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ニフレルに行った

会社でとても面倒な事があって、もうだめだとか思ったりしてタクシーで品川駅まで移動して、そのまま新大阪行きの新幹線のチケットを買った。

京都までにしようかなとも思ったのだけど、私は京都にいくつもの素晴らしい思い出を残してきているのでいまの状況ではそれに触れる事ができないなと思い、好きでもない街東京から好きでもない街大阪へと向かうことにした。

都会には人がいる。勿論地中上のほとんどの地域には人がいるのだけれど、日本の都会には確実に多くの人がいる。深夜に大阪について、初めて一人で来たこの街の、緊張感に少しだけ喜びを感じたりもした。
ちなみに新幹線の中では、アイコレクターを読もうと開いたのだけれど、私は人間がこの速度で移動しているという事を上手く受け入れる事ができないので、もうだめだと思い本を閉じてt久しぶりにtoeを聞いたりした。くるりを聞くと京都で降りてしまいそうになるのは容易に想像できたのでそれだけは思いとどまった。

私を褒めて欲しい。

大阪で美味しいワインを出すお店に行って、一人でラブホテルに泊まってみようかとか悩んだのだけれど、どうせひとりなのだし少しだけ高いホテルに泊まってやろうと思い建築家の知り合いが運営しているホテルに向かった。

檜の浴槽に浸かりながら日本酒を飲んでいると無性に悲しくなって、そのままベッドに潜り込み1日が終わった。

朝起きると私は裸で、ホテル特有の空気の乾燥、毎朝自分の家で感じる冬の朝の匂いと寒さを感じる事なく、ここは私の家ではないのだと思った。

大阪万博公園に最近出来たニフレルに行く事にした。
ニフレルは「に触れる」という事で私たちが日頃触れる事のできないものをに、実際に触るのではなく、触れる事の出来る海遊館がプロデュースする水族館ようなものらしい。

建物は伊東豊男のような曲面建築でアルゴリズムを使ったか使ってないかわからないデザインの穴が壁面にぽつぽつと浮かんでおり、とても可愛らしいデザインだった。

最後のフロアにいくまでは水族館でしかなかった。エプソン水族館のような少しだけ角度の違う展示で、これだけだとなあとか思っていた私は最後のフロアにきて驚いた。

ホワイトタイガーが、室内にぽつりといたz

アルビノでもなく、ベンガルタイガーの特別変異で白く麗しい肉体をまとったホワイトタイガーは少しだけ憂鬱そうで、おや君も憂鬱症のホワイトタイガーなのかいなんて思ったりした。

室内には柵がなく、ペリカンがあちこちを飛び回ってていて、勿論ホワイトタイガーはオリの中にいるのだけれど、未来感というかある意味ではディストピアのような光景で、久し振りに動物園水族館で新しい体験触れた事で少しだけ東京での出来事も許してやろうかななんて思えた。

トイレに行こうとサインを探して上を見ると、サインの上にフクロウが泊まっていて、それを見る私の足元をサルが駆け抜けていった。


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