ゲーム感想①: 夢現Re:Master(ネタバレあり)

[この記事は?]
夢現Re:Master (通称: ゆリマスター)をプレイし終えたので、そのプレイ感想記事です。エンディングまでのネタバレを盛大に含んでいます。また、これは個人的な感想であることをご了承ください。

こんにちは。暑くなってきましたね。
noteでいつかチャレンジしようと思っていた「ゲームプレイ感想記事」を初めて書こうと思います。
第一回目は百合ノベルゲームの「夢現Re:Master (通称: ゆリマスター)」です。
ネタバレを多く含んだ内容になっていますので、その点はご了承ください。

0. はじめに

ゆリマスターを購入したのは去年の7-8月頃でした。その時にプレイしていた夜会話が楽しい某シミュレーションRPGを終わらせた後に始めました。が、1人のルートを終わらせた時に「精神的に落ち着いてから再開した方がいいなコレ」と思い、当時大流行していた某手強いシミュレーションに切り替えて以降やるタイミングを逃してしまいましたが、少し思うところがあって最近になりようやくプレイを再開することが出来ました。

今回の記事では、攻略対象の4人のそれぞれのルートとその感想+主人公に対する感想を、攻略順に書いていきます。
実際に攻略した順番は「太刀花なな」→「無限堂さき」→「マリー・マーラー」→「柳谷こころ」の順です。

なお、クリアしたのはゆリマスターのみで、アフターと設定資料集は筆者の現環境で買うことが出来ないため、それらで言及されているかもしれない事も勝手に考察している可能性もあります。間違った考察をしているをしている可能性も十分あります。あくまで「ゆリマスターしかプレイしていないプレイヤーが、クリアしたテンションだけで書いた個人の感想と勝手な考察話」になっています。

また、終わった勢いと酒の勢いで書いているために、展開を少し勘違いしている所があるかもしれません。これらは後日、見つけ次第修正していきます。

1. 太刀花ななについて

見た目と(共通ルートの)性格とSNS上の様々なプレイヤーの方々の感想などから、プレイする前から一番気になっていた人でした。共通ルートをやった時に第一に思ったことは「この人がいなければ、ニエ魔女の開発班は果たして維持できていたのだろうか?」でした。本業が声優で、本人も会社の人間としては周りと比べて劣っているのではないかと不安に思っていましたが、あの中で雰囲気を明るく出来るのはななさんが一番で、公私共にピリピリしがちな現場においては欠かせない存在なのではと思います。バイトながら事務員としても優秀ですし、同僚として近くに居て欲しい人ですよね、ななさん。

ななルートについては大半がななさん目線で進行して、共通ルートでは隠されていた内面に最初は驚きました。知られたくない過去があり、それが原因で本心では若干卑屈ぎみだった彼女が、あいちゃんやユリイカの皆と出会い徐々に変わることが出来たのは本当に良いですね。素の自分を出せる相手に出会うっていうのは幸せなことだと思います。他のルートだと、こころは特殊な事情があったため例外として、あいちゃんと攻略キャラの想いのすれ違いにより真正面から気持ちをぶつけ合うのってななさんだけなんですね。

すれ違いで対立してしまうこともある一方で少しずつ距離が近づいて、神社でついに・・・というところからのノンストップ絶望展開からのあのバッドエンドは非常に辛かったですね。少しあいちゃんに恐怖を感じてしまいました。選択肢のミスで何度か繰り返しをしたんですが、ついに最後の選択肢が出た時には感激しました。最後に自分の純粋な気持ちが伝わって良かったね、あいちゃん・・・
余談ですが、イベントCGでのこころの「>△<」みたいな表情がかなり可愛かったです。

ストーリーとしては二番目に好きな話でした。しかし、精神的休息が必要と感じたため、ここから先は約一年後にプレイになるという展開に・・・

2. 無限堂さきについて

プチザウルス。この人については最終的に「強キャラ」という印象になりました。現代社会を生きるにあたっての人間性については問題の方が多いですが、クリエイターとしての能力や業界経験が豊富で頼りになる時は本当に頼りになる人です。特に本人のルートやこころルートなどで非常に輝いていましたね。あと、あい宅で寝る時の横顔がカワイイを通り越して美人。

さきルートについては、本人の人間性がほぼ確立しているので彼女自身に大きな変化はないこともあってか、ゲーム製作がメインになっていました。これは公式で一番最初にさきルートがオススメされていた理由の一つなんでしょうね。あとはさきさんから見た他の同僚の評価も理由にあるのかもしれません。
筆者はゲーム製作に関しては全くの専門外で、実際のところはどうなのかは分からないのですが、「クリエイターは妥協しない」ことに関しては確かにその通りですね。ただ、それに固執することで周りに悪影響を及ぼすのは如何なものか・・・とは少し思いました。また、新米ディレクターであるこころを成長させるためとはいえ、個別ルート序盤での彼女のミスに対しての注意の仕方は読んでて非常に辛かった・・・。一方で、プロとしての誇りや情熱、ニエ魔女に対する想いは本物であり、そのために一心不乱に取り組める姿勢は尊敬できます。

