ピリカ目線~その日、爽やかな風が吹いた
私の音声配信、「すまいるスパイス」に、新メンバーが加わってくれた。
椎名ピザさんと納豆ご飯さんご夫婦である。
お二人がゲスト出ててくれたのは、半年くらい前か。実はその時から「ああ、私はきっとこの方たちにオファーするだろうな」という予感はしていた。
だが、育児中の若いママがメンタルも体力もしんどいことは、普段の仕事で痛いほど感じている。さらにラジオとなると、余計な負担ではないか。
納豆さんはやる、と言ってくれても夫のピザさんはラジオとはいえ、妻が表に出ることに反対かもしれない。
私の居住地である九州は、まだまだ男尊女卑の風土が強く残っている。
(女は最終、子育てすればいいけど男は稼いでナンボだ、なんて支社のトップが朝礼で発言するような風土)
もちろん、私の主人もあまり私が外で飛び回るのは好きではない。
たぶん、そういう年代なのだ。だから、未だにnoteのことも話してないし、今回の文フリも「仕事」と言って参加した。
近々では、すまスパの元メンバーが突然アカウントを閉じられた。
私は、その理由も聞いた。
その話は、土地柄がよく反映されていた。
頷けることも多かったので、仕方ないな、と心から思った。
だから、新しくメンバーをいれることが怖かった。
私が誘ったばかりに、創作の機会を奪ってしまった。すまスパの一員にならなければ、彼女はまだnoteの街に住んでいられたのに。
そんな後悔が、ずっと続いていた。
だから、言えなかった。
でも、そこをぶわっと飛び越してくださったのが豆島さんだった。
「納豆さん、すまスパメンバーになっちゃえば?」とコメント欄で納豆さんに声をかけてくれたのだ。
先日の文フリで直接お会いした方は分かられるだろうが、豆島さんはとっても才女だ。頭の回転が早く、ユーモアのセンスも素晴らしい。優しいけど押し付けがましくない。
配慮とお節介のあいだ、というのだろうか。そういう絶妙な位置に球を投げてくれる人。
そこが素晴らしいのだ。
私が感じていた罪の意識を、豆島さんは一撃で突破してくれた。
納豆さんもニコニコで受けてくださった。
でも、ピザさんは?
もしかしたら嫌な思いしなかっただろうか。
奥さんにスポットライトが当たることを受容してくれるだろうか。
そんな心配が杞憂だったことは、前回のLIVE配信を始めてすぐにわかった。
場の流れで、娘さんとともに収録に参加されたピザさん。私はMCを回しながら、ピザさんの顔をチラチラと見ていた。
半ば興味があって。
半ば何かあればフォローしなきゃ、と思っていた。
でもね。
ピザさん、めっちゃ楽しんでくれてた!
そう、その姿は「子守りのために妻に付き添ってきた夫」ではなかった。
ピザさんはピザさんとして、そこに居てくれていたのだ。
年齢も二人がいちばん若く、ほかは40代以上というコミュニティの中で、やりにくくないかな?とも心配した。
でも。
ピザさんはどこまでもピザさんだった!!
納豆さんも、ピザさんの発言の補足や解説を自然とされていて、それがまたしっくりきてて。
独立した、クリエイター同士の夫婦なんだな、と感じた。
昨日、収録があった。
私は参加していない回で、文フリ参加の裏話的なアフタートークを語る回。ピザさんも出てくれるとのこと。
その収録が終わった後、コッシーさんからLINEが来る。
「ピリカさん、もうピザさん正式メンバーでよくないですか」
ふふふ、よかった。
私はすぐに返信する。
「いいと思います!」
私は勘違いしていた。
私が作った番組だから、私がバタバタ飛んで風をおこさないと!と思っていたし、それが責任というものだと思っていた。
もちろん、だから三年間続けられていたこともいうこともあるだろうけど、今はまた違う感覚がある。
気流と気流がぶつかり、大きな渦になる。
その周りではまた小さな気流ができていて、合流したり、離れたり、また合流したり。
私は、それに乗っかってもいいんだ。
年代も職業もバラバラ、でもそれぞれにリスペクトしあえる仲間。リアルではなかなかこういうコミュニティは作りづらい。
属性、肩書き。子どもの学校。
誰の子どもで誰の親で。
習い事は何をさせていて。
どこに家を建てただの、どこのマンション買っただの、何の車に乗ってるだの。
いろんな不随情報がその人に張り付いていて、仲間になるのにクリアしないといけない項目が多すぎる。
私たちの共通項は、文学が好き。言葉が好き。
それだけだ。
だからこそ、風通しがいいのだ。
みんな、ありがとね。
すまスパは、まだまだ高く飛べそうだよ。
ピリカグランプリの賞金に充てさせていただきます。 お気持ち、ありがとうございます!