Side Story: A nemesis friend
Fちゃんとの友情がどうでもいい人に成り下がった一連の事件で思い出したことがある。
そういえばもう1人、中学校の進学を機にインターに行った時点で友人から敵に変わった人物がいた。
ここで恐らく一度も登場してない子。
名前は仮に夢ちゃんにしてみよう。
夢ちゃんとは現地にある日本人小学校が同じだった。
私が現地に引っ越した小学生低学年のとき、1年生からすでに彼女はその小学校に通っていて、もしかしたら私の知ってる中で一番長くあの国に住んでた子だったかもしれない。
小学校1、2年の頃は日本人赴任者が相当数いて、子供の数も多かったので現地校でもないのに1学年に10クラスもあったらしい。
私がちょうど転入した時は小学校のキャンパスも分かれ、クラスの数もぐっと半分以下に減った頃だった。
当時同じコンドミニアム(コンド)に住んでいて(学校の区間内なのでたくさん同じ学校に通う子たちが住んでいた)、出会った当初は古株の1人で同じコンドに住む日本人の同世代の子達数人とよく遊んでた。
小学校に転入してから、卒業するまで、ずっと同じクラスだった。みんな割とクラスの入れ替わりがあるのに。
卒業までの間に、別のクラスにいる子と放課後の習い事をきっかけで仲良くなった。コンドミニアムも一緒だったのでよく夢ちゃんと交えて遊んでたとおもう。
仲良くなりすぎて、同じ場所にいると必ず一緒に固まってて、保護者から必ず双子に間違えられてた。
っと、そんな話は余談だった。
学年が上がるにつれて私も環境に慣れて友達の輪を広げる。大人数の仲良しグループの中に、みんな均等に仲良くするのが好きだった。
かたや夢ちゃんはどちらかというと多分同じ人とずっと一緒にいるのが好きで、大きなグループで行動するのは苦手なようだった。
きっと年頃の小学5、6年の頃。
「双子の片割れ」を通して私の当時のニックネームで私を呼んでくれる人が増えた。
廊下で隣の学級委員長タイプの子とすれ違った時、「あ、Sarryと夢さんおはよ〜〜」と声をかけられた。
どういう名前で呼ばれたかは覚えてないけど、私の名前が先に呼ばれた。
その子が立ち去ったあと、夢ちゃんはぼそっと「私の方が◯◯だったのにSarryちゃんの名前が先に呼ばれた」と文句を言われた。
私の方が先に歩いてたのに、だったか私の方が先に話したのに、だったか。とにかく小学生でもくだらねーと思うレベルのことだった。
こんな調子でだんだん違和感を感じることが多かった。
夢ちゃんも多分同じだったんだと思う。
小学校6年で一緒に過ごすグループが一気に増え、だんだん夢ちゃんとは離れることが多くなった。
夢ちゃんは相変わらずおとなしくて、今でいう少しオタクっぽいかんじで、私はみんなであだ名で呼び合い男の子たちと話すのも好きだった。
どちらかというと私のほうが仲のいいそのグループで、徐々に夢ちゃんって「微妙だよね」という雰囲気になってしまった。
土日に遊ぶ約束をしても夢ちゃんを外そうと企むし、委員会を決めるのも夢ちゃんは入れないように仕向けた。
周りの女の子からも、「どうしてSarryちゃんって夢ちゃんと仲良いの?」と聞かれることもあった。
リーダー格の子が明らかに無視をしたりハブにしたりしだすとそれに続くようにみんな便乗した。
私も、今までモヤモヤしていた夢ちゃんのことを明らかにしてその流れに乗った。
夢ちゃんと決別してクラスで目立つ男女と仲良くなれたことも嬉しかった。
ここまでだと夢ちゃんが私を恨むのは当たり前のことのように思うと思うけど、この話には続きがあるのだ。
なぜ私が夢ちゃんイジメに加担したのか。
私が夢ちゃんの陰口を他人に言うことにした理由。
確か小学6年の時に転入してきた女の子Sがいた。
Sは色白で、ストレートの髪の毛、小柄でとてもフェミニンな見た目な裏腹、なんだかヤンキーぶってる子でよく男子に睨みをきかせてた。
スカートを履くのを嫌がりブリブリした女子を心底嫌ってた。
何かをきっかけにこのSが私と夢ちゃんの間に入ってくるようになる。そして、いつからかSを通して「夢ちゃんがSarryちゃんのことうざいって言ってたよ」といったような「悪口」を聞かされる。
それを聞いても私は何も言わなくって、とてもつまらなそうな顔をSはしていたな。
けど、あまりにもそんなことが続くので私は最終的に屈した。
そんなこんなで大勢の味方を私はつけ、夢ちゃんと離別した。
夢ちゃんはクラスでおとなしい子たちと一緒にいることが多くなった。この時期は夢ちゃんにとって苦しいものだったろうと思う。
