秋風に誘われて蚤の市

 20年来の友人がお出かけに誘ってくれたのは一か月前。
  出不精な私はなかなか腰が重い。
 なのに、その友人は何度も何度も誘ってくれる唯一の人だ。
  赤坂の蚤の市、ということで、とてもワクワクして二つ返事で承諾したのだが、ここで私の悪い癖。面倒くさくなってしまうのだ。
  どんなに楽しみにしていたライブの前日も、そんな気持ちになってしまう。
  でも行くとやっぱり楽しくて、行ってよかったと思うんだけど。
  今回も同じ。また鬱々してた。
  そして朝起きたら、とても良い天気。
  それに、秋風が気持ちがいい。
  こんな日に行かなければ、他どんな日があるんだ。
  とてもおしゃれな彼女に合わせる為に、とびきり素敵な格好をして行こう。きっと褒めてくれるはずだ。
   そして。
   結果。楽しかったのだ。
   話が面白い彼女と話すのはとても刺激的だった。
   蚤の市では収穫は無かったけれど、やっぱり彼女に会えてよかった。
   やっぱりこういうこと、大事にしなければなぁ。
   今度は私から誘おう。