04配信先の鑑賞者を「幽霊」と見立てて劇場空間に配置すると(ハッピーデイズ)
ベケットの「ハッピーデイズ」を横浜にあるSTスポットで上演すると仮定して舞台装置を考えてみる。
はじめに
●「広大な焼け野原」という設定だけど、役者は2人しか出てこない上に全く動きがないので規模的には200人以下が良さそう。ならば広大ではない小さな劇空間で、観客にどうやってこの設定を共有するか?
●インターネットなどを使った配信先の鑑賞者を「幽霊」と見立てて劇場空間に配置してみる
突飛な設定の時空間に、たまに共感できる事が散りばめられていて、その共感に徐々に揺さぶられて感動していく作品だと理解した。
具体的に
●「共感」に向かうための対義的な劇空間を目指す。
自分が思いついたのは、人間じゃないものに演技させる方法。
人形でもいいし、人参でもいい。
これらは人間よりも小さいし、サイズの調整もできる。
そうすることで、広大な焼け野原を現実的に小さく作ることが可能になるし、共感から程よい距離感(違う生物という点で)
●「広大な焼け野原」→平坦で乾いた絶望のような感情 を引き出すような景色 と解釈した。
余談だが、先月「広大な焼け野原」を見ていた。色味のイメージはこれ。
人の目は魚眼レンズフィルター機能は気持ち次第で作ることは可能でも、観客全員にそうさせることはなかなか難しいので、
大きく湾曲した面を作る。(より広大感を目指す)それを土台にウィニーの埋まっている小山を作る。
表面は砂(彩度の低いもの)で覆って地面風に。全体的な色味はだいぶ彩度の低いものが良い。
手前の観客側は極力薄く、奥は見えないのでいかようにも。
テーブルの脚はスッキリしてるのが良い。
背景は照明で彩度の低いブルーで青空という設定を照明家に相談。
客席が少なくなることで、観客の鑑賞角度の誤差が少なくなる。すると、狙ったコアな角度で見せることが可能になる。
今回は観客の目のいちのちょっと下くらいの高さに設定。
ちなみにこれは「茶の味」のワンシーン。こんな感じいいなあ
観客との関係
●客席は全てウィニーから4.5m以内に位置するように配置。
客席同士は1.2mの距離をおいた。(横に並ぶ客席を2m話す意味がそんなないような気もしてきた。。)一方方向の客席の方が感染対策的に良さそうだったので、そうしてみた。
そもそもこの戯曲は1方向として作られている。
●配信客を、「アイフォンに憑依した幽霊」 と設定して幽霊席を設けてみた
幽霊とはfacetimeとかline通話とかなんかそう言ったもので、各電話と一対一でコネクトしてもらうとして見る。
そうすると、
役者、スタッフ含めた提供者が見ている人全員を把握した上で進行できる。
アイフォンが数台浮いてる風景、良さそう。
演劇を提供する全スタッフはホストという面も持ち合わせているので、そこを大切にしてみた。
こういう感じ?でももっとsand tableの縁が刺さるように見える気がするんだけど、どうなんだろ。シュミレーションって大切だけど、どう捉えたらいいのか信じすぎるのも危険なのでちょっと複雑な気持ちになる
以上。
最近、人間だけのための演劇 に疑問が湧いてきた
例えば神楽とか伝統的な舞などは神様に奉納するためのことでもあったわけだし、
「幽霊の集まる劇場は良い劇場」みたいな言われ方をすることもある、
じゃあ、配信を見ているお客さんを幽霊と見立てて見ると、
ただ、配信されたもののことは考えてない。
今回の反省点
「回転」ツール。前回よりは使えるようになった。もうちょっと頑張ったら使いこなせてきそう。
「サンドボックス」ツールをなんとなく使えるようになった。
次回は「レイアウト」もつかって図面もかけるようにならないといかんと思ってる。
戯曲を読むスピードの遅さと、読解力の乏しさに絶望。
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