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金額ありきのベーシックインカム論って?

ときどき話題にするけど、スイスのベーシックインカムのイニシアチブには、金額の話は一切なかった。提案したテキストは「社会生活に必要な額を無条件に支給、金額と資金調達は別途決める」となっている。そもそも物価が変わるんだから、支給金額ありきの話をしてもしようがないよね、経済学者、大丈夫かよ・・・。

金額に触れないのは、スイスのイニシアチブが憲法改正だから、より一層そうなるんだけど、そもそも生活保護だって、金額ありきじゃなく、暮らせるかどうかが基準だ。そして、ベーシックインカムという社会の一大転換プロジェクトをそのための立法なしで一時的な予算措置でやってしまおうと考えているんだろうか?
ベッペ・グリッロが日本で講演した時に言った
「一番大事な政策はベーシックインカム。それであらゆることが変わるから」
そう、生活のあらゆる局面がヒューマンになるんだよ、人間らしい社会になる。

そう言う議論なしに、いきなり金額。

とりあえず、今政府はいくらならだせそうだからとか、増税はいくらまでならいけそうだからとか、インフレくるまで借金しまくればいいじゃんとか・・・そういう矮小化された話はさ、ないよりマシだけど、もう少し本質的な話をしたほうがいいんじゃないのかな?子々孫々にもう少しマシな社会を残すためにね。

世界では、今では生活保護みたいなものまでベーシックインカムと呼ばれるようになって、まぁ、前に進んでるからいいかもしれないけど、もうすこしちゃんと話をした方がいいんじゃないの?って思う。

そもそもユニバーサル・ベーシックインカムってのは、誰もが尊厳をもって生きられるように、つまり自分の人生をお金に支配されない、100%自分で決められるようにするために、ベースの部分で仕事と報酬を分離しようよって考えだ。だから、いくらが適切かというと、賃金労働しなくても生きていける金額という表現が一番分かりやすい定義だ。

ユニバーサルとか定義とかどうでもいいから、とにかくカネくれ、ベーシックインカム、今は緊急事態だし・・・。でもさ、その時の政府の都合で金額が変わったら、なんじゃそれ?だよね。大統領か首相の一存で金額変わっていいのかよ?偉い人が人気取りでやるお恵みじゃなく、明確に決められた万人の権利にすべきじゃないかな?

それでもないよりあった方がマシだし、まぁ、景気対策としても低所得者に直接配布するのがもっとも効果的だから、それでいいとは思うんだけどさ・・・。いったん全員一律に配る仕組みが出来ちゃえば、あとは、選挙で多い金額言う人が当選しちゃうとか、まぁ悪くないかもしれないし・・・(笑)

ちなみにでもないけど、スイスでイニシアチブのメンバーが例として2500フランと言う金額をあげたら、世界のマスコミは言葉尻をとって「働かないで月額28万円もらうとか、まったくけしからん」というキャンペーンを一斉に始めた。スイスの物価を知らないから、いや、知っててわざとやったのかもしれない。スイス人は誰もこの額を高額だとはいわなかった。生活感としたら28万円はちょうど日本の生活保護の金額と同じくらいなんだと思う。でも、この金額がひとり歩きして、日本でも「30万円配れる」ってなこと言い出す人達がでた。スイスのキャンペーンの当事者たちは「まぁ、マスメディアってそんなもんだよ」って淡々としていたけどさ。

ちゃんとよく考えて、とことん話し合って、未来社会ののルールを考えようよ、ね。

合意しなきゃいけないことは、そんなに多くないんだ。

中央銀行によるベーシックインカムの動画が完成しました。ぜひ、共有してください。デモクラシーのもとでは、基本、過半数の人が知って合意することで、制度化できます。


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