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『 言いたいことは躊躇わずに 』

電車内でベビーカーの小さなこどもが、つけさせられた口と鼻を覆う布切れを外し、両手で腕いっぱいに布切れを持ち上げて、声をあげてグズっている。
母親はこどもが高く持ち上げた布切れをこどもの口元にひらりと戻し、布切れの口元あたりに「ポン」と軽く触れた。
まるではだけたタオルケットをかけ直してお腹でもポンとたたくように。 

親子で口と鼻を覆って散歩している。足のおぼつかない子供の手を引いて。

子供の口に当てた布切れを引きはがし、親の脳天をハリセンで思い切り叩きたい強い衝動にかられる。

子を守りたい親にとっては、素顔をさらしている私には生クリームがたっぷりのったスポンジケーキを顔面に塗りつけたいほど憎たらしいかもしれない。

飲食店が軒を連ねる場所で大きな声が響いた。周りが一斉に注目する程の声。黒人男性と白人女性が手を繋いではしゃいでいる。ちょうど私の真横を通り過ぎた時、黒人男性が「Life is good!!」と発してその言葉のままに全身で幸せを表現しているように思えた。黒人ミュージシャンに対する尊敬が厚い私はこの瞬間の出来事ですら、黒人の人が発する声のパワー、ボディの鳴り、身体の作りに感心していたら、すぐ側でこの騒がしい状況に遭遇した女性は「ドン引きだよねー」とひとこと。たった一つの日常のワンシーンだけど感じ方は十人十色で。こんなに違うのだから交わりようがないのだとつくづく思った。


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K-Ci&JoJo 兄弟デュオ。仲が良さそうな二人。私の男友達でも2つ年下の弟が可愛くてしょうがないと言っていたけど、男兄弟というのは特別な関係なのかしら。ライブに行ったら19時開演が21時過ぎにようやく開演という、私史上前代未聞の苦い来日公演の思い出(笑)


ずいぶん昔の話ですが人が少ない電車内での出来事。何があったかは思い出せないけど、何か微笑ましくなるようなことが起こって車内が優しい雰囲気に包まれた。向かい側に座っていた黒人の男性と目が合いお互いに微笑みあう。目的地について電車を降りてホームから駅の改札に向かっていると、さっきの黒人男性が私の後を追いかけて突然「I like you」と言った。「I like you」ってどんなタイミングで使う言葉なのだろう。「こんにちは」かな、それとも「あなたいいね」みたいな感じだろうか。いずれにしても見知らぬ人に気軽に声をかける、自分の思いのままに行動する、日本人ではなかなかできないこと・・・いいなと思った。


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エリカバドゥ この方のライブは度肝を抜かれた。はっきり申し上げて人間じゃなかった。日本人では真似できないパフォーマンス。


言葉を話せないベビーカーのこどもの精一杯の意志表示。本当はひとこと母親に言いたかった。我が子でもないのに余計なお世話? 人それぞれ考え方の違いを受け入れるべき? いやいや目の前のこどものいのちがかかっているのに。いちいち人の気持ちを推し量って、慮ってばかりいたんじゃ何も言えやしない。こうして綴って少しでももやもやした気持ちを晴らしたい。


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「スティービーワンダー」さいたまスーパーアリーナ 前から4列目。目が見えないのでエスコートされながらステージ袖からスティービーが現れた時の感動は今でも鮮明に覚えています。歌声も凄かった。

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「ローリンヒル」 ローリンのライブに一緒に行った友達は自分の夢を叶えた人。今は連絡先がわからないけど、彼女の活躍ぶりは調べたらすぐにわかる。便利な時代で良かった。


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