海辺のまちで ” お手伝いをしながら暮らす ”
今回は、香川県さぬき市津田町で2023年から始まった、
住み込みお手伝い「ヤドカリ」という関わり方について紹介させていただきます。
「ヤドカリ」とは
地域外の方向けに、周辺地域のお手伝いをしてもらう代わりに滞在費用(家賃、電気光熱費)がゼロになるといった、いわゆる「フリーアコモデーション」の仕組みを活用して津田町では ” ヤドカリ ” と呼んでいます。
海辺のまちで滞在しながら、地域に触れられる体験を。
香川県さぬき市津田は、かつて遠洋漁業で栄えた町。
海沿いの通りには漁業関係者の住居や倉庫がたくさんありました。
ところが時代とともに遠洋漁業は衰退していき、空き家や空き倉庫が目立つようになってきました。
穏やかで美しい瀬戸内海が広がる地域。
小さいですが、魅力の詰まった港町に、30歳前後の若い移住者も増えていて、2023年にはピザ屋・スパイスカレー屋など新しいお店が6件オープンしました。
新たな店舗が立ち並ぶ海沿いのエリアで、店舗を育てていく段階から関わり、津田町の魅力を体験してほしい。
そんな思いから始まり、現在では「うみの図書館」さんでは10名、「暮らし商店ごんべや」さんでは3名の受け入れをしてきました。
そこで、「ヤドカリ」を利用してくれた2名の方に簡単にお話を伺いました。
参加者の声①
イギリスから日本へ〜夏休みの特別な滞在〜
あおいさんは現在、イギリスの大学に在学中。
夏休みを利用して日本に帰国し、さまざまな新しい場所に行ってみたいという気持ちから、「SMOUT」や「アクティボ」といったサイトでいくつかの滞在先に応募しました。その中で特に惹かれたのが「うみの図書館」でした。
バランスのとれたつながり
今回の滞在が四国初訪問だったあおいさん。
津田町については「バランスの取れた地域」という印象を持ったと話します。
「以前、小さなコミュニティの地域に滞在したことがありましたが、人と人の距離が近すぎて、少し疲れることもありました。津田地区は、つながりが程よく、コミュニティ内で個人のスペースを尊重していると感じます。」
具体的には、誰かと関わりたい時には手を差し伸べられる一方で、距離を置きたい時には無理に関わらなくても済むようなバランスが取れているとのこと。
リフレッシュしながらも充実した時間
あおいさんは、勉強や仕事に追われたイギリスでの生活から一歩離れ、心身をリフレッシュしながらも、やるべきことはしっかりとこなしているようです。この滞在を通じて、心地よいペースで過ごせる場所の魅力を改めて感じているとのことです。
とある日のあおいさんの1日
(スケジュールは滞在者のタイプに合わせて柔軟に提案されるようです。)
9時 起床、身支度
10時 「うみの図書館」の客室清掃【2時間お手伝い】
12時 昼食(近くの飲食店へ)
13時 「うみの図書館」で読書や個人の仕事
19時 帰宅
参加者の声②
今回で2度目の滞在となった、こうたろうさんに詳しくお伺いしました。
ごんべやとの出会い
「ごんべや」に出会ったのは、2024年春に参加した「免許留学」というプログラムがきっかけです。滞在中、「暮らし商店ごんべや」に頻繁に行く機会はなかったそうですが、訪れるたびに心が弾む感覚を覚えました。
古いものが好きなので、「ごんべや」の雰囲気がとても気に入りました。おばあちゃんの家や親戚の家に遊びに行くような感覚で、ふらっと立ち寄れるところが魅力的です。
都会では時間に追われる生活をしていて「ごんべや」は自分にとって時間の流れを楽しむことができる貴重な場所でした。
津田町への思い
免許留学中、もっと「ごんべや」を訪れ、地域の人々と交流したかったという後悔があったと語ります。そのため、今回のヤドカリ滞在を通じて、その思いを叶えたいと強く感じているそうです。
「オーナーさんが地域の方々を誘ってご飯会を開いてくれたり、充実した時間を過ごしています。免許留学ではグループで行動することが多かったけれど、今回は一人で来たことで行動範囲が広がり、津田町をより深く楽しめています。」
現在、大学の休学期間を使って、何か新しい経験を積みたいと考えて今回の滞在を決意したそうです。
とある日のこうたろうさんの1日
9時 起床、身支度
11時 「暮らし商店ごんべや」での喫茶業務【3時間お手伝い】
14時 昼食(スタッフ特製のまかないごはん)
16時 海水浴・海の家に行く
18時 帰宅
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