きゃおすっっ。゜☆

朝10時半

独特な街の匂い。大きな通りには三車線ある。
歩道でママチャリは爆速で歩く人を駆け抜けながら、後部座席に乗る子に話しかける母。
金木犀の香りが、ふわっと漂う。

とくにこの日は、祭りでもない。しかしながら辺り一帯は、祭りの屋台の雰囲気が醸し出されている。
空っぽになった店内、ふぐの看板だけが掲げられている。
くいだおれ人形は笑って太鼓のリズムを寸分狂わず刻む。
派手な色の観覧車は、一体どのくらい止まっているのか動くことはあるのか…。
人々はまるで、そこへ軌道があるかのごとく、なんとも言えぬ表情で馬券売り場へ向かう。
ガンジス川を思わす川には、フェリーで観光する人々が乗っていた。巨大な黄色いアヒル。

ひっかけ橋の愛称で人々に親しまれている場所には、太腿丈のパンツを履いた警官のコスチュームを着た人。肌の大半が露わな赤いサテンの服を着た双子。黒いマントの吸血鬼。ハロウィンの衣装を着た若者たち。「写真撮ろうか?」と声をかけられ、はにかむ人。宛のあるようなないような、今し方この通りで出会ったであろう、人々は、ワイワイがやがやと、集っている。

同じ通りには屋台兼店舗となった、たこ焼き屋が等間隔ぐらいに10軒ほど連ねていて、たこ焼き激戦区となっている。
お酒の余韻に浸る三人組は射的の屋台に、手を、パチパチ叩いて笑い声を響かせている。そもそも、商店街に射的が常にある日常…。

名物プリン、プリンアラモード、ナポリタン、ピラフ、パフェ…昔ながらの純喫茶。「オムライスセットっちゅうやつ?それ一つ頂戴。セットの珈琲のタイミングは、欲しいときにまた言うわ。」おっちゃん、ナイス!
「金を積むより、徳を積め」、「一日一日、人生」格言並ぶ親子で営むグリル。
「ここここここここ!」バギーを押しながら家族に誇らしげに案内する人。その先を覗けば二人の職人さんが目の前で握るカウンター寿司屋だった。
喧騒から、ほっと落ち着く場所。どこか、懐かしい。

この土地、人々によって全体が活力みなぎっていた。

忖度なく、正直に、素直。
時に溺れたりもして。

強く
たくましく
うつくしい

そう、感じた。


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