9/29自由連句(ふらくた連句)「猿茸」の巻
ふらくた連句というのは、捌きのないツイッター上の連句を行なうには、複数の付句をともに活かす方法が必要だと考えてつくられた方式です。過去には、分岐したらその前の句を発句として1からスタートする、というのもありました。最前の付句でなくてもよいので、理論上永遠に連句することが可能です。で、今日は12句なのに8分岐となりました。すごい。
「猿茸」の巻
1 猿茸(ましらたけ)マイペースはひとたび孤独 てるや
|2 窓辺の椅子は猫に譲りき たみか
|3 駆け込みで裏切り者が乗車する よう
|4 新幹線にモガと名をつけ だいすけ
|5 富士山の右側の線の先で待つ てるや
|月 火口に月を吸い込ませつつ 朱夏
|7 竹の春にて大空を突く よう
|8 号砲が鳴って祭りと思い出す朝 たみか
|9 タイムマシンで自分が来ない だいすけ
|10 部屋中に青いロボット押し寄せる よう
|11 切手をさがす白鵬の群れ だいすけ
|12 牛タンを抜いた牛たちの群れ てるや
|
2 見ざる言わざる聞かざる連れて よう
3 伯爵がただ逃げてゆく夜の火事 だいすけ
4 見てて表情筋の痙攣 朱夏
5 ダンベルを連れてお散歩日和だね よう
||月 このまま今日は月まで行こう 朱夏
||7 背泳ぎの手がいちいち体に当たる てるや
||8 生の阿修羅をいれる水槽 だいすけ
||9 千億の夜が寄せては打ち返す よう
||10 コーラ比べる百億の昼 だいすけ
||花 ギムナジウムで薔薇の紅茶を よう
||12 嫉妬さえあの眼差しに氷解してゆく てるや
||
|6 飼い犬の名しか知らぬ知り合い たみか
|7 仮面なく舞踏せぬ仮面舞踏会 てるや
|8 アルバトロスは今日も遅刻で よう
|9 まだやってますかカランコロンやさし 朱夏
|10 一年中頼めるかき氷 たみか
|恋 恋人がべたべたシロップの真夏 てるや
||12 ハワイ旅行を当てる福引き よう
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|月 月光にてらてら光る指 たみか
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6 現象学の上の朝から だいすけ
|7 気がつけば冷やし中華は終わってて たみか
|8 おでんロケット月まで飛ばす よう
|9 出汁 対 醤油の宇宙戦争 てるや
|10 昆虫をヨーダが食べる惑星に だいすけ
|11 てんとう虫がマツケンサンバ踊り出す たみか
|12 赤青黄色の手旗信号 朱夏
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7 突風が遅読のわれを追いこして てるや
花 あれよあれよと花を散らしぬ 朱夏
恋 カウチポテトのわれをも泣かす悲恋もの てるや
|月 月見バーガースマイル添えを よう
|恋 恋人がフラワーショップで買うススキ たみか
|12 こちょこちょされるまで眠れ姫 てるや
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10 国境越ゆる稲川淳二 だいすけ
|11 日時計に理想化されたユートピア 朱夏
|12 すべての歌に夏が終わらず だいすけ
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月 階段の影が浮かばぬ月の夜 よう
12 きみはスカートゆらして降りる たみか
寿々多実果さんの挙げ句月のべたべた→てらてらもいいですが、てんとう虫のサンバじゃないのも心憎い。
川合大祐さんの、伯爵句も好きですが、生阿修羅は笑ってしまいました。飼いたい。
袴田朱夏さんの赤青黄色はチューリップやろがい! と思わせて生真面目な手旗信号でした。
あと、カランコロンの句は不思議なバランスがあっていい句と思います。
海月漂さんは、竹の春で渋い描写をしつつ、おでんロケットというかっ飛んだ造語をしつつ、かき氷→シロップ→でブルーハワイと引き当てているのが安定感ありましたね。
あと、月見バーガーは食べたくなるからやめい。
それぞれ連によって世界観ができていて面白いので、また忘れたころに読み返したい連句となりました。みなさん、おつかれさまでした。
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