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ある日突然大腸ガンになってからの徒然日記vol.8


突然のガン告知から大学病院での1回目の手術、その後の抗がん剤治療、さらに自分のガンのまさかの特性。そして現実を突き付けられた会社の対応等、同じ様にガンで頑張ってる人や、同じ様に普段健康であまり自分の身体のメンテナンスをしない方へ少しでも励みや参考になって貰えればと思って素人の大腸ガンサバイバーが書いてます。
月1程度で今までの奮闘日記を残して行こうと思ってますのでよろしくお願いします


《抗がん剤生活の開始と体調の変化》

薬局で抗がん剤の錠剤を貰い、いよいよ人生初の抗がん剤生活の始まり!!

習慣になるまでスマホで目覚ましとタイマーをセットしたとはいえ、昼と夜の薬の時間はまぁ良いですよ...

けど....

朝6時の薬飲む時間が意外としんどかったり....

時間がズレて(まぁ数分とか10分程度くらいなら問題無いとは思いますが...)しまうとその後の服用時間もズレてしまい、数時間ズレてしまった場合はその回をスルー。

決して時間外及び複数回分の服用は厳禁と先生にも薬剤師にも年を押されてるので朝の時間が1番緊張感あるんだよなぁ....

『絶対に起きて飲まなきゃ!!!』

って感じのプレッシャーが....(笑)

自宅での抗がん剤の服用が始まったタイミングで、区切りをつける為にこちらから退職の希望を伝えると

「来社しないでいいから郵送で【一身上の都合】で退社すると退職願いを出して」

との事。

なんかもう色々と揉めるのも水掛け論で言い合うのも面倒臭くなってきて言われるがままに事を進めて無事(?)にご縁を切る事が出来ました。

一身上の都合?復職認めないから辞めざるを得ないのは会社都合でしょ....とかそりゃ色々とありますけどもうおしまいです(笑)

スッキリして前向いて抗がん剤に向き合った方が効果もきっと良くなるだろうし、なんせ先生には良い事だけ考えて生きてって言われたので負(会社)の日常は要らないのです

身辺をスッキリさせた抗がん剤治療は副作用含め特に体調に変化もなく、1クールが終わり、2クールが終わり....

3クール目(日付けで言うと2021年5月)に入る頃、ダルさと食欲不振、若干の吐き気が出てきました。

なのでちょうど3クール目の初日の外来診察の時に先生と体調面で相談したのですが、先生が言うには抗がん剤は正常な細胞からしたら毒なわけで、余程しんどければ休薬したり出来るから無理だけはしない様にとの事。

幸い自分は血液検査でも問題がある数値の上昇は認められず、自覚症状でもまだ全然生活に大きな影響も出て無かったのでそのまま継続という形にはなりましたが一つだけ気になる事が....

『先生、血液検査の結果で腫瘍マーカーが2月の手術後に1回下がったのにまた徐々に上がってるんですが...』

具体的に言うと、2月の手術後に測定したマーカー数値はCEA28(正常値は0~5なのでこれでも充分高い値)だったのですが、この5月に測定した血液検査ではCEA44とまた上昇傾向にあったのです

元々2月→3月→4月と28→36→38と微増してたんです。

けれども先生としてはマーカーの信頼度は30%くらいで、しかも体調やストレス、アルコールの摂取(自分はアルコール摂取はしてません)等で平気で乱高下する数値の為、これが高いからと言ってすぐに再発とか疑わないで少し様子見てからでも良いのではないかとしていたのですがさすがに上がり続けると自分が不安になってしまって

『先生、今月またマーカーが上がってるんだけど....』

「まぁ上がってるけど激増って感じでも無いけどUFT開始して3クール終わったら1回CT撮ってみようか」

「そしたら3クール目が終わった6月に造影CTの検査入れとくからそこで1回経過含め確認しましょう」

『ありがとうございます。よろしくお願いします』

こんな感じで抗がん剤は3クール目に突入し、問題無く来月のCT検査を迎えると思ってたんです...

《突然の異変》

2021年6月になってすぐの事。

この日のお昼頃にいつも通り自宅の浴室でストーマ(人工肛門)装具の交換をしようとした時の事...

なんか内股を液状の物が滴ってる感覚に襲われて手を充ててみると、

『!?!?』

水??いやなんか生ぬるい感じの少しピンク掛かった変な液体が指先に付いてきて、次の瞬間ドバーッと水風船が割れたかのような感じで漏れ出て....

男性なので全く経験も感覚も無いですが、破水したらこんな感じなのかな?って思うくらいの出来事でした。

ひとまず装具の交換を終え、まだ漏れ出てきそうな感じもしたので、下着に嫁の女性用パッドを貼り付けて履き、とりあえずは事なきを得ました....

浴室での装具交換中で本当に良かった.....外出先とか居間だったらと思うとパニックしそうでした(笑)

ただ自分の身体の異変に自分では対処しきれないので急ぎ病院へ電話。

担当医へ繋いで貰い、状況を話すと急ぎ来院してくださいとの事....まぁそりゃそうですよね....

消化器外科の外来へ到着するとすぐに処置室へ通され、2月の手術を執刀してくれた先生がすぐに来て診察...

「切除して縫った箇所が少し開いてそこから溜まった液体が出てきちゃった感じですね....でもこれなんの液体なんだろう....術後に大きな水膨れみたいなのが出来たのかなぁ...。」

「漏れはもう止まってるから今から急遽CT撮ってお腹の中見てみましょうか」

元々翌週に腫瘍内科のオーダーでCTの予定だった事を伝えると

「腫瘍内科の先生にも事情話して、今日CT撮るから来週のCTはキャンセルって伝えとくから大丈夫。」

「来週のCTだった日に腫瘍内科の診察入れとくから、今から撮るCTの検査結果はその時に腫瘍内科の先生から説明出来るようにしとくね」

という流れですぐにCTを撮りその日はそのまま帰宅。

幸い下部からの液体の漏れは止まったみたいで惨事にはならなかったけど不安でしかない....

