見出し画像

七日間で悟りを開く?『クリシュナ神の物語』の神秘

第一話 ナーラダとバクティの会話

 聖仙シュカが『クリシュナ神の物語』をパリークシット王に講義しようとした際、神々が現れ、アムリタ(神々の飲み物)と引き換えに話を聞かせて欲しいと頼んだ。シュカは物語がアムリタと比較されたことに腹を立て、講義を中断した。このエピソードは『クリシュナ神の物語』が神々にとっても貴重であることを示している。

 パリークシット王は物語を聞いて悟りを開き、解放された。ブラフマー神はこれに驚き、他のすべての聖典と比べてもこの物語が最上であると認識した。賢者達はこの物語を聖典と見なし、カリユガの時代(終末期)においてはクリシュナ神そのものであると考えるようになった。

 ナーラダ仙はブラフマー神からこの物語を学び、ブラフマー神の息子であるサナカ兄弟(サナカ,サナタナ,サナンダナ,サナト)から「七日間で物語を聞く」極意を教わった。ナーラダ仙が、なぜこの方法に関心を持ったのか?
ヤムナー川の岸辺で、泣きながら衰弱した二人の老人を介抱する少女に出会った。話を聞けば、少女はバクティ(信仰)、二人はジュニャーナ(知識)とヴァイラーギャ(離欲)であると嘆いた。ナーラダ仙はカリユガでは知識や離欲、信仰よりもクリシュナ神の名と栄光を唱えることが功徳を得る道だと諭した。


※ ※ ※ この物語は対話の中でさらに対話を説明するので、まるで会話のマトリョーシカのように混乱します。そして、『バガヴァット・ギーター』を読んでいないと、さらにチンプンカンプン。それでも、三巻まで続く壮大な物語を読めば功徳が得られるかと思いきや、実は七日間で読破しなければならないという奥義が待っているんですよ。まるで読書の修行です。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?