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ミニハープの構え方

最近、様々な方の演奏動画を見ていると、おそらく独学の方だと思いますが、間違った構え方をしているのをよく見るので、何か参考になればと思い、まとめてみます。間違った姿勢だと、音にも影響する上、疲れやすくなったり、体を痛めたりと、長時間演奏(練習)できない原因にもなります。みなさんのハープライフがより良いものになりますように。

1.椅子の座り方

どの楽器もそうですが、座り方(立ち方)は大事です。憧れている演奏者のスタイルをマネしたい気持ちはよくわかりますが、基本が身について、自然とその態勢ができるようになってから、取り入れた方が、近道です。

演奏姿勢については、最近、『フォースタンス』という理論もあり、人それぞれ4パターンに分かれた、効率よく力を発揮できる姿勢があるそうです。私も講習を受けましたがとても興味深かったです。その内容は、私は専門ではないので、専門の方の記事を見るなどしてください。その根っこの基本となる部分で話を進めたいと思います。

初心者の方に「椅子に座ってください」というと、深く腰掛ける方が多いです。背もたれまでもたれかかってしまうと、姿勢を支える方に筋力を使ってしまいます。それでは、全ての力を楽器に伝えるのは難しくなります。

まず、椅子の前半分~2/3ぐらいの位置にお尻を乗せ、骨盤を立てるように座ります。深く座った時と比べるとわかりやすいと思いますが、足の裏に圧力を感じませんか?その状態の方が、体の機能を使いやすく楽器にも力を伝えやすいです。骨盤の上にまっすぐ、しっかりと上半身が乗っていれば体重を支えてくれて、体にとって、一番楽な姿勢になります。もし、すぐ猫背になってしまう方は、その座り方に慣れていないだけなので、普段からその姿勢でいる時間を増やしてみましょう。その姿勢を保つことで、必要な筋力も付きます。

2.ハープは傾けた状態が正常

ハープを床に置いてみると、向こう側に斜めになっていませんか?これは、傾けた状態で、床から垂直(下の動画の撮影後にハープメーカーさんは「まっすぐより自分側に倒れるぐらいがベスト」と仰ってました)になるように設計されています。大きなハープも傾けて演奏されているのをご覧になることがあると思います。最初に書きました「間違った構え方」の多くは、ここです。膝の上に底の面が全て付くように置くのは間違っています。この構え方だと、向こう側に倒れそうになり、腕で押さえなければならず、腕が思うように動かせずに、演奏にも集中できません。

3.構えてみよう

では、どのように構えるかですが、まず、目標とするのは、両手を離しても安定することです。演奏中に右の腕で少し触る程度に楽器と腕を固定することはありますが、基本は、腕を自由に動かすためにも、両手を離しても安定する状態にします。

両膝に乗せますので、正しい座り方をして、膝は閉じた状態にします。膝のももに近い位置に骨の出っ張りがあると思います。そこにハープの底の面の自分側の辺(へん)が当たるようにします。下の動画のサムネをご参考ください。

右の肩に乗せますが、自分の姿勢がまっすぐな状態から、ハープの角度を変えて肩に乗せます。ハープをまっすぐに置いたままですと、姿勢が腰から曲がり、疲れやすくなります。肩の鎖骨の上ではなく、隣に平らな部分があると思うので、そこに乗せます。鎖骨に置くと不安定になります。傾ける加減は、弦が床から垂直ぐらいです。傾けすぎると重くなるし、傾けていないと向こう側に倒れそうになりますので、その中間のバランスのよいところを探します。ハープを傾けつつ、自分も少し迎えに行ってあげるとバランスがとりやすくなります。前かがみになりすぎないように注意しましょう。その状態で、ハープが左右に不安定に感じる場合、地面についている足を前後にずらすなどして(右足を前に左足を後ろにすると左ひざが下がって安定すると思います)膝の高さを調整するとよいと思います。滑り落ちそうな場合は、滑り止めマットなどを目立たない大きさにカットして、ひくと良いです。

さぁ、両手を離してみましょう。

いかがでしょうか?不安定な場合は、もう一度、一つずつ確認してみてください。

動画では、青山ハープのスタンドを使った構え方も紹介しています。

腕は、手首を曲げず構えます。低音・中音域で構える手の形が自然な形ですので(手の形については、「はじくということ」の動画・note記事をご参考ください)、高音域に移動してもその形を保つことが重要です。右手は、高音域に行く時、肘と肩を後ろに引くようにして、その際も手首は曲げず、同じ形が保たれているか確認します。左腕は、高音域に行く時、手の形が保たれる程度に手首を横向きに曲げるようにします。

最初は足に楽器が食い込んで痛いこともあると思いますが、ストールのようなものや、滑り止めマットなどをひいてみてください。どうしても痛い場合は、足の間に丸椅子を置いてその上に置くなど工夫してみてください。

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。動画も合わせてご参考ください。


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