私の頭の中の  スマホ

20XX年1月

地球温暖化が進んでも

寒い日が続く冬の夜

電気毛布の中で横になる

i にとっても

前日の思い出したくもない

出来事と不安で眠れない夜

『テストの点悪いからって

 私も悪かったけど

 先生の顔 怖かったな』

夜中の1時 i は仕方なく

スマホを手に取り メール見て

何気なくSNSをチェックしてた

芸能人のつぶやき

撮影した 写真、映像見て

心、落ち着かせてるのかも

多くの芸能人が、SNSで

文字、写真、動画など

いろいろ発信してるけど

中にはセレブ気取りの方も

高そうな服、アクセサリー並べ

自慢してるけど

所詮 私には 夢物語 

どうせ 私には 真似できない

っていうか お金持ちはいいな

と、思いながらも

女性芸能人の想像超えた

家での生活が充実し過ぎて

その人の満足そうな顔見た時

一瞬 イライラして 

時々 友達登録削除

心の中で プチ優越感

で、ストレス解消してるのが

先日までの私的トレンド

最近よく見るのが

お笑い芸人のつぶやき

芸人仲間が寄り添って

飲み会で撮影した画像

知ってる芸人数人探して

交友関係見て 楽しそう

居酒屋、ファミレスの中で

出てくる料理、飲み物 

ほとんどが、少し庶民的で

仮想的に、同じ席にいる感

間近な存在で、少し心落ち着く

好きな芸人なんていないが

庶民的な人と人との繋がり写真

漫才の動画あるし

親近感 湧いてからずっと

多くの芸人のSNSをチェック



ある日の夜

テストの事を思い出し

デスクで 一応勉強を終えて

横になるも 不安で眠れなくて

スマホで動画 見てた i

不安を忘れた時

待ってましたと来る眠気

それでもスマホを見てたら

気づかぬ間に 眠気で

スマホを頭に落として・・就寝


i は夢の中で 

異次元の街さまよい

とある芸人の

SNSの中のような風景


浮いてるような軽い足取り

歩いても動くスクロール画面

不思議なくらいの浮遊感

限りなく白い地面を歩くと

写真のような風景見えて

肝心の芸人の姿はなく

変な夢が続いたような


朝 i は目覚ましの音の後

母に起こされ

寝不足気味で目が冷めた

『変な夢ばっかり見てた』

起きてすぐ顔洗い、髪整え

朝ご飯を食べて

部屋に戻り 学校に行く準備

『あれ!スマホがない

  どこに置いたんだっけ?』

バスに乗る時間も迫り

羅夢はスマホ探すの諦め

母に「行ってきます」といい

家を出て バス停へ走った

なんとかバスに間に合い

バス内で友達と出会い 雑談

友達の好きだった芸人

別の友達が今、夢中の芸人

多くの芸人の話題なと

多くの芸人の話ししてる私に

友達から

「i めっちゃ詳しいじゃん」

「こんな情報いつ解禁?」

と、聞かれたので 私は

「今さっき」というと友達は

「i 、スマホ忘れてんのに

 なんで知ってるの?不思議」

と、聞かれても 

返す言葉もなかった不思議な朝

少し気が浮かない朝だった

学校に着くと i は

席にカバン置いて友達との雑談

臨時テストの話はあまりなく

校内でも相変わらずの

芸能人や芸人の話題でもちきり

同級生の笑い、話に

最新情報で交わすi

言いたくもない事まで言う

不自然な自制心の低下に

 i は悔やんでいた

『あ~ぁ今日の私ちょっと変』

と、思いながらも

頭の中に湧き出る数々の情報

 i はあまり喋らないように

しばらく無心、無言を貫いた

授業が始まると席に着く生徒達

そう今日は臨時テストの日

i は前日勉強など考え事で

眠れない夜で勉強不足気味

どうしょうか 困り果てる

授業がはじまり

先生が前列からテストの束渡し

一枚ずつ取って

テスト用紙の束を後列に渡し

全員に用紙が行き渡ると

先生の合図で試験開始

試験用紙を見て 焦る i 

心の中で 『やっば!どうしょう』

『勉強してない所ばっか』

戸惑いながらも 

半ばあきらめムードで

試験用紙に黙々と書き込む i 

自分でもおかしいぐらいに

次々と思い浮かぶ答えを

スラスラ書き込んでいた


放課後 帰宅して

羅夢のスマホ探しは続き

 見つからず 焦る i

家族揃っての食事中 父は

「今日何度もLINE送ったけど

 ずっと既読にならないから

