花王

花王の株を買ってみた。
興味を持ったきっかけは、円安が極まってきた中で内需株に興味があり底値圏から値動きが強くなり始めていたことと(オアシス上げでもあるので不安要素ではある)、株主優待でもらったライオンの洗剤が割と良く個人的に使いたいと思ったから。
なぜライオンじゃないのか?シンプルにその洗剤の棚が取れていない。
(ちなみに後で詳しく調べてみると、ナノックスワンは高くて良い成分から安くて強いが肌に悪い成分に改悪されているだけだったので、良いという評価も改めた)
またライオンはナノックスワンの新製品で2023年の勝負をかけていて、マーケティング費も投下したが上手く行かず業績未達。
今後ファブリック(洗剤)分野は、費用をかけず収益性の良い製品にだけ集中するという方針とあった。
つまりファブリック分野の競争はライオンが少し負ける形で緩まっていくのだと考えた。

また複数のドラッグストアで花王のアタックゼロの価格が以前よりかなり上がっていたが、しっかり棚のスペースが取れている。
通販の価格も高止まりしている。
原価上昇を加味しても前よりずっと儲かりやすい価格になっている。
コロナ渦では通販の目玉割引商品となっていて、僕も良く安く買わせてもらっていたものだ。履歴を見て今の価格を見ると違いにびっくりする。

また安い方のアタック液体洗剤も並べることで、松竹梅戦略、つまりどっちかを買うという心理にもなる。
ライオンの製品はナノックスワンしか置かれていないことが多く、液体洗剤ではラインナップが少ないため、訴求力が低くなる。

後はここ数年の変化として、液体洗剤を使い人が増えているだろうというのもある。単純にコロナを経て(10万円で家電特需が産まれ)ドラム式洗濯機の普及率がまた一段と上がったと思われるからだ。
P&Gは高利益率と思われるジェルボールに舵を切っているため、P&Gの棚はジェルボールばかりが並び、アリエール液体洗剤の地位が若干落ちているように思われる。

結果として、利用率の上がっているであろう液体洗剤分野で花王の存在感が一段と上がっていることを感じた。
(ここまで全部妄想)

食器用洗剤も数年前と比べ、キュキュットのシェアが一段と上がっているのを感じる。ライオンのマジカはほとんど棚を取れていないし、P&Gも逆さで出せる容器に振っていて、結局王道のキュキュットが売れる構図になっているように見えるし実際棚も大きい。
また容器をエコと言って薄くし、シンプルな700-800の詰め替えを押し出している一方で1200-1300くらいの取っ手付きのボトルのやつを減らしていっているように見える。薄くてシンプルな詰め替えの奴は物流上も効率が良さそうなのでいろいろ考えてるんだなと思っている。

決算を見ても、このあたりのラインナップは収益性が良くなっており、また一段と改善していくだろうなという見通しも立てられる。

一方で化粧品やメリーズなどが微妙なところが花王の業績が下がっている要因である。

メリーズの方は、中国特需で売れていたが中国の地場メーカーに負けていて、今回撤退することにしたので良い判断だと思う。
国内でも少子化でおむつはジリ貧だが、王子が撤退していたり、前は通販やpaypayの安売りの目玉だったメリーズの価格が上がっているうえにpaypayセールの対象外になっている。
縮小均衡の中で利益を出していく姿勢を明確に打ち出していて、メリーズでのマイナス面はなくなったと言える。

化粧品はよくわからんが、ブランド整理し始めてるので良いんじゃないかなと思う。オアシスにボロクソ言われていたけど。
不確定なアップサイドになってくれればいいなと思っている。

なおビオレ(日焼け止め)やキュレル(スキンケア)やメリット(シャンプー)と言った化粧品ではないが肌周りの高利益率であるブランド商品ジャンルで、少し知られている名前を上手いこと近い商品に応用して棚を取っている傾向はドラッグストアで感じられた。
思った以上にドラッグストアにおける花王の存在感があるように思える。

個人的には花王は少し前まではブランドを安売りする終わってる会社、連続増配にこだわってるがしんどくなってきてる会社、絶対に買ってはいけない会社、と認定していたし、実際株式市場の評価も一定程度そういった向きはいるので、そういった見方が間違っているという成果を出せれば空売りを巻き込んだアップサイドが出るんじゃないのかなと思っている。

実際つばめ投資顧問が一度花王激推し動画を出した後に花王は上記理由でダメという動画を上げてから時間がたっているので頃合いなのかなと。

決算後追記
ライオンは決算だだ滑り
花王は決算期待上げに負けない続伸でしたね。
表面だけだと両社ともウクライナショックでひどくなってた昨年1Qに比べて大幅増加も進捗は微妙という感じでしたが、反応は全然違う。
ライオンはほぼ日用品なので季節性は少ないということと、海外は伸びてるけど国内は上記で書いたことが業績で出てるように洗剤で負けてるだけじゃなくて得意のオーラルケアすら減収になっているという有様。
海外の成長を買われてる会社って、①国内はリソース投入を大きく投下せず、②売り上げは大して伸びないけど利益は安定してるパターンなんですよね。