なのでその日から女性用のパッドを嫁から貰って下着に貼っつけて自己防衛して、パッドにも汚れが付かなくなったので問題無くなったとは思うけど...

やっぱり1度経験してしまうと不安の方が大きくなってしまってパッド無しには出来なくなっちゃいました

生理中の女性や尿漏れの症状でお困りの人もきっとこんな不安とかなのかな?なんて考えたり....

それはそれで「違うよ!!」って思われるかもしれませんが(笑)

《再発?転移?》

元々CT検査の予定だった日に腫瘍内科の外来診察へ...

あれ?腫瘍内科なのに消化器外科の自分の担当の先生が居る....

けどまぁ当然の如く先生だって自分以外にもたくさんの患者さんを抱えてるわけで、自分の事で居るわけでもないでしょう

それから少し待ってると表示板に自分の番号が映し出されたので診察室の中へ

入るとそこには腫瘍内科の担当の先生と.....案の定消化器外科の先生が。

『ですよねー、先週の流れからきっとこの先生俺に用があってここに居たんだよなー....わかってましたよはい...』

って心の中で自分にツッコミを入れ、どんな検査結果の話をされるのかとちょっと身構えたら

「〇〇さん、あったよ。大きなのが...」

『あったとは?やっぱりマーカー上がってたの当たってたみたいな話です??』

2月の手術後に1度下がった腫瘍マーカーが3月から増加を続けていたので自分としても不安があったのは事実でしたが

「そう。今まで転移の可能性を考えて肺とか他の臓器に気を付けてたから盲点だった。2月に取った場所に大きな塊が出来てる」

『え?切り取った所にまた出来たって事ですか?』

「そう、前回肛門から直腸を切り取ったんだけど、そこの部分に3cm大位の塊が映ってるんだよね。今見せるから」

そう言って先週撮影したCT画像をパソコンの画面に表示して先生と一緒に見てみると、確かにある!!!

医学的知識の何も無い俺でも明らかにわかる変な丸っこい塊が白黒ではっきりと映ってます...けど...

『先生、手術したの2月ですよ?再発、しかもこれだけ大きくなるのって4ヶ月そこそこでなるもんなんですか??』

「可能性としては無いわけでは無いんだけど、だからもしかしたら膿が溜まって膿袋みたいになってるのかもしれない、もちろんガンかもしれない...」

「ガンだとして、これが再発な物なのか転移した物なのかも調べてみないと分からない...」

そこで隣にいた消化器外科の先生が言葉を挟んで

「なので〇〇さん、再手術を前提に考えてます。そこでこの塊が何かをハッキリとさせる為にPETCTというものを撮ってきて欲しいんです。」

『PETCT??今からですか??』

「いえ、ウチの病院ではPETCTは撮れないので、紹介状を書きますので新横浜(場所を書いちゃいましたがまぁだいたいその辺て事で...)のPETCT専門の病院へ行ってそこで検査して来てください。行けますか?」

『いやいや、行きますよ。大丈夫です。』

「保険適用でだいたい3万円くらい掛かっちゃうけどね」

『高っ!!!』とは心の声。

予めおおよその費用を教えて頂けるのはありがたい(笑)

「PETCTってどういうものか分かります?」

『全然知らないです』

「PETCTっていうのは放射線物質を体内に注射して撮影する事で悪性腫瘍が光って映るんです。なので光って映ればそれはガンってハッキリわかるんです。なので今回それをやって今写ってる物がなんなのかハッキリさせましょうって検査です。」

『わかりました』

「それじゃ先方の予約確認して紹介状お渡しするんで外で少し待っててください」

再発なのか?それとも転移??

抗がん剤効かないじゃん....

診察室から出て待合室のソファーに1人で座っているとネガティブな事しか頭に浮かばない....

とりあえず嫁に「再発かもしれない事、違う病院でPETCT受ける事、受けるのに3万位かかる事、その日は付き添いお願いしたい事」今さっき診察室で自分が聞いた事をそのままLINEで送った...

まぁ仕事中なんで読んだら連絡来るでしょう(笑)

どれくらい待っただろう....結構長い時間待たされてようやく呼ばれると

「〇〇さん、〇〇日の〇曜日空いてます?」

『仕事も無いので基本いつでも大丈夫です』

「そしたらその日10:00から予約入れたので9:40までに受け付けして検査して来てください。」

『わかりました』

「その後検査の2週間後にこっちの消化器外科の外来入れておきますね」

『その途中での腫瘍内科の抗がん剤はどうなるんですか?』

「〇〇先生に言ってあっちはこの検査が落ち着くまで休止にしておくから心配しないでいいよ」

せっかくの抗がん剤をストップする事に不安だけど仕方ないか...(効く効かないは抜きにして、とりあえずやることで治療してる感があるんです。ストップ=ほっとくみたいな....)

けどまぁまだ完全に再発って決まった訳でも無いし、先生も言ってたけど術後の膿が膨れちゃった物かもしれないし...

実際何か体調面で熱があるとか食欲が無いとか自覚症状がある訳じゃないからネガティブに考えるのはやめておこう

この時点で2021年6月....今年の2月に手術してからまだ4ヶ月、既に今年は激動だなぁなんて思ってたのに...

まさか残り半年もっと激動な半年が待っているなんて全然予想もしていなかった(笑)

                                                                                                          つづく

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