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秋山の黄葉(もみち)あはれびうらぶれて入りにし妹は待てど来まさず(7-1409) 秋山 黄葉[可]怜 浦觸而 入西妹者 待不来 けさのまにえふ。「秋山の黄葉のあわれに魅せられて心もしおれて入っていった妻は、待っていても帰ってこない」 挽歌。秋頃に亡くなった妻をなげく歌です。上代日本には山中他界観というのがあって、死者は山に、その里の山に棲むんですよね。 だから地方には「たまよばい」と言って、亡くなったらすぐ子供が屋根に登って、おーいおーいと引き止めようとする風習も
生ける世に吾(われ)はいまだ見ず言絶(ことた)えてかくおもしろく縫へる袋は(4-746大伴家持) 生有代尓 吾者未見 事絶而 如是{可}怜 縫流嚢者 けさのまにえふ。「今まで生きてきたなかでこんなステキな袋見たことないですよ」 家持さんが坂上郎女の娘からの贈り物を喜ぶ歌。坂上郎女さんは大伴三依さんから「久しぶりにあったら若くなってるやん!」と言われた人で、その三依さんは家持の大叔父、に当たるのかな。 家持さんはこの郎女さんの長女を妻にするんだよね。 一読すると「こ