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エッセンシャル思考〜働き方改革→生き方改革〜

本当に重要なことだけを やると決めてから、仕事の質は目に見えて改善された。あらゆる方向に1ミリずつ進むのをやめて、これと決めた方向に全力疾走できるようになったからだ。
                       グレッグ・マキューン
エッセンシャル思考(かんき出版) グレッグ・マキューン


「エッセンシャル」という言葉、半分日本語になっているような、なっていないようなというポジション取りをしていますよね。Essentialを辞書を引くと

『欠くことのできない、必須の、非常に重要な、本質的な』と和訳できます。

エッセンシャル思考とは、本質的な仕事かどうかを見極め、本質だけを『選ぶ』ことを選ぶ思考のことを指します。そしてその精選から漏れた仕事は、それなりの及第点で良しとするか、可能であればスクラップします。

 学校には、仕事が無数にあります。しかし時間や教師の体力的、精神的エネルギーは有限です。その全ての仕事に仕事のエネルギーを全力でぶつけていたら、遅かれ早かれ破綻します。そうなると、仕事の成果も目減りしていくでしょう。そうではなく、その有限な時間やエネルギーをぶつける対象となる仕事を『より少なく、しかしより良く』という意識のもと、働くという思考にスイッチしていく必要があります。

 自分自身、校務分掌が一番キツかった時期(体育主任兼特活主任)にエッセンシャル思考を持ち合わせておらず、膨大な提案文章づくりや行事の計画実施を必死で全てより良いものにしていこうと毎日遅くまで残業してやっていました。当然、自分自身が疲弊していく一方で成果は上がりません。そして『こんなに残業して頑張っているのだから・・・』と、その本質の対岸である量的な頑張りを免罪符にし、成果が出ないことに言い訳をしていたと今は感じます。


全ての仕事を手あたり次第より良いものにしていこうとするスタイルは持続不可能です。『頑張る』というコマンドは手段であり目的ではありません。目的は子どもにとってより良い学びや経験の場を作ることです。それに繋がる本質的な仕事を『選ぶ』ことを選ぶことで、子どもも教師もハッピーになれる道筋が見えてくるはずです。

働き方改革とは、すなわち生き方改革です。エッセンシャル思考でも取り上げられているアメリカの女性詩人「メアリー・オリバー」の有名な詩に、こんな問いかけがあります。

「教えてください、あなたは何をするのですか?その激しくかけがいのない一度きりの人生で」


本質的な仕事を選び、エッセンシャル思考で働くことで、人生は豊かなものになっていくはずです。