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今さら聞けない ERPとは?ERPを学ぶべき?

企業のビジネス活動において今や必須になりつつある「ERP」
本日は、ビジネスシーンでよく耳にするもののいまいち意味がわからない「ERP」について解説します。

*この記事はSAPの技術的なバックグラウンドをお持ちでない方のために作成されています。

1.ERPとは?

ERPとは、Enterprise Resource Planningの略で、「企業の資源計画」という意味です。具体的には企業の持つ「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」を一元管理し、企業の経営のために有効活用するというようなイメージです。

Wikipediaでは以下のように定義されています。
”企業資源計画(きぎょうしげんけいかく、Enterprise Resource Planning)は、企業全体を経営資源の有効活用の観点から統合的に管理し、経営の効率化を図るための手法・概念のこと。ERPと略称される。これを実現するための統合型(業務横断型)ソフトウェア(統合基幹業務システム)を「ERPパッケージ」と呼ぶ。”
参照URL

もう少し簡単に説明すると、ERPとは日々の企業活動に欠かせない業務(製造、調達、会計、人事など)を包括的に管理するためのシステムのことで、これをバラバラのシステムではなく、ひとつの大きなシステムで全てカバーしようという考えで開発されたソフトウェア・パッケージのことです。
代表的なものとしてはSAP、Orcle、MicrosoftのDynamicsなどが挙げられます。

2.ERPを導入するメリット

システムが業務ごとにバラバラだと、例えば下記のようなデメリットが考えられます。
1.システムAとBので似た情報を管理している、または情報が重複し2重管理になっている。情報更新のタイミングがシステム間でズレていて、どちらの情報が正しいか分からない。
2.個々人が自分のパソコンに情報を持っていて共有されていない。エクセルの情報がフォルダに山積みされていて、必要な情報がどこに何があるのかわからない。

ERPは上記のような混乱を解消するために導入されます。
ERPを導入すると、情報が一元管理されます。
つまり、経理担当も営業担当も同じデータを使って仕事ができるようになり、認識のズレがなくなります。
また、情報が一か所に集約されることで、いちいち複数システムからデータをかき集める必要もなくなり、レポートの作成工数等の削減も期待できます。
よりタイムリーな情報で正確なレポートを作成することができれば、マネジメント層の経営判断スピードも改善されます。

以上のようにERPを導入することで得られるメリットは計り知れません。

3.ERPの歴史

ERPの歴史は古く、100年以上前に遡ります。

企業でビジネスにコンピューターが利用されるようになったのは、1960年代のことです。当初は基幹業務用の大型コンピューターである「メインフレーム」が大企業を中心に導入されました。

メインフレームは企業の基幹業務と呼ばれる分野で使用され、受発注業務、販売管理、在庫管理、財務会計などに関する定型的な情報処理をコンピューターが行うようになります。
しかし、メインフレームによる業務処理システムはそれぞれの部門ごと、業務内容ごとに異なる設計で作られていたため、システム同士のデータを突き合わせることや連携させること、システムは相互接続を円滑に行うことが困難でした。

そこでERPが誕生します。分散化された基幹システムを統一された一つのシステムとして作り上げることで、データを一元管理するというのがその目的でした。

世界最初のERPは、1973年にドイツに本社を持つSAP社がリリースした「R/1」です。
ERPが日本に入ってきたのはR/1誕生から遅れること約20年、1992年のことです。

ちなみに、ERPの概念は、生産管理の手法である「MRP(Material Resource Planning)」が起源になっているといわれています。MRPは「資材所要量計画」と訳され、在庫に注目して生産計画を立てる管理手法のことです。

そして2010年代には日本の国産ERPも誕生し、大企業だけでなく中小の企業もERPの導入を進めます。

2010年代後半に入ってからは「クラウド」の台頭もあり、ERPの普及は大きく進みます。現在ではERPを導入するために自社専用のオンプレミス環境を用意する必要もなくなり、低コストでスピーディーにERPを活用できる環境が整い、必要とあれば多くの企業がいつでもERPを導入できるような時代になりました。

4.なぜ今ERPを学ぶべきなのか?

これから社会人になる皆さん、もしくは新しく今の勤務先でERPシステムを使い始めた皆さん、ERPの重要性についてご理解いただけましたでしょうか?
企業が日々の業務をこなす中で、もはやERPは必要不可欠です。
大企業にお勤めの方であれば、もしかすると理解せずとも既にERPをお使いになられていた方も多いのではないでしょうか。

ERPはこれからも伸び続ける分野です。最近ではERPのクラウド化が進み、導入のハードルが下がる一方で、AIやIOTとの連携によりシステムの利便性が格段と上がってきています。
また最近では、コロナの影響により人員削減を検討する企業も増えてきています。ERPは仕事の効率性を改善し、人件費を含むコスト削減を実現するためのツールともなり得りえますので、不謹慎な言い方かも知れませんが、今のこの状況はERP導入にとってはまさに追い風なのです。

こんな状況だからこそ、私は皆さんにERPを学ぶことをお勧めしています。特に、世界シェアNo1を誇るSAPはすでに多くの大企業で使われています。最近では、トヨタもSAPを導入しました。
一方で、SAPコンサルタントの人材は慢性的に不足してます。
他のシステムコンサルタントやエンジニアと比較しても常に多くの求人が出ており、かつ高給取りです。他のソフトウェアコンサルタントよりも単価が高く年収1,000万超えは一般的です。

給料が高く、これからも伸びる分野、かつ現時点ではライバルが少ない。
こんな好条件の仕事は少ないのではないでしょうか?

人員削減される側になるか、それとも人員削減に役立つ仕組み作りをする側になるか。皆さんには是非SAPを学んで、後者の立場に回って頂きたいと願うばかりです。

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