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さしすマガジン令和6年8月号③【月イチ企画】

・雨隠日鳥の縮約

【800文字縮約】
 昔々、ある村に浦島太郎という心の優しい若者がいた。浦島が海辺を通ると子ども達が大きな亀を捕まえていじめているのを見つけた。浦島は亀を可哀想に思い、子ども達にお金を渡して亀を譲って貰い海へ逃がした。二、三日後浦島が海で釣りをしていると助けた亀が海からお礼を言いに来た。亀に海の底にある竜宮を知っているかと聞かれ、知らないと言うと連れて行ってくれることに。亀の背に乗って海の中を潜ると、真っ青な光の中で昆布がユラユラと揺れ、赤や桃色の珊瑚が続いている。海の景色に見惚れていると立派な御殿に着く。竜宮とはこの御殿のことだった。竜宮の主である乙姫が色とりどりの魚と一緒に出迎え、亀を助けたお礼だと浦島を広間へ案内する。広間で用意された席に着くと見たこともないご馳走が出てきて宴が始まった。気持ちの良い音楽と鯛や鮃や鮓 の踊りを披露され、まるで天国のよう。乙姫に「もう一日、もう一日」と言われるまま過ごしているといつの間にか三年が経っていた。はっと家族や友人が気にかかり、家に帰りたいと浦島が言うと乙姫はよければこのまま暮らしてはと食い下がる。だが乙姫は最後には受け入れ、名残惜しそうにお土産の玉手箱を手渡した。玉手箱の中には時が入っていて開けなければずっと若い姿のままでいられる。もし開けると時が戻るので決して開けてはならない。と乙姫は忠告する。乙姫と別れて浦島が亀の背に乗って地上へ帰ると、地上の様子は一変していた。浦島が老人に自分の家の場所を尋ねると浦島は七百年前に海に行ったきり家に帰っていないらしいと言われる。竜宮での三年の間に地上では七百年が経っていた。家族や友人にはもう会えないのかと浦島は落ち込む。玉手箱を開けると時が戻るのなら自分が暮らしていた時に戻るのでは、と玉手箱を開けると白い煙がモクモクと出てくる。煙に竜宮での三年が映り、煙が薄れると浦島は髪も髭も真っ白なヨポヨポの老人になっていた。


【他のメンバーからのコメント】
 鮓→海月

【200文字縮約】
 昔々、ある村に浦島太郎という優しい若者がいた。海辺で子ども達にいじめられていた大きな亀を助けた浦島は数日後に亀に竜宮へと案内される。乙姫から亀を助けたお礼の宴を開かれ、気がつくと三年が経っていた。家族と友人が気になり地上に帰りたいと言うと乙姫に渋られつつも時の入った玉手箱を貰う。地上に帰ると七百年が経っており時が戻るのではと決して 開けるなと言われた玉手箱を開ける。白い煙が出て浦島は老人になった。

【他のメンバーからのコメント】
 決して→縮約としては不要な情報では?

【50文字縮約】
 亀を助けた浦島太郎が竜宮から地上に三年振りに帰ると七百年が経っていた。玉手箱 を開け、老人になった。

【他のメンバーからのコメント】
 玉手箱→玉手箱がお土産だって書かないと、突然感があり、なにそれってなる。



三人目のはるはるさんの縮約は30日の更新です!


その①

その②



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