 心配して母さんに電話した」

「i 、スマホどうした?」

 i は食べながら 慌てて

『今日は臨時テストだから

 見れなかった ごめん』

といい 別の話題にそらした


数日後 授業で先生が

「先日の臨時テストの採点を

 皆に渡します」

「今回も高得点順に

 ランキングも・・」

この時 生徒達は緊張する瞬間

臨時テストとは言っても

受験への重要なデーターの一つ

 有名高校目指す指針ともなる

中間、期末同様に

生徒にとって重要な臨時テスト

先生も調子に乗って

何かの テレビの番組みたいに

10位までランキング発表

『この瞬間嫌だなぁ』

『こういうの必要?』

と、思う i

有名高校、目指してるのか

 自信満々 周りの目力生徒

親に怒られないよう

 手を合わせて祈る生徒

一応気にはしているが

 ひたすら無視、雑談する生徒

先生も調子に乗ってるねと、

 笑いをこらえて見てる生徒

まるで 別世界のように

 気にもしない生徒と i 

すべてのクラスの生徒が

一喜一憂するといえば大袈裟?

 それくらい 注目する瞬間

この瞬間は進学校に無縁の

i にとっても 異様な風景

『こんなドキドキって必要?』

数秒間、無の時間が続いた

多くの優等生達の心の中で

ドラムサウンドが鳴り響く

  かの如く?鼓動が響いた

『なに! この瞬間??』

と、疑問に思う i 


すると先生が 名司会者の如く

「結果発表〜!」の一声

『またーこの瞬間嫌だなぁ』

 時々 TVで見る 

  芸能人の気持ちがわかる』


皆の心の中のドラムロール

 鳴り収まり 静まる教室

「1位 i 」と、言った瞬間

周りの生徒は どよめき

「まさか!i が? うそ!」

「i って誰?」

「i って聞かない名前」

と、周りの異様な雰囲気、声

i は他人事のように聞き流す

横の友達は「あなたじゃない」

と、言われてi はびっくり

その場で立ち上がり

すると先生が

「i どうしたんだ

 今回は勉強頑張ったな

 今まで下位ランキング常連

 なのに今回はどうなってるの

 とにかくおめでとう」

と、言われて 不思議のち

少し不満顔の i

『どうした?は失礼過ぎる

 何?この空間』

試験勉強なんで

  いつも通りしかしてないし

昨夜はあまり眠れなかった i

その後の授業中

 i を見つめる周りの生徒

怖い目つき、無関心な目つき

『なんか急に
 私 ライバル視されてる』

と、i は不思議顔で

 そして 少し気まずい顔で

今日の授業を終えた

放課後、i は

優等生の声も無視して

友達の誘いを断り

慌てて家に帰る準備をした

遠目で見つめる優等生達

中には睨みつける人も

i はそんな事.目線お構いなしに

急いで帰宅した

「勉強よりとにかくスマホ」

「勉強よりよにかく眠い」

と、帰宅して母に事情話し

夕食まで眠りについた i

夕方 母に起こされ夕食

i は試験結果を家族に見せた

母も、父も、兄も不思議顔

兄「この世も末やなぁ!」

父「お前が1位なんで夢か?」

いろいろ言ってくる父、兄

『とりあえず勉強頑張ったのに

  少し褒めて欲しかったよ』

すると

「まぁまぁ頑張ったんだから

 いいんじゃない」

と、i を褒める母

母は試験結果を壁に貼り

「もっと 頑張りますように」

と、祈っていた

i は嬉しさと恥ずかしさを

感じながら ご飯を食べ

『母さん ありがとう』

   と、思いながら2階へ


勉強する前に

ベット横のスマホ探す i

スマホが抜けた充電コード見て

『確か、布団の横に充電してた

 はずなのにどこにいった?』

と、探しながら 諦めて勉強

本を読みノートに書き込め時

不思議とペンが進む i

今まで読めなかった

 書けなかった漢字も

不思議と、スラスラ書いてるし

英語の勉強も本を見るだけで

 自然と日本語訳が思い浮かぶ

数学も 等式が理解出来てる

『私、どうなってるの?』

と、不思議顔になりながらも

夜遅くまで勉強していた

勉強を終えて布団に入る時

『そういえばスマホ・・

 メールも見てないし

 送れてないしどうしよう』

と、考えながらも

 i は眠りについた


翌日 父は i に

「まだスマホ

 見つからないのか?

