鎧を身につけた過程

幼いころの記憶を最近になってよく思い出す。

3歳の頃。

妹が生まれてしばらく経って、助産院で母が診察を受けるためにベッドに横になっていた。
妹は母の上に乗ってじゃれている。

私はベッドから少し離れた場所で一人で遊んでいた。

助産師さんから一言

あらーお姉ちゃん、一人で遊んでて偉いわねー!妹にお母さんを独り占めさせてあげてるのね!

家族を含めて、これが人との会話としての最初の記憶だ。

この時私は初めて、人の言動に対して疑問を抱いた。

えっ私独り占めさせるためにここにいるんじゃないよ?
だだ遊んでるだけなのに。
これから甘えちゃいけないってこと???

と瞬時に思ったことを今も鮮明に覚えている。

絶望感と混乱で返事はできなかった。


今思えばこの時から、私は見えない鎧を身にまとい始めたような気がする。

未だに私は、目上年上に甘えることが苦手だ。

分からなすぎて、時々苦しい。

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