エッセイストなんて職業のひとはいない【創作のための仕事論(1)】
「エッセイストなんて職業のひとは、いません」
この言葉を聞いたとき、わたしは大学生でした。
言ったのは現役作家の教授で、確かエッセイに関する講義中だったと思います。
当時、わたしは特にエッセイストという職業について考えたこともなければ、そもそもエッセイというものがなんなのかもあまりよく解っていませんでした。
あれから随分時間も経ち、世の中におけるエッセイの立ち位置みたいなものもかなり変わったと思いますが、それでもこのとき聞いたことは今でも、
「まあ、たぶんそうだよね」