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混沌

指の間からほろほろとこぼれ落ちてく。
手のひらに残るのは、溢れそうな私の混沌だけ。
捕まえても捕まえてもどこかに行ってしまいそうな気がして。
何度も何度も
泣きながら
捕まえていたいと
叫び
手で受けようとするのに

私は疲れてしまって
泣きたいのに涙もでない
もう掴むことも探すことも拒まれてることを黙って見ているしかない。

私が捕まえていたかったのは
「ワタシ」
私が私でいることを忘れてしまいそうで
私が私だということも忘れてしまいそうで

本当は
私なんてはじめからなかったのに
私なんてもの、私は何にもわかってなかったのに

そう思えた時
はじめて私は私の手のひらに留まり
小さく小さく輝きはじめた

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