スラップ訴訟によるeasy life改名騒動で思ったこと

easy life改めhard life

イギリスのバンドイージーライフが、ハードライフに改名した。どうやらイージーグループという企業に商標の問題で訴えられて、裁判になるとお金も時間もかかるので泣く泣く改名、ということらしい。
今回はこの改名騒動で僕が思ったことを話そうと思う。
まず企業とか権力を持つ人が有名人に訴訟を起こして圧力をかける、みたいなことは日本でもたまに見る。権力側が経済的に不利な個人を追い詰める、いわゆるスラップ訴訟と呼ばれるものだ。
僕が知ってる限りだと1989年の「バス会社ビッグホリデーが漫画家いしかわじゅんさんを訴えた裁判」と、最近だと「大阪市長松井一郎さんが水道橋博士さんを訴えた裁判」がそうだ。その2つのケースでは訴えられたいしかわさん、水道橋さん両者とも強気で裁判に挑んでいた。覚悟を決めてお金と時間を使い戦っていた。権力側の理不尽を雑誌で暴露したりYouTubeやTwitterで拡散したり、対抗して戦う姿を「表現」にしていた。僕はかっこいいなと思ったし一般の人ではできない対抗策で、有名人としてこれが一つの正解なんだと思っていた。
そこで今回のイージーライフ改名騒動があった。
イージーライフは前述の2人と真逆だった。「裁判はお金と時間がかかるからやらない。改名する。」という対応だった。僕はその対応がリアルに感じて、共感を覚えた。強気に裁判に挑んで、「あいつらこんなにおかしい奴らだよ!」と攻撃して芸にするのも勇ましくてかっこいいけど、イージーライフの「戦わない。」という姿勢はそのナードなキャラクターとも相まって魅力的に映った。僕がその立場だったら、権力が怖いしお金減ったら不安だし時間失うのもだるいし裁判嫌だ、と思うと思う。その気持ちはカッコよくないけど、それが本当だ。イージーライフの対応には「そうだよな」という痛快さがあった。かっこつけなくてもリアルだからかっこよかった。
この事件を経てイージーライフからハードライフに改名するのも皮肉が効いていて面白いと思ったし、「真逆の名前に改名」というのも見たことがなくてかっこいいと思った。

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