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#015. 株主優待は、おくのほそ道

マサヤです、こんにちは、こんばんは。

音声配信も、ゲストの方々のご協力も頂きながら、あっという間に20回を数えました。本当に有難いことです、これからも無理なく続けて行ければ、と思う次第です。

第20回、及び第21回の放送では、ヤマカワタカヒロさんをゲストに迎え、少し社会派なテーマにも触れており、いつもはおちゃらけているヤマヘイやマサヤも、「へえ、こいつらちゃんとした話も出来るのか・・・」という新しい一面をお見せ出来たような、自己満足感まである始末ですが、今回のテキストでは、少し経済的な話に挑戦していこうと思います。


1. マサヤは実は、ブルドックの飼い主、じゃなくて株主


実は私、かれこれ10年近く、ブルドックソースの株を持っています。株数は最小単位である100株だけ。その理由は、重要性の高いものから並べると以下の通り。

① なんとなくカッコいいじゃん?ほら、あの名曲“Colorado Bulldog/Mr.Big”っぽいじゃん?
② リース会社の株式は諸事情により保有出来ないので、ソース会社ならいいかな、と思いまして。。。
③ 英語表記は"Bull-Dog"ですが、カタカナはあくまで「ブルドック」ということで、このドックは果たして「犬」なのか「よろしくメカドック」の方なのか、曖昧としている部分に粋を感じたから(富士フィルムじゃなくて、富士フイルムだ!みたいな、いや、違うか。)。
④ 優待が厚いらしい、と聞いたので。

え?そんな理由?と思われるかも知れませんが、実際、素人の株式投資なんて、そんなもんです。まぁ、利回りや主要な指標は一応見ますけど、私の場合、これらをこねくり回しても、見えてくるものがありませんので、あくまで、「ノリ」で決めています(勿論、お仕事上の職務規定に反しない銘柄であることは絶対条件ですが)。

で、この最後に書いた「優待」がですね、毎年毎年ご丁寧なことに大量のソースを贈って下さるんですよ。私としては、これがもう、楽しみで楽しみで、、、というのは若干ウソでして、むしろ、家にネコの宅急便ではなく、「犬の宅配便」が届くと「ああ、もうそんな季節か」という具合に気付く、というのを毎年繰り返してきた次第です。

なにせ、私は基本的には外食中心の生活ですし、とんかつや、焼きそばでも、塩味が台頭しつつある現代において、年間のソース使用量って、そんなに多くはなく、段ボールいっぱい贈って頂くほどのものでは、ないんですよね。。。なので、「首を長くして待つ」というほどではないが、貰うと嬉しいです、というスタンスです。


2. 株主優待は、もはや松尾芭蕉の世界観


さらに、これは「株主優待あるある」ですが、優待とはいっても、会社にとってはその実、在庫処分的な性質を兼ねています。なので、売れ筋で、店頭に並べて一定の在庫期間さえ見ておけば、確実に売上げに直結するような主力商品や人気商品は、優待のパッケージには入れないんですね。もっとも、株主からしても、「こういう売れ筋の商品は、俺らに配るんじゃなくて、ちゃんと店先で販売して、現金にして配当を増やして下され、わしは年金の足しに、犬のソースの配当を充てておるんじゃからな、ふしゅらしゅらしゅら・・・」、という方も一定数はいらっしゃいますしね。

上記の前提に従いますと、優待のパッケージの中身は、得てして、
① 「実験的に生産ラインには乗せてみたけど、やっぱ売れなかったね」みたいな、先進的過ぎて、ディティールの詰めが甘く、かえって使い辛いダメ商品
② 「アンデス山脈の湧き水と、ゴビ座獏の風の元で作りました」みたいな、プロジェクトX的な苦労話だけはたくさん持ってそうだけど、イマイチな商品
③ 「既に他社がシェアを圧倒しているマーケットに、果敢に特攻したものの、やっぱり惨敗しました」みたいな、サラリーマン人生の起死回生をかけた、何人かの首が飛んだであろう、ヤラカシ商品

