前立腺とEDの関係
欧米7カ国の地域住民1万人を対象とした調査によると、下部尿路症状がEDを引き起こす危険度は糖尿病の約2倍でした。これには、骨盤内の虚血(局所的な貧血)が関係していると考えられています。
下部尿路症状の原因の1つでもある前立腺肥大症を治療すると、勃起機能が改善することが明らかにされています。治療には、薬物療法や手術が有効で、回復した勃起機能をより確かなものにするためには、シアリス、バイアグラ、レビトラなどのED治療薬が役立ちます。
前立腺肥大や前立腺がんが疑われたときの診断には、直腸内を指で確かめる直腸内指診が欠かせません。直腸内指診は、肛門から直腸内に指を挿入し、前立腺に直接触れて形や硬さ、大きさなどを判断するために行われます。
前立腺がんなどで、手術をする場合には、前立腺の近くを通る、勃起に関係する神経を傷つけないように細心の注意が払われます。
最近は、術後に勃起障害を残さないよう、勃起に関係する神経をできるだけ温存する方法がとられています。前立腺は、そこを刺激することで、射精を促すことがあるほど、勃起に深く関わる場所でもあるからです。
前立腺のこうした特徴を性生活に取り入れようという考え方で行われているのが「前立腺マッサージ」です。
ですが、実際に体内に指を入れるので、滅菌したメディカルグローブを使うなど、衛生面には細心の注意が必要なため、おすすめはできません。
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