どにちオシゴトの感想&考察

静岡演劇ぷち図鑑の5/20 13時の回で観劇したどにちオシゴトさんの「傘をとじても」の感想と考察になります。
合計で1500字越えをアホみたいに長い文章ですが、お手隙の際に読んで頂けたら幸いです。


冒頭のアキ1人が喋っているシーン。
私は見学の時にいくつかシーンを見ていたので冒頭のシーンでアキの身に何が起きたのかが分かってしまったのでとても泣きそうになりました。冒頭のシーンはアキはセリフが苦しさ、辛さを感じました。アキの心の中というか嫌な記憶というイメージに伝わりました。2人がバス停で会う時、アキは初対面でオドオドした感じ、楓は会えて嬉しい気持ちと冷静を装う、自分を覚えてなくて寂しい気持ちが見えてとても良かったです。見学でもあのシーン見たのですが、それと比べて全然違うお芝居がされていてとても良かったです。楓が「くだらない話で盛り上がってる」って笑った時にお互いの緊張が抜けたのが伝わってこちらも楽しくなりました。ネコも素敵で本物の猫みたいでした!!ネコはシーンが進むにつれて人間になっていたのが、印象的で猫が仔猫じゃなくて成人した猫に見えたと思ったら優しい先生になって不思議ですけど違和感なく見れました!猫がアキが通っている病院?の先生に重ねていたとしたら、猫はなんでしょうか?そもそもアキは猫を飼っていたのでしょうか?この議論で話が膨らみそうですね。猫を飼っていない方がアキが怖いことから嫌なことから逃げたアキが楓との関わりを通して前を向き始めている感じが見えて素敵に思えますね。あとはアキはどうして猫に見えていたのか…アキが怖いものを人間、それ以外を動物として見ていたのか、それとも今は飼っていないけど昔は飼っていて先生との会話が猫を飼っていた記憶と混同していたかって考えました。後者に関してはややこしいですね。また、アキの記憶を無くすトリガーが「永遠が怖い」だけじゃない気がする。アキは「楓の病気のことを記憶が無くなる前に知っていたのか」に関係がありそうですよね。アキが記憶をなくす会話で「永遠が怖い」、「ずっと続くことが怖い」「分からないことが怖い」ってパニックなるシーン最後の最後に「楓、消えて」って言うんですよね。たしかに楓は「永遠」を伝えた人ではあるから「怖い」人ではあるし、敵になってしまうから記憶から無くしてしまうのは分かるんですよね。もし記憶がなくなる前に「楓の病気のことを知っていたら」楓がいつか…近い将来いなくなってしまう、それが想像できなくて怖いと感じていた。そこに楓が宇宙についての話をし、「永遠」が分からなくて怖いこととリンクして記憶が飛んでしまったのかなと思いました。そうだったら、飼っていた猫が死んでその記憶も無くなっていたら、「永遠」だけでなくて「死」もトリガーになるのかなと感じました。だから記憶をなくすきっかけは些細なこと。けれどそれまでのストレスが蓄積されていたから記憶が無くなったのかと感じました。楓の「その人の中からいなくなっちゃうのが怖い」みたいな?セリフ?はアキの記憶が自分の中にいなくなってしまうのと楓がいなくなった後も記憶が戻らなかったら友達だという記憶もなくなってしまったらという怖さや不安が受け取れてとても良かったです。
猫の最後のセリフ「アキの中にいるのは大学の友人であった楓?それとも雨の日に出会った楓?」みたいなセリフは今までのネコとは違い、冒頭の台詞のように第三者目線で話して大人っぽさを感じ、不穏な雰囲気が漂っていて「これは「出会い」なのか「別れ」なのか」は最初は「別れ」の意味が分からなかったのですが、あとから「大学時代の親友だったら楓」と「大学時代の親友のアキ」との別れなんですかね🤔そうするとアキは記憶を取り戻さないっていう選択するのでなんか寂しいというか後味の悪さが少し残りますね。

最後に!!
とっても面白い舞台でした。
るいかさんはアキの気持ちを繊細なお芝居で表現されていてとても良かったです。最後の傘をあげて、楓との会話がとても好きです。あと永遠が分からなくてパニックになる所、見ていてとても苦しくなりましたが「楓、消えて」のセリフが1番泣きそうになりました。
ゆいか先輩はアキと話す時の楽しそうなお芝居やアキが自分のことを覚えていないことに対しての寂しさが現れていて見ていて心がグッときました。
ゆうか先輩は序盤の猫は本物の猫のような動きで可愛らしい猫かと思いきやピーナッツバター症候群🥜のように急にギャクに走るかと思えば後半はアキの病院の先生?のような優しいお芝居も見れてゆうか先輩のいいところが沢山見れて良かったです!!ピーナッツバターがベターってのくだりが好きです。見学の時からさらに進化してて凄かったです。


p.s.
貴也さん、お誕生日おめでとうございます。良い一年をお過ごしくださいませ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?