 今度休み買いに行こうか?」

i は嬉しいながらも

少し不安顔で父に聞いてみた

「箱も契約書もあるけど

 本体もSIMもないから

 大丈夫かなぁ、新規契約?」

i にとっては 新しいスマホ

 あまり欲しくない気分だった

すると父は

「最近 物騒な事が多いし

 君もすぐ連絡できるよう

 スマホ持った方が・・

 父さんも母さんも

 安心出来るしね、」

「この際だから最新型でも?」

すると i は父に

『私のスマホ 4Gだったけど

 古いから 5Gでもいい?』

 i は父が口にした

最新型という言葉に

乗り気になり 行く約束した


数日後の土曜 

 i は父と母と共に出掛けた

父の車で時々行く

家電量販店に着いた

当初は元気で嬉しそうな i

入口から数多くの種類の家電

それぞれの売り場で

見たこともない新型の家電

白物家電を前にした時

父も母も目がうつろだった

「あれ欲しかったけど安い」

「あっ!便利そうな新型」

3人は欲を抑えながら

奥のスマホコーナーに近づいた

しかし、スマホコーナーに行き

しばらくスマホ見てる父と母

「どれがいいんだ i 」

と、父が振り向くと

 i は顔色が悪くなり

 その場でしゃがみ込んだ

母は「大丈夫? i 」と

少し離れたベンチまで連れて

ベンチに座らせた

母が i の頭を触ると

 高熱、意識喪失状態なので

父は病院に電話しそのまま入院

レントゲンを終えて

 i は病棟へ

翌日 医師は脳に異常を感じ

家族にMRI検査を勧めた

次の日 検査をするため

ベットのまま検査棟に行き

看護師が技師に頼み検査

寝たまま検査機に入る i

MRIの磁気ドラムが周りだし

『なんかゴロゴロ回ってる

 あ~うるさい あ~痛い』

しばらくして i の頭付近へ

磁気ドラムが近づいた時

 i の頭がさらに赤みを帯びて

 i の顔が熱っぽく見えた

検査を終了した時点で

留め具を外すため近寄る技士

技士が i の頭を見ると

顔が赤っぽく、高熱の状態

技士は慌てて看護師を呼び

状況と検査結果Dataを手渡し

看護師は慌ててベットを移動

ベットは、入院病棟ではなく

医師らが見守る中、

緊急治療室へ向かった

ベットの上の i は意識喪失

天井の透明状態の集中治療室で

寝てた i を i の心の目は

なぜか上からうっすら見てた

   『なにこの身軽い状態  浮遊感

  私が下で寝てる』

医師と看護師が付きっきりで

熱っぽい i の看病に当たった

昼過ぎ家族に連絡し

夕方 家族は緊急治療室へ

不安顔で見つめる家族

医師が近寄り 病状説明した

「MRIの検査中、頭部が

 磁気に反応し、異常停止して

 患者の体温が急上昇しました」

「緊急治療室で検査した所

 レントゲン検査で

 頭部に異物が発見されました」

「近い内に頭部の手術を・・」

上からうっすら見てる i は

 医師、看護師

 そして家族をそっと見ていた

 『この風景なんだろう

  私、どうなるの?』

夜中 医師、家族も居ない

ビニールで囲まれた部屋

上からうっすら見てる i は

『映画で見た 別世界

 私は下の私を見守ろう』

寝てる i を見ながら

涙も流せない

悲しい、切ない夜を過ごした


翌朝 看護師が部屋に入り

そっと i の頭を触り

体温を測り、頭を拭き

そっとアイスノンを乗せた

上からうっすら見てた i は

看護師の献身的な姿に感動した

数時間後 再び 看護師が来て

その後 医師が来て検査

数日後 朝

上からうっすら見てた i は

 『いつまでこの状態?』

と、思っていると

医師、看護師が近寄り

ベットごと i を手術室へ

上からうっすら見てた i は

初めて見る手術室の風景に

『ドラマでしか見ない風景』

と、感動してると

患者 i の上のライトが輝き

医師(外科医)看護師が入り

手術開始

頭部にメスを入れる医師

その時  i の体温が更に上昇

看護師は濡れたタオルで

汗吹き出る i の顔を拭き

血圧などをチェックし

医師は手術を続けていた

しばらくの間 

ベッド上の i と

上からうっすら見てた i 共に

無の時間(空間)が過ぎた


数十日後の朝 意識が回復し

ふと目覚める i

しばらくして看護師が入り

「おはようございます」

「数十日ぶりの

   お目覚めですね」

