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『内なる海をみつめて』内海聡ドキュメンタリー

うつみんこと内海聡医師が「棺おけに片足をつっこんだ」と昨年末体調を崩された時の病状を表現されていましたが、うつみんのドキュメンタリー映画が公開になりあまり詳しく伝えられていなかったその病気について語り、生い立ちにも触れ、私が最も興味深く思っていた、クリニックに訪れる患者の断薬のためのカウンセリング場面を映像の記録として見ることができました。

中目黒で開催された上映会。沿線に住んでいた頃はよく中目黒へ足を運びましたが、夜この街を訪れたのは本当に久しぶりでした。鼻と口を覆うことなく素顔の人が多く見受けられたのは若者が多い場所のせいでしょうか、少しほっとしました。目黒川沿いを歩くと必ず思い出すことがあります。人通りが少ない時間に川沿いを歩いていた時のこと、水色のTシャツを着た背の高い男性が前方からすごい勢いで走ってくる。すれ違った時に「あ、脚本家の・・・だ」と気づき振り返って彼の行き先を眺めていると、リュックサックの中身が飛び出して落下、「落ちましたよー!!」と20-30mくらい離れた相手に向かって私は大声で叫ぶ。そうすると落ちたものを拾いあげた彼は「ありがとう!!」と大声で返してくれた。彼が演出する舞台は見たことがあるし、妻である女優さんのことが私は好きで、この出来事を思い出す度ほっこりするんです。(ニンマリ)

私が心の問題やカウンセリングという仕事に興味を持ったきっかけは、電車に乗れなくなり心を病んでしまった友人の存在によるもので、暗黒の学生時代を過ごした私(笑)が社会人になってからできた大切な友達は、とても強い人のように思っていたけど、そうではありませんでした。薬の影響なのか顔がむくみ支離滅裂な話をするようになっていた友人でしたが、よき出会いに恵まれて結婚をしました。親族だけの結婚式に唯一友人として出席した私は妹さんに「お姉ちゃんと仲良くしてくれてありがとうございます」お母様に「無事にこういう日が迎えらました」とお礼を言われました。そんな友達とも少しずつ疎遠になり久しぶりに届いたメールのアドレスを見て、「離婚したのかな」と思い、それからしばらくして届いた年賀状で「再婚したのだな」と思う・・・会うことはなく、わずかなやりとりで近況を何となく感じ取った数年を過ごしていました。

この映画の監督は40代の女性で、学生時代に逃げるように日本を離れ海外に渡ったものの精神薬に冒され、入院。帰国後そういった事実を隠しながら生きていた自身の苦しみを、上映会で自己紹介として語られていました。上映前に受付で監督と顔を合わせましたが、とても柔らかな表情をされていて、3人の子供の母親である姿を見た気がしました。上映後「写真をやってきたけど、映像は全くのはじめて、やろうと思えば人は何でもできてしまうものだ」と、監督はとても力強い言葉を伝えて下さいました。

内海聡医師の生い立ちが語られ、どんな人の人生にもまず、家族が基本にあり、「家」であるその場所が幸せだと感じながら成長するのか、そうではないのか。うつみんの親子関係が良好であったなら、うつみんは今日のうつみんにはなり得ず、私達はうつみんに出会えていなかったかもしれない。そんなことを思いました。

私は突然思い立ち2020年1月、最後に会った日から十数年の時を経て友達に年賀状を送りました。彼女の実家の住所宛にて。「今年は会いに行きます」確かこんな感じの一言を書きました。まだ再会のタイミングは巡ってこないようです。

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いろんな出来事が重なりあって過去の思い出と結びつき、また今と繋がる。最近たまたま覗いていたある方のnoteの投稿で友達のことを思い出し、触発されて友達のことを記したいと思った。このうつみんの映画を見たタイミングもまた繋がって・・・

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