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熱海ノスタルジア

私達がまだ生まれていないくらい昔の話、熱海は新婚旅行のメッカのようなものであったらしい。いまでもいくつかの旅館とホテル、歓楽街は当時の姿で浜風を浴びている。そこには人が来て、去っていく。それだけの場所。

ドルフィンホテルのように、どこにでもあるようでどこにも確実にないホテル。インターネットで検索したらいくらでも出てくるホテルのようなものたち。そういうものに全て、歴史が存在している事を私たちは忘れてはいけない。忘れてはいけない。思い出さなくてはいけない。そこには記憶があって、それは人々の胸に、頭に今はあったとしてもそれらにはいつか確実に帰ってくる場所が必要なのだ。

いくつかの季節を通りすぎて、大人になった私や姉だったり、もう少しで大人になるであろう弟。いつか思い出にひたる為に、そこはある。いつか思い出すために、私たちは忘れないといけない。

いつか思い出して欲しいね。いつか私たちが何かを無くしてしまったときの為に全て存在していて欲しいね。

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