国内に大きな投資を行ってしまっているため、両方とも当てはまらないのが厳しい感じしますね。
またドラッグストアでの販促で、ナノックスワンとマジカ両方とも本体の価格だけ超大幅に下げていて、詰め替え用の単価をかなり下回ってたんですよね。
狙いとしては本体を買ってもらって詰め替え用で回収しようということなんでしょうが、今時の消費者の乞食っぷりを舐めてもらっては困るという話ですよ。(本体だけたくさん買い占めようと思ったんですが、赤ちゃんの肌に悪い成分が入ってるのでやめました。)
こんな感じで下手こいてるので、花王が安泰なんだろうなと思いました。
また決算説明会で売り上げが落ちてる理由をアナリストに問われた際、P&Gさんが最近販促を強化しているかららしいというなんかズレた回答をしていたので、これは経営陣がちょっとなと思いましたね。
P&Gが最近値下げ強化してきてるのは事実で、洗剤もおむつも結構値段下げてきてはいるんですよね。その状況下で花王はある利益を保っていてライオンは死んでるので、なんともなと言った感じです。

消費者目線の話
(ちなみにパンパースはトップだと思います。我が家はメリーズ使ってますが、予算気にしないならパンパースがおすすめです。メリーズは普通に悪くないのでそこそこが良い方にはおすすめですよ。赤ちゃんによって合う合わないはありますが。
お尻ふきもパンパースの奴が圧倒的に成分が良いですが高すぎですね。それ以外は成分がほぼ同じなので、我が家は西松屋のPB(実はメーカー品と比べても成分が悪くない)を使ってます。)
(洗剤は普通に花王がおすすめです。衣料用洗剤も食器用洗剤もライオンとP&Gは古くて肌に悪い成分を未だに使ってるんですよね。石鹸洗剤とかそういうのを除けば、普通の洗剤=花王だと思います。)

さてだいぶ話がずれたけど、花王の決算は正直第一感良いのかどうかわからなかったんですよ。悪くはないけど期待上げしてるし、、、みたいな感じでした。
で、説明資料だと予想を上回って推移していると書かれてるのでまぁ良いのだろうなと。(ちなみにライオンはインラインだけど、海外が思ったより良くかった(つまり国内が悪かった))
で、次の日になるまで気づかなかったのだけど、年間予想の前提を期初変えてきていて、利益は伸びるんだけど、代わりに原価が上昇するのと販管費が増加するという形にして業績を据え置いてる形で出してきてるんですよね。
足元原油価格などは上がっていないので、事実上200億円以上の上方修正ですが、地政学リスクなどで原油が急騰する場合と海外のスキンケアや化粧品の販促費投下にバッファーを持たせたかったんだろうなと。
200億乗せたところでEPSは250円くらいなので7000円は決して安くはないんですが、今期のさらなる上振れや来期を見込むと300円×30倍の9000円つける織り込みはあるんじゃないかなという気はしています。
また基本的には第一感と同じような見方、なんなら減益続きで連続増配に縋りついていてタコ配が近い終わっている会社という見方をしている人が多いであろうことがショートバイアスをかけて、株価が堅調に推移しやすいんじゃないかなと。
オアシスだけで飛んだ6100-6200ラインも、そこから抜けた6300-6500ラインも振り落としがあり、また決算警戒で上がってるから売りたくもなるし、なんなら決算発表後寄り付きも売りたくなりますよね。
売りたくなるは長く持ってたホルダーが売りたくなるというのもあるし、ショートしたくなるのもあると思います。

でまぁアタックとキュキュットがいいのはわかったけど、それはそんなに伸びないでしょ。という話はありますよね。
他はというと
メリーズを含むセクターは少し利益出すようになると思うんですよね、固定費を削減して縮小均衡にしながら値下げはしないスタンスにすれば。1Q黒字転換でしたが、少し利益貢献するくらいにはなるんじゃないですかね。
化粧品は1Qは40億程度の赤字で、中国の固定費が痛いのでしょうね。
赤字が一時的とは思えないけど、ビオレやキュレルは若者に売りこめてる感じなので、固定費を減らしていきながらここのマイナスを消せるだけでもアップサイドあるかなと。
ビオレやキュレルって国内でもイケてますが、海外でもイケてるんですね。
ヘアケアもエッセンシャルとメリットに絞っていて、棚を見ても割と上手く行ってるかなと。
エッセンシャルのプレミアムラインの商品や、さらにハイプレミアムなメルトが売れるかどうかは未知数なところはありますが、店頭見るとエッセンシャルの棚造りは上手に行ってる印象がありますね。
また本当に成分も良いので、個人的にもエッセンシャルバリアシャンプー使おうと思ってますね。
今はボタニスト使ってますが、切り替えようと思ってますね、他にもだいたい目につく他社のアミノ酸シャンプー(イチカラ、ヒマワリの奴、モロッカンetc)よりもエッセンシャルバリアシャンプーが一番成分良いと思います。別にこんなところで宣伝する理由もないし、株買ってたら商品使うわけでもないので(商品が悪くても儲かるなら株買いますからね)、株を買って商品調べてたら普通に良いじゃんとなっているだけです。
花王製品推しまくってるんですが、自社で原料作る工場持ってる強みを存分に活かせてる気がしますね。これは棚を見て成分比べてみて痛感しました。
安い価格帯の成分は安いなりのものですけどね。
ただこれが売れるかどうかは繰り返しになりますが未知数なところはありますね。ただドラッグストアの万引きチェッカーのカバーに広告出してたり頑張ってるんじゃないかなと。
この辺が売れたら更にアップサイドあると思いますね。
安定的なのはビオレキュレルと化粧品のすでに成功してるブランドの国内海外の成長で、未知数なところが載って来るかどうかって感じですね。
結構アップサイドある気がしてきましたね、今って利益の大半部分がアタックキュキュットとBtoBなんですよ、むしろこれで過去に比べれば落ち込んでるとはいえ全社支えられてるのですごいことだと思いますね。
アタックゼロは社運を賭けて勝負して勝ったので、他がほとんど死んでも何とか耐えた感じでこっから反撃のターンと言った感じに思えますね。

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