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「世界を変えた10人の女性」を読んで

池上彰さんがお茶の水女子大の特別授業で行った講義の本。

冒頭に本のタイトルに「女性」が入っている事、男性だったら「男性」とは入らなくて「人」だったのではないかというコメントがあり、自分の中でのバイアスもあるとまず実感してしまった。

本の中には10人の女性の功績が書いてあった。知っている人、知らない人、名前は知ってるけど、何をした人か具体的に知らない人、色々だった。
この本はただ偉業を伝えるだけでなく、弱いところや、偉業を成し遂げた後の事や成功していく中での葛藤や、偉業の裏で批判を受けた事などもかかれていて、名声の裏側も知る事ができて興味深かった。

女性たちの感想。高学歴だったり、良家で育った女性が多い。そもそも自分を律して勉強に勤しんだ人は、学んだ事を何かに生かしたいと思うのだろうか、他人のために何かしたいと思うようになるのかと考えた。

池上さんのコメントにもあったが、貧しく育つと日々の生活の事を考える事でいっぱいで、他人の事や未来を考える余裕がない。
「神の声を聞いた」というのは、そういう意味でも余裕があったり、考える時間や学問できる環境があったからと考えると貧困な家庭をなくすと、アイデアが生まれる機会が増えるようになるのではないかとも思えた。

10人の女性について簡単にまとめてみた。

アウンサンスーチーさん、イギリス人の旦那さんがいたが、国民のために国から出る事をができなかったが、国民のために国に残る選択をした。

アニータ・ロディックさん、ボディショップを作った方。身体のために良いものを作って売り出した。ビジネスを学んだ事がないのに成功した。

マザー・テレサさん、「死を待つ人の家」を作って人々の最期を看取る事を始めた、人間が人間らしく、尊厳をもって死んでいく大切さを身をもって示した。

ベティ・フリーダンさん、「ただの主婦」としてだけでは、生きて行けない。だが他にどんな生き方があるというのだろうか。と、女性解放運動のリーダーになった。

マーガレット・サッチャーさん
大衆階級から、努力で首相になった。生活保護を受ければ働かなくて良いという英国病をなくそうとした。

フローレンス・ナイチンゲールさん
看護とは自然治癒力が発揮できる環境をつくること、清潔に空気を入れ替えなど、科学的な要素を取り入れた。

マリー・キューリーさん
放射能治療を研究した。ラジウムの精製方法に特許は取らず、一般解放した。実は恋多き女性だった。

緒方貞子さん
難民の定義を変えて、国内でも難民は存在すると定義づけて多くの人々を救った。

ワンガリ・マータイさん
「もったいない」を世界に広めた。
地球環境保護と平和を結びつけた。

ベアテ・シロタ・ゴードンさん
GHQで日本国憲法を作るときに、日本の女性や子供を守ることを法律に入れるよう努力した。

女性達の共通点は、他人に対する優しさや思いやりではないかと思えた。ひとりひとり尊敬する。

本の最後にこの講義のレポートを発表、聞いている生徒が批判的なコメントをするという、内容が書かれていて本を読むだけでは終わらず、この講義をどう自分に活かすかという事が書かれていた。
学生の様々な意見やレベルの高いコメントに感動だった。完璧と思われるレポートに鋭い批判的なコメントを入れることによって別の考え方や、学生なりに考慮していなかった部分、広い意味や深い意味で再度考える事になり、このやりとりがとても興味深かった。

印象的なコメントが、10人の女性には3つの「シン」があったという感想。「芯」があり、「信」のある行動が「新」を産んだのではないかと。
私はプラスして「進」「伸」のふたつも入れたいと思った。進んで、成長したんだと思う。

学生達はレポート提出をあらかじめ考慮して授業を受けていたので、授業を受ける前からレポートを書く心構えがあり、ただ本のタイトルに興味があって、読んだだけの自分とは最初からの深掘りの仕方がそもそも違うと、最後のレポート発表を読んで思ってしまった。

私もnoteを書くつもりで、自分の意見が言えるようになるよう、本を読み始めたいと思った。 

世界を変えた10人の女性 お茶の水女子大学特別講義 (文春文庫) https://www.amazon.co.jp/dp/4167906198/ref=cm_sw_r_cp_api_glt_i_BXZRG6KXX3QFWAM871K2

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