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それでも、前に進む。

2019年。平成が令和に変わる。
情報が溢れ、流れ、錯誤する情報社会で
何を信じ、切り捨てなけなればいけないか、
それすらもわからないままでさえ、
僕は、前に進む――――。


僕の名前は空本杉太郎(そらもとさんたろう)、18歳。
都内の大学に通う大学一年生だ。旅とスタバ、野球とおにぎりが大好きでロジックで考えるより、感情的になりやすく、完全にマインド派だ。


三月下旬、三重にある実家を一人飛び出して、上京してきた。
目に映る景色、漂う匂い、耳に飛び込んでくる音。
すべてが新鮮で、僕にとって初めての感覚だった。


四月に始まった大学生活。
勢いとノリで何とかなると思って
がむしゃらに目の前のことをこなしていった。


五月。TABIPPO二年目スタッフを頑張ろうと決意表明をしたキックオフ。
新しい仲間たちと出会い、
新しい時代を作っていくのは僕たちだと勝手ながら考えていた。
充実した日々は、時間が早く流れていった。

六月、旅を広める団体TABIPPOに入ってから初めての合宿。
70人くらいでオリンピックセンターで合宿したのは懐かしい思い出で。
なんだか純粋に楽しめた一泊二日だった気がする。
この時期は何も不安がなかった。
とまではいかないけど、気楽に生きていけたんだっけ。


七月には山梨で二回目の合宿をしたな~。
山中湖周辺で散歩したり、花火をしたりTABIPPOやってて
本当によかったと思ってた。
初のテスト期間でヒーヒーしてたり、
夏休み前だからって浮かれてたりもしたや。


八月。実家のある三重県に帰ってひたすら重労働のバイトをしたっけ。
朝から夜まで暑い中よく頑張ったなって思う。
自分を褒めてあげたい。
お疲れ様でした。


九月は夢の国を超えるほど夢の時間を過ごせたハワイ旅。
本当に生きててよかったと思った瞬間だった。
空港に降り立った時に聞こえる言語の違い、
日本とはまた打って変わったような暑さ、
のどかな時間が流れるこの街では焦っていた自分がバカに見え、
何も気にせず、ただひたすらハワイという場所を楽しむ。
大きいハンバーガを口いっぱいに頬張り、
青く澄み渡るワイキキの海で泳ぎ、
その空間にいるだけで写真映えするくらいに美しい日常を満喫。
楽しかったなぁ。


十月、この時から少しづつ僕の中で何かが変わっていく。
周りを見れば、「仲間のため」「みんなのために」と口を揃えて、
活動意欲を燃やしているではないか。
僕もつられて、同じようにしていた。
ただ、少しづつだけど自分と周りの中で差があることに気づいた。
感じたのだ。
「本当に仲間のためにって思っているのかな?」と。
リマインドしても反応がないLINEグル。
MTGや飲み会の場ではいつも一緒にいる一部だけで盛り上がる。
なんだか胸がモヤモヤするな。


十一月。それはモヤモヤがカタチになり始めた時期。
この時、組織における目標は「ONE TEAM」だった。
夏休みを通して、少しだらだらが続いてしまっていた十月を
反省して、スタッフ一丸となってもう一度スタートをするために
掲げられたものだ。
だが、現実はどうだろうか。
一日24時間ある中、15分ともかからないような小さなことを
僕が毎日リマインドしても、やるのはたった数人。
流石に心が折れそうになった。
なんで反応がない。何が悪かったのだろうか。
言い方なのかな。でも、慎重に言葉を選んで文章を作っている。
一体なぜ。
十一月最終日、僕は厳しめな言葉を並べてた文章を全体に送った。
大きいことを成そうとしているにかかわらず、
小さいことが出来ないってことは絶対にいい未来は待っていない。
というようなことを書いた。
思いを込めて綴った文章。
嫌われてもいいから組織を良くしたいと勇気を出して送った文章。
結果は、数時間経っても誰からも反応がなかった。
しかも、その後別の人にリマインドされたメッセージには
すぐ反応があり、レスがあった。
怒りを通り越して、哀れむ僕がいる。
ああ、ここにいる大半が、
自らが口にするものに重みを感じていない。
そう思った。


怒涛の一か月だった十二月。
仙台、札幌と連続で日本最大級の旅イベントを運営した。
移動だけでも大変だったのに、
当日発生するトラブルにもしっかり対応しなければならない。
これが、イベントを主催する難しさなのか。
と率直に思った。
ともあれ、来てくれた参加者の反応は良いものだった。
だが、僕はイベントの準備をする段階で違和感があった。
「あれ、なんか疎外感があるな。」と。
当日までの準備は一部がやり、
それ以外の人たちは指示だけを出されて動く。
準備を手伝おうとしても、
「大丈夫。」と一蹴されるだけ。
ついには、「もう寝な。」といわれる始末。
なんだよ、駒扱いされてるだけじゃないかと腹が立った。
と、同時に信頼されていない自分に情けなさを感じた。
イベントを迎え、無事何とか終えた後には
打ち上げがあったのだが、ちっとも面白くない。
組織一丸となって動くことはもうできない。
そう考えていた。


良いことを見てきた半面、
良くないとこも見てきた2019年。



2020年はどうなるやら。


最後に
正直、今の僕には活動に対して意欲はない。
仲間を信頼してやったことの結果が、ここまで報われない。
勝手に信頼して、期待していた自分が悪いのかなとも思ってしまう。
残り僅かしかないMTGも行くが、
以前のように高い意識をもってその場にいるわけではない。
こんな人間、組織においては危険因子なのかもしれない。
これから先、今も何かを言われるかもしれない。
集団の中で息がしづらくなるのかもしれない。
だけど、僕は最後まで活動を続ける。
なぜか。
知り合いや友人をイベントに誘い、チケットを買ってもらったからだ。
今の僕には、来てくれる人が満足できるイベントを創る。
その責任を果たすためだけに動いている。
責任があるから、どんなに不利な状況にいようが、
それでも、僕は前に進む。

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