「 i さんお身体の具合い

 いかがですか?」

恐る恐るあたりを見渡すと

無くしたはずのスマホ

看護師は

「 i さんの頭部の脳の辺り

 このICチップ入ってました

 スマホの部品だと思います」

「そしてご自宅の布団の下に

 スマホがあったと

 昨日お家の方々届けに・・」

i は、ICチップを取り出し

スマホに装着してみた

そしてスマホを起動してみたら

母が充電してくれたおかげで

スマホの起動画面のあと

数十件の LINEやメールの
アプリの通知

 i はスマホを見ながら

「そういえば久しぶりだなぁ」

と、すぐに家族にLINEを送った

昼過ぎ i は集中治療室から

一般病棟に部屋を移された

その日の夕方前に 急遽

仕事帰りの父、兄 そして母が

病院に見舞いに来た

一般病棟の4人部屋に居る

 i のベッドに向かった

 i は家族を見て 一安心

やがて瞳に涙がこぼれた

父「一時はどうなるかと」

兄「良かったよ

  生きてて良かったよ」

と、涙を流す4人

4人の会話が続いた

しばらくすると 担当医が来て

「一時はどうなるかと

 思いましたが 良かった」

父と母が先生に

 感謝の言葉告げると

先生は

「様子を見て良かったら

 1〜2か月後までに 

 リハビリして 退院ですね」

と、告げると、この場を離れた

先生の後ろ姿を見ては

 父と母が深々と頭を下げた

その日の夜  i は

久しぶりに病院の入院食

就寝前は久しぶりのテレビ

就寝時間(消灯時間)

『早すぎる』と思いながら

 i は、眠りについた

今朝まで寝てたせいか

 なかなか寝付けない i 

いろいろ考え事をしていた

『何でこんな事になったんだ』

『学校の授業 遅れてるな』

翌朝6時 起床時間なのに

 起きれない  i 

朝6時半、

看護助手が起こしに来た

「 i さん起きれますか?

 7時から朝ご飯なので・・」

 i は、ようやく目が冷め

ヘッドのスイッチを入れ

頭部を起こした

看護助手が再度来て

「おはようございます」

と、熱い濡れタオルを手渡した

 i は紙製の濡れタオルを

目に当てて、顔を拭いた

「これは 目覚める 凄い」

しばらくすると各ベッドに

朝食が届けられ

 i は朝食を口にした

それからしばらく

テレビを見て勉強して過ごした

朝9時過ぎ i は看護助手と

リハビリ室に向かった

歩行訓練 筋トレと、
3ヶ月の間ベッドの上の

 i にとって少しハードな

トレーニングの日が過ぎ

3ヶ月後  i は

ついに退院日を迎え

その後2週間療養、リハビリ

そして遅れた学力を取り戻す

勉強が続いた

入院前は不思議と勉強が進み

次々と答案を書き込んでた

 i だったが

退院後は 以前に戻ったよう

『スマホ落す前みたいに

 スラスラ覚えてたのになんで

 すぐ忘れてしまう』

と、思いながらも懸命に

日中から過去問に取り組んでた


数日後  i は数カ月ぶりに

母と学校に挨拶に向かった

担任の先生に 病院の診断書を

手渡ししてから 先生から

「今年の春、3年生ですが

半年以上も休まれてますから

もう1年、2年生での留年も

ありますから」

「容認して頂きたい」


落ち込み戸惑う i 

『悔しいけど、切ないけど

 仕方ないか・・・』


帰宅してから 勉強に励む i 

でも、その表情は浮かない顔


父と兄が帰宅して

 母が事情を話す

父も兄も一瞬 不満顔

「留年なんた! なんでだ!」

母は小声で

「一番辛く、悔しいのは i 

 でも、今も負けずに

 部屋でずっと勉強してるよ

 あの子の気持ちも理解して」


皆揃っての 夕ご飯

母、父、兄が i を励ました

夜中 勉強を終えた i は

寝床に入り いろんな事考えた

『留年で下級生達と共に勉強』

『笑われないかな』

『いじめられないかな』

いろいろ考えてると

不安で 瞳に涙が溢れた


翌朝  i は目覚め

登校の準備して

家族と食事して学校に向かった


食事中 父は

「今度休み 新しいスマホ

 買いに行くか?」

と、聞き慣れた一言

それでも i は嬉しかった

 i は優しい父の言葉で

 少し元気を取り戻し

学校に登校した


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