薬を抜く。

僕は東京ではサラリーマンしてたけど、極端に利益利益の会社に長くいたからそれに触発されてかエラくなりたいとか稼ぎたいって気持ちはやっぱりあった。反面、資本主義もういいかなーってのもあった。その辺、どれか一つじゃなくてごちゃごちゃ。年齢とともに環境も変わり結局はそういう活躍の場をどうしても自分で見つけることができずになんとなく小豆島に来たんだけど、初めのうちは都落ち感もあった。数年はあったような気がする。

けど、今は抜けた。それは島でのいろんな人たちとの関わりや経験によるところが大きい。自分一人じゃ、到底無理だった。今は今の生活が悪くないよねとわだかまりなく言える。

僕は覚醒剤とかしたことないけど、都落ち感を感じてた数年は、例えるなら薬を抜いててしんどい時期みたいな感じなのかな。それでまた薬に戻る人もいるし、そこを頑張ればきちんと薬を断てる人もいる。

どちらが良いとか悪いの話じゃなく、僕みたいにまだまだあんまし人間もできてなくて欲まみれで都会で働いてた人で、そこから全く関係のない田舎に移住するような人がいれば、移住後、すぐに判断するのではなく、数年住んでみて決めても遅くはないんじゃないかなと思う。

今振り返れば、一年やそこらじゃ全くわかってなかったなと思うので。一年やそこらじゃセンパイにも出会うこともなかったし。

思えばなんだって時間はかかってる。地元が良いと思えるのもそこにたくさんの時間がかかってるから。東京だってたかだか一年くらいで去ったのではたくさんの経験もすることがなかったわけで、やっぱり時間はかかってる。

人生は有限、時間がもったいないと、次から次に動くことで得られるものも多いけど、当たり前だけど失っているものもあるってことだ。

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