夕漆の悩み

俺は物心が着く前に両親に捨てられた。
だから両親の顔を知らない。
遠い親戚とやらに納屋で暴力を受けたこともあった。
そんな俺は恋愛どころか、愛情というものが他の奴よりも欠けていると自覚している。

だけどな、分からないなりにも、
七刀には愛とやらを実らせてほしかったし、単に幸せになってもらいたいと思った。
だから正直、鳩宮家の党首相手では「身分違い」と思いつつも、七刀の恋愛とやらを応援したいと思った。
お節介と思われようが、嫌われ役になろうが、構わなかった。七刀が幸せであれば、それ以上のことなんてあるか。

そんな中、七刀の良さを理解してくれる女がいたらしい。
・小川星
・千剣破馨
理由までは知らん。

七刀自身が鳩宮紫苑子を好いているというのなら、俺はもちろん応援する。というか、応援してきた。今後も七刀のためには一肌脱ぎたいと思っている。

だが、もしも2人が結ばれれば…

小川星と千剣破馨は悲しみ、きっと失望するだろう。
欲しいものが手に入らなくて悔しいことは、人の感情に限った話ではないはずだ。
それが手の届く位置にあったのであれば、尚更だ。

七刀と長い時間を共に過ごしたであろう小川星。
きっと七刀の良いところと悪いところを数遠く見てきたことだろう。その光景を見てきた上で、好きという感情が芽生えたのであれば、それがきっと愛というやつなんだろう。なんかTVで言っていた気がする。
しかし、双子の姉とやらと結ばれるというのは、、、??

千剣破馨。
同じ千剣破の姓を名乗る馨。頭脳戦では頼りになる家族だ。勝負度胸もある印象。その点ではむしろ俺が好みのタイプだ。笑
どうして七刀のことを好きになったのかは定かではないが。いちいち理由なんて求めるものでもないだろう。「好きなものは好き」で十分だ。
家族には幸せになってもらいたい。俺は馨も十二分に応援したい。

分岐点は3つ。
①七刀には自分が好きと思う奴と結ばれてほしい。一緒に汗を流してきた仲間だ。情がないわけがない。七刀と鳩宮紫苑子が結ばれるよう支援する。

②小川星は七刀を1番近くで見て、共に過ごした。七刀を支える力を最も持っていると考える。
七刀と小川星が結ばれるよう支援する。

③馨は家族だ。1度きりの人生、心から幸せになってほしいと願う。七刀を気遣う心は誰にも負けていないように思う。欲しいものがあるなら譲らないでほしい。七刀と馨が結ばれるよう支援する。

俺は悩む。ものすごく悩む。
家族間で相談したいと思っているぐらいだ。
しかし、他人任せの話し合いはしたくない。

俺の中の結論を出す。
「行動した奴が幸せを勝ち取るべき」

こうなれば、今後は第三者の余計な手出しは無用。

手に入れたいものを手に入れる。
勝利を掴み取る。

こちらからのサポートは特に行わない。
放任という意味ではない。
「他人に勝負の下駄を預けるな」
これに尽きる。

もちろん他人に協力や相談を求めることは悪いことではない。
しかし結局ところ、最後はどこかで
「自分で決めなければいけない」
この場面に必ず出会う。勝負の鉄則だ。

情に流されそうだが、こちらからサポートは行わない。頼られたら応える。
誰がこの恋愛戦争を勝ち取るのか。
ものすごく楽しみにしているぞ。

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〜前日〜

自分で出した結論なはずなのに、まだ悩んでしまう。
優柔不断な自分が気に食わない。
だけど何がベストな道筋なのかも分からない。

「こちらからのサポートは行わない」
と決めたものの、
それだと小川星の独壇場になりそうじゃないか??
行動力が人並みじゃなさそうだしな…

七刀はどうせまた
「自分なんて…」
と言い出すだろうし、

馨は小川星のパワーに押しつぶされそうな気がしてる。
「自分が傷ついても七刀が幸せになればそれでいい」とか思いそう。(偏見で申し訳ない。)

七刀への過干渉はしたくない。
「自分で決めなければいけない」
この場面で力を発揮できる男が上を目指すことができる。俺はその力を育てたい。

だからあれだよな。
「きっかけ」は作った方がいいんだろうきっと。
(これはお節介なのか??)

いやー、わからん!
四季戦の前に家族会議だ!
俺1人では無理だ!俺には不向きな事態だ!
みんな相談に乗ってくれ!

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