あいちゃんがそんなさきさんを暖かく見守っていく内に、次第に2人は惹かれ合うという展開で、2人の関係性という意味では一番安心して見れたかなと思います。しかしバッドエンド・・・ななさんとは別ベクトルで衝撃でしたね・・・。

3. マリー・マーラーについて

攻略キャラの中で性格的に一番分別のある、精神的にも落ち着いた女性(ただし趣味には全力)という印象でした。基本的にあいちゃんの味方ですが、祖国の生活の影響もあり、時として周りにすぐに流されずに常識的な判断も出来るところは良いですね。

マリールートについてですが、どちらかと言うと祖国問題にメインを置いた話でしたね。任務の間は、「マリー」ではなくアイの友人の「マリア」として振る舞える時が細やかな幸せだったんだろうな。複雑な立ち位置の中で、本当は好意を向けてはいけないと思い込んでいる相手に対する葛藤は当然付き物で、やはり想いは止められないんですよね。愛の力ってスゴイ。

最後の選択肢を見た時に、バッドエンドの展開については察してしまいましたが、最後のイラストCGが非常にね、辛いね、あれから立ち直れるの??一方のグッドエンドは世界観的には正しいけど改めて見ると凄い世界なんだなと思いました。「大鳥まりあ」としていつまでも幸せにね・・・
(余談ですが、海イベントでのあいちゃんの左手の所で、これはこころルートの伏線だとは思いました。ここでは単に記憶が無くなるほどのトラウマが昔にあったんだろうな、という考えでしたが、まさかあんなことがあったなんて・・・)

4. 柳谷こころについて

本作ラスボス。共通ルートでの第一印象としては正直な所「苦手」の一言でした。何か理由があるとはいえ、姉に対して非常に辛辣で、繰り出される数々の罵倒が辛すぎました。あいちゃんは落ち込むことはあれど鋼メンタルで耐えていましたが、精神が弱い人だと心がぽっきり折れまっすって。少なくとも私は多分すぐ折れる。

ただ、別のルートや彼女のルートを経て、苦手意識は少し残っていますが見方がかなり変わりました。こころは目の前に現れたあいの事を「大鳥あい」とは見ていなかったんですね。真実は本人のルートでしか明らかになりませんが、別ルートでそれでも姉妹の関係が最終的に良好になるというのは、大切な人をひたすらに真っ直ぐ想う姿を見て、こころがあいを「大鳥あい」だと認めることが出来たからなのでしょうか?根本的な解決ではありませんが、これもまた一つの結末なのでしょうね。

一方、こころルートでは「大好きなお姉ちゃん」を取り戻すために(柔らかい言い方で)1人で戦う非常に一途なこころちゃんでしたね。理由を知ってからは罵倒も納得はいきました。相変わらずキツいですが。自身も実は問題を抱えていたことを自覚したのは、タイミング的にあいがさきに自身の状況を説明したところなのでしょうね。水飲み勝負でついに心を開くこころ...いいね。(水飲み勝負のところで某推理の絆のあのシーンを思い出しました)

こころルートで触れられる本編全体の核心については後述しますが、バッドエンドはそうなりますかー。本人たちは満足しており恋愛ものの一つの結末としては有り得る展開ですが、やはり精神的にくるものはありますね。そしてタイトル画面でのタイトル読み上げが聞くだけで辛すぎる・・・
ということで、次にこころグッドを含めた感想を書いていきます。

5. 大鳥あいについて

今回の記事は、主人公である大鳥あいちゃんについて感想を書きたいと思ったのがキッカケでした。物語の核心を盛大に含めつつ書いていきたいと思います。

第一印象はカワイイ、おっとり天然、純真、一途、鋼メンタルでした。見た目はかなり好きです。カワイイね!各ルートでのヒロインを攻略する時の一途さ、さらには妹からの冷ややかな対応にもめげない精神の強さは流石主人公だと思いました。

・・・が、ななルートのバッドでのななさんへの執着や、さきルートのバッドでのさきさんへの母性本能など、いわゆる独占欲に駆られることもあり「この子が作中で1番ヤバい子なのでは?」とも思うことも。これについても後で少し考察します。

筆者が大鳥あいについての考察を始めたのは、前述したマリールート突入前での左手の件が最初でした。その時は「酷いトラウマがあって記憶が無くなってるのかな?」程度にしか思っていませんでした。しかし、こころルート突入前の海のシーンにて「こころとの過去を振り返る際に、それがどこか他人事のように思えた」ことに少し引っかかりました。そこで、「彼女は本当に大鳥あいなのか」と疑問を持つように感じ、こころの対応が「姉のことが嫌いになった」のではなく、「姉じゃなくて赤の他人、それ以上に敵として見ているのでは?」と思うようになり、本当に「あくま」と見なしてるのか...と、そこまでは予想していました。ただ、「あくま」が何なのか、3年前に何があったのかは予想できませんでした。また、何かに取り憑かれているという予想については「ハハハ、ゆリマスターはファンタジーじゃないんだからー」と、その時は否定していました。ハイ。