などが、「枯れ木も山の賑わい」とばかりに、所狭しと詰め込まれているのが常です。
従って、優待の箱を開けて、一通り物色した後で見て詠む句は決まっています。

「優待や、兵どもが、夢の跡」

まぁ、そもそもですよ、配当を実現してくれている以上、さらに株主優待なんて、もともとはオマケみたいなもんですから、私としても過度な期待はしていませんし、会社側も大きな義務感を負ってないはずです、その絶妙に緩いノリしろの世界の中で生じる、涙や笑い、会社側による「てへぺろ」みたいなものは、あっても良いのでは?と個人的に思っています。


3. ブルドックは君に語りかける


ブルドックソースの優待に関しても、まぁ、だいたいそんな感じです。

同社の主力商品として、誰もが思いつくであろう「とんかつソース」「中濃ソース」「ウスターソース」ですが、この3つなどは、入っていた試しがありません(少なくとも私が株を持ってからは無かったよなあ、と思って調べたら、1回だけあった!)。さしずめ、阪神ファン感謝祭で、バース、掛布、岡田があんまり頑張らないのと一緒です。いや、あんまりよく知りませんが、なんとなくのイメージです(ところで、関西では「中濃ソース」が、あまり売ってないので、関東のお土産に持っていくと珍しがって喜んで頂ける、って聞いたことあります)。

また、サラダ用のドレッシングが入っていた事もありますが、これは私に対して非常に哲学的な命題を与えてくれました。果たしてドレッシングとソースの違いは何か?分岐点はどこか?「ソース」を辞書で調べてみると、「調理において、他の食品に添えたり調理に用いられる液状またはペースト状の調味料」とあるわけです。従って、、、

そもそも、ソースはドレッシングの上位概念として存在し、ソースというとても大きな概念の中に、ドレッシングやマヨネーズ、ケチャップやマスタード、グレーゾーンとして味噌と醤油、少し飛躍すれば塩すらも含まれているのでは無いか?という哲学的な問いかけを投げかけてくれます。

ブルドックソースは、優待を通じて、サンボマスターばりに、私に語りかけてくるのです。


4. 業務多角化戦略の中で


さらに、「ソース会社なのに、敢えてソースという枠組みを脱却して作った、明らかにソースだけでは無いなにか」みたいなのが入っていることもありました。

それがこちら、

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おお、なるほどぉ。。。まぁ、確かにソースとは縁の深い商品ではありますが、ソースではないですよね、でも、ソースに極めて縁が深い、「ソースリレイテッド」な分野ではありますから、ソース会社が「粉もの」マーケットへの進出を考えた、という思考プロセスは、なんとなく分かるような気も致します。

だがしかし、この手の分野って、たいていの場合、既に大手が進出済みであることが殆どで、なんとも風車に戦いを挑むドン・キホーテになってしまいがちです、決してドン・ファンにはなれない。店頭でも、あまり見かけたことありません。「つか、もんじゃって、モクモクとしたお店の中で、鉄板と小さいヘラで食べるものでしょう?ホットプレートと、スプーンで楽しいかね(冷笑)、これでビールが進みますかねえ(呆)」と思ってしまったことを告白します。


5. 記念すべき2021年3月期の優待


さて、そんな愛すべきブルドックソースですが、今年の優待は一味違いました。

なんと、同社は今年1月に、東証2部から1部への指定替えが行われていたのです。業績も極めて好調、コロナ禍における巣ごもり需要を見事に捉え、家庭用ソースの売れ行きが伸びて、業務用ソースの不調を上回った、とのこと。素晴らしい経営陣、そしてその株を持っていた俺、ナイスプレー!(もっとも私は、某百貨店や、カラオケ屋さんの株も、うっかり持ってたりします。。。)

今年はパッケージからして違いました。ゴージャス!

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犬も金色にして貰って、なんだか嬉しそう!

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中身はこんな感じ。

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ん?あれ?

お前見たことあるぞ?

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