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Grade 9: Spring Break - Farewell Party

4月1日 土曜日
沈黙の3日を経て日付は4月に突入した。
この日はNくんの送別会。日本帰国に向けて母校を離れ現地にある日本人学校に転入するからだった。
ずっと前から、MoyashiとTちゃんと作戦を練ってきてた。
学校中を駆け回って用意した色紙を渡したらNくん泣くかな?wとTちゃんがワクワクしてた。

何度か話が振り出しに戻ったりと大変だったけど、結果予定通りMoyashiの家で集まれることになり、広々としたリビングでみんなそれぞれ座ってた。
前日にはTちゃんの家でこの日持って行くためのケーキを焼いた。
日にち、誰を呼ぶか、どこでやるか、他は何をするかの調整全てに私が主導権を握ってEくんから連絡が来ない侘しさを全てこの送別会に注いだ。
苛立ちをEくんに覚えていたことだけ、しっかり覚えてる。

Moyashi家が当時飼っていたわんちゃん
ソファに座って女子たちとこのわんちゃんと遊ぶ動画が残っている。

この時、ずっと連絡のなかったEくんから突然電話がかかってくる。
急に電話してきてなに?そう思った気がする。
怯ませてやろうとぶっきらぼうに電話を出た。意地悪だから誰?って言ったような気もする。

「Sarryちゃん今日暇?」
いつも自分が暇な時や見たい映画があるときにだけ電話してくる。その手には乗らないんだから。
「え?あーEくんか!」
わざと画面が見えてなかったみたいに振る舞った。
「え?あ、うん。今MarioくんとSugarちゃんとおって映画みようかなって言ってるねんけどー暇?」
「今送別会でMoyashiの家にいるから行けないー」
「あ、そっかそっか今日か。そんならまたー。
Sarryちゃん、大人っぽくなったな!w」
一体どういう意味で言われたのかはこの時はわからなかった。
Eくんは私よりいつも一枚上手。


その後みんなでカラオケに行った。
Hageがあとから合流してきたけど、Moyashiとマッチョから無視をされたりしていてとても居心地悪そうにしていた。
いつもコンタクトレンズのHageがメガネをかけていて、一言も発さず可哀想だった。
私に喋ろうとするのを阻止するためにマッチョとMoyashiが私の隣側に座ってきた。

こんな状況でもちゃんとNくんのために顔を出したHageはすごかったと今は思う。


帰宅後、MSNでオンラインになるとKuriから話しかけられた。「何か僕に言いたいことがあったらすぐに言ってね」と言われた。

以前どこかの記事でもこのやり取りを載せた気がするけど見つけられない


Iちゃんと話していて、去年(ミドルスクール)の時と比べて僕って悪い方向に変わった?と質問を投げかけた際、去年より意地悪になったと言われてしまったらしい。
良い変化はどうでもいいから悪いとこを教えて欲しいと迫られた。
この当時Kuriから毎日メッセージからMSNと連絡が来ていて、ゲンナリしていた。
私は「個人的なことについて質問しすぎだと思う」と素直に伝えてしまった。毎日、今何してるの?最近Eとはどう?なんで出かけないの?最近なんかテンション低くない?どうしたの?質問責めでまたKuriは私のことを気になってるのかもしれないと気づいていた。

そっか。Iみたいになってるってことか。
彼女には言わないで。お願い
わかった。
ごめん
個人的なことだったかもしれないこと聞いちゃって。
親しみやすくしようと思ってごめん

Kuriは見るからに傷ついていた。
もう喋りかけてくることがなくなってしまうかもしれない。そう懸念して、「ぶっきらぼうになれってことじゃないよ」と言った。
「わかってる。ちょっと一瞬だけemo※になっちゃっただけ」とKuri。

Emo(エモ)は音楽ジャンルにもあるけど、現代日本語でいう「メンヘラ」や「病みキャラ」に近いとおもう。
メンタルの不調を訴え、自殺を仄めかして気を引くタイプの人。
音楽で言うとGreen Day、My Chemical RomanceやAvril Lavigne、Paramoreのあたりがエモバンドでありエモファッションをしていたと言えると思う。

この時点でKuriとの付き合いは3年。
やつのことはよくわかってた。あえて、このエモに当てはまるSちゃんの名前を出した。
Kuriの気を逸らすために。

Sみたいにはなっちゃダメだよ
K: 笑
Sはビッチだ

過程はどうであれ、結果としては成功した。
Kuriはいつもの明るいテンションのKuriに戻り、世間話をしてこの日の会話は終わった。



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