・・・
ファンタジーだったーーーーーー!!!!!!!!!
だったーーーーーーーー・・・
だったーーーーー・・・・・・
だったー・・・


大鳥あい≒ニエは作中で言及されていても流石に大鳥あい=ニエは予想していなかったよ・・・で、こころ=魔女様なのですね。ほーん。
きっかけは昔にニエ魔女をプレイしたことが原因なのでしょうね。
両親の離婚で離れ離れになった姉妹とゲーム内のニエと魔女の想いがシンクロした、というところでしょうか。この場合は姉妹、特にあいが、こころとずっと一緒に居ることを望み、ゲームの中に2人で閉じ込められることを選んだんでしょうね。
衝撃というより実感が湧かないあいちゃん。そして後に自覚したこころちゃん。自分の中に別の何かがいるという事実は精神的にキツいものがあると思います。こころはそれを「あくま」、自分自身を「あくまと同類。あるいは柳谷こころの偽物」と思ってしまい自暴自棄になってしまう一方で、同じ状況のあいは無理やり追い払うのでは無く元の世界に戻してあげることが選択できるのは、彼女の純粋な優しさなんだと思います。

ゲームの住人が現実世界に影響を与える、さらにはゲームの世界からこんにちは、というのは数多くの作品でも普通にある展開ですし、ファンタジーの世界ならなおさらですね。ファンタジーが好きな人間としては少し嬉しい展開でした。

あい=ニエについてですが、当然こころルート限定というわけではなく、他ルートでもこの方程式は成り立っているハズです。他ルートでのあいの性格が突如変わった、という印象は一部を除いて無かったので、基本的には「大鳥あい」の人格のままだったんだと思います。一方で性格が豹変したと感じた「一部」はやはりバッドエンドで、あそこだけニエとしての人格が現れていたのか?と考えて見ました。ゲーム中ではニエは最愛の魔女を失いますし、再び最愛の存在を失うことを恐れることは容易に想像できます。あいちゃんの独占欲が2人のバッドエンドで急に強くなったのは、ニエの存在もあったから、というのも可能性の一つと思っています。当然、これはあいの一側面であり、ニエが悪者だというわけでは決してありません。ただ、あいとニエの一途な想いや大切な人との別れから来る恐怖が共振・もしくはこころバッドのように混ざり合った結果、強い欲求となって現れたかもしれません。このこともひょっとしたら設定資料集に掲載されているかもしれませんね。私が全くのデタラメを言ってる可能性もありますね。実際どうなんでしょう。

そして本編トゥルーエンドとも言える(かもしれない)こころグッドエンドですが、3人攻略完了後のタイトル画面の意味がようやく理解できました。また、あそこで枠が「ai」ではなくて「nie」になったのは驚きました。「やくそくのばしょ」でついに出会う4人は外見こそ元の魂のものになりましたが、水面ではまだ元に戻っていないことを示しているのは良い演出だったなと感じました。リマスターアップ時に送られていた謎のメール、あれはニエ魔女に出てくる悪役の誰か、もしくは「みさき」さんなのかと思ってしまいましたが、実際は違ったのですね。ゲームの世界でずっと閉じ籠っていた大鳥あいを変えたのは、大好きな妹の魂とニエや魔女、そして彼女たちの魂が入った「大鳥あい」と「柳谷こころ」でした。ここでついに、3年間止まり続けていたあいが、前を向くことが出来たのかもしれません。作中では後ろ向きな考えは良くするけれども基本的に明るい彼女でしたからあまり感じませんでしたが、ひょっとすると、共通ルートでは特に作中の誰よりも前を向いていなかったのかもしれませんね。と、今ふと思いました。

大鳥あいちゃんには、どのルートでもこれから幸せに過ごして欲しいと心から思います。

6. 最後に

長くなりましたが、以上で感想を終わります。
ゲーム感想記事は初めて書き、所々読みにくい、駄文、変なことを書いているなどあると思いますが、ご了承ください。
ゆリマスターをやって良かったと思います。帰省した時に設定資料集とかアフターを買おうかな・・・?

全体的に、キャラとして一番好きになったのは大鳥あいちゃんで、次に太刀花ななさん、ストーリーとしてはこころルートが一番刺さりました。あいについては彼女のバックグラウンドが非常に刺さったのが大きいです。

(7/26追記)
大鳥あいちゃんを描きたくなったのでイラスト描いてみました


0720あい2

0720あい

読んでいただき、ありがとうございました!


(追記)
 葉亭さんのデザインが知りたい!!!!!!!


終わり









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