だけど、夢ちゃんが先生に助けを求めた時点で表面上は解決する。
私は別に夢ちゃんと話がしたくないくらいに嫌ってたわけでもないし、普通に話をしていたし、いじめの時期があった時だって普通に接していた。
たぶんまた仲良くなった私たちを妬んで、夢ちゃんから、Sが私が夢ちゃんの悪口を言っていたと聞いた。と教えてもらった。私も夢ちゃんが私の悪口を言っていたと聞いてたと話した。
Sが全て仕組んだことだったことが判明して、次はSが居場所を失いみんなバラバラのグループで事は落ち着いた。(リーダー格の子と夢ちゃんは根本的に性格が合わず、他の子もIちゃんとは仲良くなれなかったので自然と離れていった)
話が少し逸れたような気もするけど、
中学では別々の学校に進学するというのも訣別にちょうどいいタイミングだったとおもう。
中学は本帰国する家庭が多いので小学校の時に分校キャンパスにいた子達も合併してくる。日本でいう違う区間の知らない子達の感覚。
やっと離れられて新しい友達作ることに私も、たぶん夢ちゃんだってワクワクしていた。
インター校にいっても私は仲の良かった子とはちょこちょこ誘われては家に遊びにいったりしていた。
だからこそ、夢ちゃんが中学生になってから私のことを一ミリも知らない子たちに私のフルネームを教え、「Sarryってしってる?あの子って◯◯なんだよ」と悪口を言いふらしていることを同じ小学校を卒業した共通の友達2、3人から聞かされたことがある。
「みんなスルーしてるけどね」とのことだった。
私のことを知っている人に言うならまだしも、存在すら知らない人にあることないこと吹聴させてるのは意味が全く持ってわからないし、何の恨みを爆発させてるのかも理解ができなかった。
インターの母校に私は私で同じことを仕返しすることもできたけど、かなり無意味でどうでも良かった。(だけどそういえばEくんには、夢ちゃんのことを好きになってほしくなくて夢ちゃんのこと話しちゃったな、悪口言われてるんだーとかはいってなかったけど)
だけど何故か高校進学のタイミングで夢ちゃんはインターに進学することを決める。
しかも何故か私の通っている母校に。
どこかしらの情報で夢ちゃんは私がその学校に通っていることを知っていて、小学校が同じだったNくんと私がいると心強いと思ってそこに決めたのだろうと思う。
未だお互い同じコンドに住んでた私たちは偶然か必然か、なぜだかエレベーター前で出会い声をかけられる。
小学校を卒業してから既に4年が経った頃だ。
「Sarryちゃん今までごめんね、わたしも3月から同じ学校に通うことにしたんだ。だからよろしくね、いろいろ教えてね」
ミドルスクールを終え、EくんとHageとの修羅場も、Fちゃんとの修羅場もとっくに通過している私は母校の中でも古株的なポジションだったので意地もあった。
渾身の笑みで、「なんのこと?いろいろ、って何?☺️」と返した。
言葉に詰まった夢ちゃんは「いろいろって…色々さ、言ったりさ」などというのでエレベーターにさっと乗り込み「そうなんだ☺️噂に聞いてた悪口ってことかな?☺️こっちも色々忙しいからどうだろ、学校で会えたらいいねー☺️」とそんなニュアンスで伝え夢ちゃんにはバイバイも言わず家に颯爽と帰ったことがある。
日本の学校の新学期、Eくんと初めて別れたあと〜ヨリを戻した頃に夢ちゃんは宣言通り転入してきた。
母校でいう3月は学年末近くで、もう友達の輪も完成されているし生徒の出入りが多すぎて誰も新入生なんか気にも留めない。
同じ学年の日本人男子だって特に気にも留めてなかったように思う。
私も例によって友達関係が忙しくて構う暇もなかったし、英語のレベル分けも異なるので共通の授業はほぼなかったように思う。
インターはみんなで楽しくくワイワイ遊んでるものだと思っていたのに、蓋を開ければ宿題ばっかりでなかなか大変で、積極性がないと構ってももらえない。思ってたよりシビアな環境に「思ってたんと違う」といって彼女は1ヶ月もしないくらいで受験して日系の高校へ編入してしまった。(それもそれで頭の良さはすごいのだけど)
新しい学校での私という存在を見てもらい、優しさで恩を売り、また日本人学校の環境に戻った夢ちゃんには私の悪口を言いづらい心境に持って行かせる。完璧な復讐劇を完成させたことは私の中で誇りに思っていいことだとおもう。
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