サリオスについての考察。

とある日の進路相談

ノーザンFのえらい人
「次の方どうぞ」

サリオス
「失礼します。本日は次走(進路)を探しにやってまいりました。」

えらい人
「まずは希望とその動機を教えて下さい。」

サリオス
「第一希望と致しましては、天皇賞(秋)を考えております。その理由は、前走の毎日王冠で自らの適性を認識し、古馬G1では私のスピード性能を活かせるこの舞台が最もチャンスがあると感じた為です。」

えらい人
「ふむ。君の言いたいことはよく分かった。ちょっと待ってくれ。」

(えーっと、ルメール君のスケジュールはどうだったかな・・・。おっとアーモンドアイ騎乗予定か。これは無理だな。適当にごまかそう)

えらい人
「サリオス君。君はどうやらトモに疲れが残りやすいらしいね?今回もそうなんじゃないか。」

サリオス
「そ、そんなことないです!僕は全然元気ですよ!」

えらい人
「どうなんだい、堀君。調整できそうなのかい?」

同席していた堀調教師
(す、すごい眼力だ・・・!!やはりノーザンには逆らえん・・・。)

「す、少し調整には時間を頂いたほうが良いかと思います。天皇賞(秋)は間に合わないかと・・・」

サリオス
「じ、じゃあマイルCSはどうですか!マイルなら当然僕の自慢のスピードが炸裂しますよ!」

えらい人
(ルメール君の予定は・・・グランアレグリアか。じゃあだめだな。)

「ふむふむ。君の希望も聞いてあげたいところなんだけど・・・堀君、調整にはどのくらいかかるのかな?サリオス君は早くG1の舞台で力を試したいようだけど、中途半端な状態で出走という訳にも・・・いかないよなぁ。そうだろ、堀君。」

堀調教師
(調整は1ヶ月もあれば間に合うかもしれない・・・だが明らかに忖度しろと目が訴えている・・・!!サリオスすまん!泣)

「え、えぇ。おっしゃる通り中途半端で出走させる訳にはいきませんから、じっくりと調整を・・・」

サリオス
「ならもう1週間のばしても構いません!次週にはジャパンカップがあります!ダービーではコントレイルにやられましたが、高速馬場の舞台は得意ですし、次はそう簡単には負けませんよ!2400は走ってみて長いと思ったのは事実ですが、1度経験してるんです、きっと次はもっとやれます!」

えらい人
(やる気は分かるんだが、ビジネスってもんを分かってねぇんだよなぁサリオス君は。ルメール君はアーモンドアイに騎乗予定だ。しかも天皇賞(秋)から間隔が短い事を考慮し、回避になった時の為にサートゥルナーリアの背中も確保してある。サリオス君の出番はないんだよ・・・)

「君は2400には向いていないよ。同世代のコントレイルに負けているじゃないか。あれはそう簡単に逆転出来る着差では無かった。2000以下で君の言うスピードを活かしたレースに出走しようじゃないか。な、そうしようそうしよう。」

サリオス
「じゃあ、秋のG1は・・・僕は挑戦出来ないってことですか・・・?有馬記念も距離が長いですし・・・」

堀調教師
(サリオス、すまん・・・すまん・・・!!ノーザンに言いなりの私を許してくれ・・・)

えらい人
「仕方ないじゃないか。私だけではなく堀君の意見も聞いての判断なんだ。理解して欲しい。」

(とはいえ、これだけ強いサリオス君にこの秋もう稼いでもらわないっていうのももったいないよな・・・。G1は無理でも、ルメール君が乗れそうで賞金が高いレースはないものかね・・・。ん!?あるやないか!)

「そうだサリオス君、私にいい考えがあるよ。君のスピードを自慢できる舞台があるじゃないか。それも、しっかりと調整期間も取れる。」

サリオス
「ほ、本当ですか!?」
(はやく古馬一線級と勝負して、僕はチャンピオンになりたいんだ!もしかして、香港に連れて行ってくれるのかな!?よっしゃー!)


えらい人
「阪神カップだ。」


サリオス
「・・・え?」



えらい人
「君にぴったりじゃないか!1400ならより一層君のスピードを活かせる!圧勝を期待しているよ。堀君もそのつもりで調整よろしく。・・・あぁ、しばらくは堀君のところじゃなくてうちのしがらきで管理してあげるよ。その方が堀君もいいだろう。他の馬の管理もあるだろうし。」

堀調教師
(はじめからそのつもりだったくせに、何が「調整には時間がかかるだろ?堀君。」だ・・・俺に任せもしないくせに。)

「えぇ、いつもありがとうございます。」

えらい人
「さ、そうと決まればこの話は終わりだ!サリオス君、毎日王冠はお疲れ様だったね。また次走の為にゆっくり休んでおいてくれよ。」

サリオス
「・・・・」

(僕は・・・僕はチャンピオン目指して頑張りたいだけなのに・・・なんで、なんでなんだよ・・・くそぉーー!!)

えらい人
「サリオス君。君はあせっているようだが、まだまだ君の人生は長いんだ。なんといっても君はハーツクライの子供だからね。来年からのさらなる飛躍を期待しているよ。」

サリオス
「はい・・・頑張ります・・・失礼します。」

ということで、サリオスは阪神カップに出ます。

以上。

さんたろー

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