのフォローが必要とされる。

自分事を演劇にする、と、今までの台本とはまた違った過程を踏むことになり、台本の内容が深まった。それが芝居に現れる。

この過程を他の台本においてもできるようになったら、すごい演劇面白いやないか!!と思う。もちろん自分のはなしじゃないので、実際にはできないし、完全に自分事にしてのめり込んでしまうと客観性が保たれなくなって見ていて怖い。でも、普段は自分の作品かどうかわからなくなる段階、から始めてしまうから、他人ごとになっているけれど、ブラッデイングの体験を自分で考えて増やしていけたら、もっと役が深まって自分の体験としても面白いのかな~なんて思った。やっぱり、台本研究は重要だ。

そんな体験が早くたくさんしたい!!

とゆーことで、ドキュメンタリー見てください。


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