統合失調症患者として生きる その4

保護室から出て入った病室は二人部屋でした。
ベッドとベッドの間にカーテンがありましたが、同室の患者さんはカーテンを閉めてほしくないと看護師さんから聞いていました。

それでも、相手を視界に入れたくなくて、自分も見られたくなくてカーテンを閉めがちでした。彼女は喫煙者だったので喫煙所で過ごす時間が多くなり、このため追及されずに済みました。

朝起きると、ロビーに体温計がおいてあり、各自検温することになっていました。
起床時間は6時なのですが、朝食の7時20分頃までは寝ていられました。

食事は食堂でいただくのですが、定位置が決まっておらず、どなたかがおっしゃった
「暗黙の縄張り」という言葉の示すように、私はここで食事をしたいという意思でなんとなく席が決まっていました。
「退院していた人が再入院すると、退院していた間に座るようになった人とトラブルになるんだよね」
とささやかれていました。
特別食には名前が書かれ、そうでなければ普通食としてどれを取ってもいいので時間がかからず、また、特別食だとカレーライスがハヤシライスになったりパン食のマーガリンがなしになるので、普通食で通しました。

この食堂ですが、当初はスタッフさんが立つ位置と平行にテーブルが並んでいましたが、ある患者さんが誤嚥したため、テーブルの向きがその位置から見て垂直に変わることになり、狭くなりました。このことについては不満がありました。

ロビーには新聞とテレビ、マンガを含めた書籍が置いてあり、朝に新聞のテレビ欄を参考に見たい番組を多数決で決め、その時間帯に見る番組欄に印をつけます。音楽番組が人気でした。

ロビーにナースステーションの窓口が接しています。ロビーに出てきている患者さんと、病室にいる患者さんを看護師さんがチェックしているのでなるべくロビーにいるようにと、とある患者さんから忠告されました。「看護師さんは見ていないようで見てますから」と。
のちに、「看護師さんは見ているようで見ていない」と思う出来事が起こります。

はじめのうちの外出は同伴散歩といって、スタッフさんが同伴して患者さん数人でできるが病院の中庭に行けるものでした。病院の敷地内にとどまったのか、敷地の外に出られたのか、覚えていません。中庭に並ぶ自販機や建て増しした売店でお菓子が食べられるイベントとして記憶に残っています。

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