見出し画像

ブーケ・ド・ファムファタル:一途なマルグリット

こんにちは♪
Satoimo.です🤍

7/18にブーケ・ド・ファムファタルのお申込サイトをアップ致しました.「10月20日開催・マノン」は,おかげ様で即日満席となりました🤍ご参加申込いただいたみなさま,ありがとうございます♪

「マノン」はキャンセル待ちにて,それ以外の「11月12日開催・クレオパトラ」「12月3日開催・カルメン」は引き続きお申込受付中です🤍みなさまのご参加心よりお待ちしております!

そして本題に…

今日は,10月20日のテーマ・マノンと一緒に取り上げる,もう1人の「魔性の女」をご紹介しますマノンの無邪気で天真爛漫な自由奔放さとは対照的に,思慮深く憂いを漂わせる女性.テーマに彼女の名前を含んでおります.

10月20日(木) 開催 テーマカラー紫 舞台パリ

「無邪気な小悪魔マノンと一途なマルグリット〜享楽に溺れ荒野に散るパリのBeauté du diable 〜」

彼女の名前は「マルグリット」
椿姫の主人公です.

椿姫の中にも「マノン」は劇中劇として登場します.マルグリットは,「マノン」に自分自身の境遇を重ね合わせるのです.

椿姫のあらすじはざっくりとこんな感じです.

舞台は19世紀半ばのパリ.裏社交界(ドゥミモンド)で活躍する高級娼婦マルグリット.男達から大金を巻き上げては贅沢三昧の生活を送っている.いつも椿の花を身につけていることから「椿姫」と呼ばれる.高級娼婦の中で最も美しく品のあるマルグリットは,結核を患っている.マルグリットに魅せられたお金の無い美青年.果敢に挑み,高級娼婦マルグリットの心を射止めてしまう!一途なマルグリットと美青年は田舎で幸せな生活をスタートさせるが… 美青年の父親が乗り込んできて… 愛する美青年のためにマルグリットは黙って身を引く決心をする.またパリに戻り,高級娼婦としての生活を始める.父親とマルグリットの約束を知らず,マルグリットの本心も知らない美青年は,高級娼婦に舞い戻ったマルグリットに激怒.激しい嫉妬からの嫌がらせをしてマルグリットの前から姿を消す.哀れなマルグリットは,美青年をひたすら想い続けて日記を綴る.「マノン」に憧れ,美青年が戻ってくれることを夢見ながら,静かに独り息を引き取る.美青年がマルグリットの家を訪れた時,マルグリットの所有品は競売に掛けられているところだった.マルグリットの使用人から手渡された日記を読みながら,真実を知り深い悲しみに浸る美青年…

マノンが破茶滅茶お転婆娘なら,マルグリットは20代前半の若さで淑女のような佇まい.バレエでは,40代突入して引退するバレリーナが「引退公演」の演目として選ぶことが多いそうです.物語を読むと納得です…

今回も「悪女入門」鹿島茂先生にご登場いただきます.先生ったら,なんだか辛口批評で,マルグリットが気の毒にも思えるのですが…

「お金を介した恋愛」のルール.掟破りの恋愛物語.プロの女性にとってのみ「オム・ファタル(命取りの男性)が存在する.


amour venal,お金でアレやこれや,愛も含めて買う関係のことです.愛も含まれているところがポイント.

そして,フランス文学には「人妻と若者の恋」しか登場しないそうです.当時の女性は「結婚して初めて恋愛を許された」からとのこと.人妻と若者が出会う場所が社交界です.

モンド(monde)社交界・サロン
出会いの場.ブルジョワ階級の奥様方専用のサロン.奥様方は,ここで若者と出会い恋に落ちる.パスポートは「美貌・才気」: お金のない若者でも美貌で奥様方に気に入られれば社交界入りが叶う.
ドゥミ・モンド(demi-monde) 裏社交界・裏サロン
奥様方の旦那たちが集う会.オペラ座の若い踊り子とか女優たちを囲って楽しむ場.
パスポートは「金」: 美貌や才気だけではダメ.先立つものは金.金金金.金が全て.

金は無いけど美貌はある青年が,裏サロンの花形マルグリットに恋をして,金を払わずして「愛」と彼女自身の色々を手に入れてしまう.掟破りの物語だと鹿島先生は評されています.

マルグリットは,超高級娼婦でして,彼女の為に全財産を注ぎ込み破産してしまう男も続出でした.そんな彼女は欠かさず「椿」を飾り続ける.コレはお金さへ払えば貴方のモノっていう意思表示だそうで,「株主制度」と鹿島先生は仰ってます笑笑

余談ですが,マルグリットは,25日間が「白椿」(すなわち営業可能日),5日間が「赤椿」を飾っていたそうで… … … そういうことでございます.鹿島先生曰く,プロのファム・ファタルだそうです.

マルグリットのモデルとなった
実在の女性マリ・デュプレシ

プロのファム・ファタル・マルグリットが,お金を介した関係だけに留まるうちは問題ないのですが… お金を介さずに愛を手に入れた瞬間,相手の男は「オム・ファタル」になってしまうそうです.

「オム・ファタル」すなわち,女にとっての運命の男,命取り,身を滅ぼす存在… オム・ファタルは,プロのファム・ファタルにしか出会えない存在だそうです…

なんだか,ファム・ファタルって不幸な存在にも思えてきちゃいます.愛を手に入れられないか,手に入れた瞬間枯れ果ててしまう,儚い存在だなぁと思えてしまいます.

この一途で憐れなマルグリットをブーケで表現するならば…

深い紫色,落ち着き,達観,微かな望み,生きる糧,儚さ,悲しみ,裏切り,失望…そんなイメージで表現してみたいです.「マノン」を表す白系の花々を眺めるマルグリット.そんな構図が浮かびます.

みなさまならどんなイメージを抱きますか?

そういえば,生きたお花も必ず枯れて散ります.秋の花々は,枯れて散りゆく姿も凄く趣きがあって素敵なんです!10月開催にもってこいのテーマです🤍

お花にずっと触れてると,枯れゆく姿までも美しく感じて日持ちが良くなるという結果に至ります.捨てられないから… 笑笑.

この枯れゆく姿に赴きを感じられると「ツウ」の域に到達した証だそうです♪

バレエ椿姫を紹介しているサイトとマルグリットのモデルとなった実在女性を紹介したサイトを貼っておきます.ご参考までにどうぞ♪バレエ動画もあって,イメージ湧きます🤍

Satoimosanでした♪

【参考文献】