最近のプロセカイベスト雑感

気に入ったストーリーについて適当に書いていきます。


交響する街の片隅で

どうしたって直近のこはねイベで書かれた焦燥と劣等が尾を引いている白石杏が今イベの主役に見えてしまう。そんな決して奇麗ではない想いも無駄ではない、チームが飛躍する原動力になり得るという志歩からの助言にただただ頷くばかりだった。これはチームの仲間からではなく第三者目線の言葉だからこそ意味があるし、これから訪れる白石杏の飛翔に向けた大きなターニングポイントになっていくはずだ。こういう小さなふれあいからこそ人は変わっていくんだぜ、という風な話が俺は大好きなんです。杏と志歩がスケッチに取り組む絵名の真剣な眼差しから感銘を受けたり、引っ込み思案な寧々が自らアクションを起こしてセッションという輪の中に入っていくシーンも印象深い。


Re-tie Friendship

かつてトークを武器にバラエティタレントとしてのし上がった愛莉が旧友との唐突な再会に何を話したものか迷い、「元気してた?」などと当たり障りのないことしか口から出てこない様を見てぽろぽろと涙をこぼしてしまった。アイドルの先輩としてみのりにダンスの指導をするなどユニット内ではあれだけ頼れる姉御としての立ち回りを見せておきながら、疎遠になってしまったあゆみとの絆をなんとか繋ぎ直そうと思い悩む年頃の少女としての桃井愛莉がたまらなく愛おしかった。これぞ等身大ってやつだ。愛莉自身が語ったように今イベの本質は相手を信じることにありましたが、ハピラブでの“桃井愛莉”のファンである少女との交流や、自分たちのファンと共にイベントを作り上げてきた経験のある彼女たちだからこそ、今回のような話に重みが出てくるよな~などと思います。

きらめくライトも落ちる影も全て持っていく

ももいろの鍵/いよわ

この一節があまりにも的確にモモジャンを表現していて天を仰いだ。いよわ、本当にありがとね。お前は誰?


僕たちの生存逃走

今イベで暁山瑞希にもたらされたものは一種の救いであるように感じます。これまで直面してきた問題から、ひいては他人から逃避を続けてきた彼女ですが、そんな彼女にも仲間のためにできることはあると改めて書かれ、瑞希がそれを自覚したことが大切。シークレット・ディスタンスから~ゆくさきまでで書かれてきた瑞希の一連の問題が一つここに収束したように思います。あの時々の選択は無駄ではなかった(意味がないこともあっていいけど)、後ろ向きな君にだってできることがあるんだよと優しく抱きしめてあげるような、物語の外から彼女を見る僕には温かい印象を抱かせるストーリーでした。それだけにまふゆの窮状が浮き彫りになるわけですが…。
それとまふゆが取るかもしれない選択に対して自ら責任を抱える姿にとてもらしさを感じました。瑞希ってこういう誠実な人間だよね。だから苦しんでるんだ。


カーネーション・リコレクション

というわけで読み返しました(?)。
瑞希が刹那的な関係を好むのは、過去に他人から自身を拒絶されてしまった経験があり秘密を開示することで一度築いた関係もそれと同じような結末を迎えてしまうのではないかという恐怖を抱いているからだ。そのため他人と深く関わることに対してためらいを感じている。どうせ終わる関係だしな、と諦めているとも言える。しかし、今イベでは沈んでいる奏を見て居ても立っても居られずに声をかけてしまう献身的な姿勢の瑞希が書かれる。これが彼女の性分なのだ。彼女を取り巻く環境によって歪な人間性になってしまっているが、とても純粋で優しい人だと感じる。
そんな瑞希の助力により、奏は記憶の奥底に封じ込めていた家族との大切な思い出を育んだ場所を見つけることができた。そしてこの経験から得たインスピレーションを基に作られた新たな奏の音楽は、まふゆの心をほんの少し氷解させる。
奏が瑞希へ感謝の言葉を述べるシーンが今イベでは二度ある。
一度は奏の思い出の花壇で。昔の思い出を素直に受け止められたのは瑞希がいてくれたからだ、と奏は言う。瑞希は謙遜してその言葉を躱そうとするが、奏の真剣な表情を見て態度を改め真正面から受け止めた。
そしてもう一度はナイトコード上で。まふゆに笑顔をもたらす曲を作れたのは瑞希があの時わたしの世界を広げてくれたからだ、と奏は言う。瑞希は大げさだなあと少し茶化すものの、ちょっとでも役に立てたならよかった、と再度素直に受け止める。

───そこが、あなた達の辿り着きたい場所なのね

巡音ルカ(25時、ナイトコードで。)

不幸のどん底から救われるためには、差し伸べられた手を取る必要がある。感謝を述べる奏に対する瑞希の姿勢から彼女の前進が垣間見える回だった。自分の歩みを少しだけでも肯定する、意味があると思うことができた彼女の成長に目頭が熱くなる。仲間とのふれあいによってゆっくりと一歩ずつ、しかし着実に前へと進んでいく彼女にはやはり幸せになってほしいと願うばかりです。俺は暁山瑞希が一番好きだよ。


船出の前のワンデイトリップ

俺は親愛という感情の形が想像以上に好きで、たぶん友情という箱はそれが一番しっくり収まる器なんだろうなと思っている。それの良さを改めて実感させてくれるような温かい話でした。
やはりと言うべきか、一番心を打たれたのは一歌が遥の手を引いて駆けるシーン。メインストーリーでは咲希たちを思うばかりに逆にがんじがらめにされてしまい、感情に行動を伴わせることができなかった一歌でしたが、今イベで見せた即断即決で友達のために行動する本来の姿に感動してしまった。だって俺が今見ているのは主人公の再生だから。No seek~であった病室の咲希とのやり取りもそうですが、一歌の行動は一つ一つヒーロー然としていてアプリの看板を背負える器だよな、と改めて思った。他人のために動けるお前は本当にかっこいいよ。

どこに居たって何をしていたって自分たちが育んだ絆は失われない。そう純粋に信じ切っている一歌と咲希の姿はとても輝いて見えた。

さよならI love you それで全て
終わってしまうような 僕らじゃないだろう

快晴/Orangestar

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