9/13自由連句「稲掛や」の巻

詩歌のカテゴリに四季があるのは、それが体感的な「あるある」だからであり、季語もまた、その体感を呼び覚ます装置であったはずだ。しかし現在の季語のどれほどが、辞書的なものになっているだろう。それでも減らすばかりになる議論は、したくないだろうしなあ。

  「稲掛や」の巻
1 稲掛けや手紙は去って一度きり  てるや
2 骨董市に吹くつむじ風  朱夏
3 史的美的、結局希少価値の勝ち  てるや
4 おばあの御嶽(うたき)も世界遺産に  てるや
月 月仰ぐモアイが語る鳥のこと  よう
6 千年前の流星のこと  たみか

7 金木犀あなたは夜に向いている  朱夏
8 ありありとルミノール反応  てるや
9 衣笠は今日も出場するだろう  てるや
10 サモハンキンポーにも死亡説  てるや
花 花散って世界の全て埋め尽くす  よう
12 爆破予告のような求婚  朱夏

海月漂さん、寿々多実果さんの5句6句のリフレインは詩だなあ(全部詩だよ!)。
袴田朱夏さんの挙げ句は、なんかうまくいくような求婚のような気がする。

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